駆け出しの記者、マヤ。

Q 「仮面ライダー龍騎」はご覧になったことはありますか?
無いんです。でも、劇場版は観ているので大まかな内容は知っていますよ。「龍騎」って「仮面ライダー555」の前じゃないですか、正直「555」をやったときも全然仮面ライダーシリーズを知らなかった状態でした。
Q 「555」では園田真理役でライダー側にいる役、「キバ」では鈴木深央(パールシェルファンガイア)でファンガイア役、そして今度のマヤはライダーのそばにいる役と、ポジションの変化はどう感じますか?
意識をしたことはないですけど、でもどっちかって言ったらマヤは真理のほうに近いじゃないですか。深央はすごくおとなしいと言うか、まあ敵ではあったんですけど。
第1話より、鏡の中に連れ去られて。
Q マヤはかなり行動的ですが、芳賀さんと似ているところがありますか?
実際の自分とは全然違いますね。でも、私も好きな事には行動的ですけど。だけど、私はあんなに感情は表に出さないですね。マヤはすごくどん欲。
Q マヤはストーリー上かなり重要な役ですよね。
はい、初挑戦でこんな大きな役を頂いて良いのかなって。本当に吹き替えはやったこと無いんですよ。大丈夫かなって心配でした。最初はこれで良いのか悪いのかもわからないみたいな感じでしたよ。自分が出してる声と聞くのはきっとまた違うだろうし。プロの方たちに囲まれているだけあって、なるべく迷惑を掛けないように取り敢えず足を引っぱらないようにみたいな、そればっかりもうずっと頭の中にありますね。
Q それにしてもマヤは早口ですね。
そうなんですよ! めっちゃ、早口なんですよ。それは結構大変だった事のひとつです。早口なんですけど、見た目が結構大人っぽいので自分の中ではある程度年齢が行っているような感じなのかな、って思っていたんです。だけどプロデューサーさんと話をしたら、マヤの設定はそんなに大人じゃなくてまだ18歳の記者に成り立ての新米記者。怖い物知らずというか、そういう女の子だって聞いて、テンションをもっともっと高めにしてみました。大人な感じをイメージしちゃっていたので、もっと年齢を下げて良いんだって思ってからは、だいぶやりやすくなった感じです。
Q マヤは早口ですから、セリフの量も多いですよね。
マヤはすごい多いですね。もちろん文量もそうなんですけど、他の人と比べても説明的要素が多かったりしますし。感情を表に出す子なのでやっぱりテンションが高かったりするし。テンションは相当あげてますよ。
Q テンションを上げるために何かしていますか?
気合いだけですね(笑)。でも結構下がり気味になるんですよ、長時間やっていたりとかすると。テンションが高いと言ってもまだ慣れていないので、どうしてもワンパターンになりがちなんですよね。ちょっと静かなシーンとかは落ち着いて言ったりするんですけど、それでも気持ちはひとつテンションを高めに持っておかないとダメなんですよね。
Q マヤの基本テンションがあるんですね。
でもまだ100%は掴みきれてない気がします。多分もっとやっていけば、ここがマヤの基本ラインだって言うのがもっともっと掴めてくると思うんです。正直、結構ついて行くのだけで必死というか、吹き替えって本当に未知なんですよね。技術が求められる現場な気がするんです、声も、息も。きっと肺活量も滑舌もそうだし、声のだし方、抑揚の付け方も。感情ももちろん大事なんですけど、声だけで表現しなくちゃいけない分、感情と同じくらい技術を持っていないとついて行けないというか。まず、口に合わせないといけない、タイムコードも見なきゃいけない。
Q 映像を観ていたら台本を見ていられないですよね?
そうなんです。だから最初は台本を全部覚えてました、私台本は結構覚えられるほうなので。最初はタイムコードを見ている余裕も無くて。でも流れを掴んでしまえば勢いよく喋るシーンでも、乗ってくると結構やりやすいんですよ。実際お芝居の相手の方がいらっしゃるので、その人が喋り終わったら喋るみたいな。それでもやっぱり全神経を集中させて、タイムコード見て口見て役者さんのセリフを聞いて、みたいな(笑)。頭はフル回転ですね(笑)。
Q 吹き替えのお仕事は初めてと言うことですが、他人の芝居に合わせるって大変ですか?
本当に難しいんですよね。普段は自分が台本をもらって読んで、役作りをしてカメラの前に立って演じているわけじゃないですか。声の他に体や表情、全てを使って表現するのが私たち役者の仕事なのに、声だけっていうのはどっちに合わせて良いのかわからなくなっちゃうんですよ。マヤ役のAriaさんの声のトーンだったり表情とか動きで、少しでも彼女が思っている感情を感じ取ろうと思うんですけど、その感情に合わせるのかそれとも台本を読んだままの自分のリアルな感情なのか。自分のリアルな感情を忘れて、彼女のほうに意識をし過ぎてしまうと、またちょっと壊れ始めちゃったりして。たまに演出上、その絵に合ってない声のテンションの高さを求められたりするんですよ。そうすると納得いかなくなっちゃって。「全然そういう表現をしていないし動きもそうじゃないのに、全く無視してこっち側のテンションで言って違和感はないのかな?」とか。そういう時は随時監督さんとお話をするようにしています。
Q セリフが被っていたり、すぐ側で違う会話をしたりするシーンも大変では?
台本にわかりやすく書いてあったりするので大丈夫ですよ。あとは別録りです。今は段々ペースも速くなってきて、録れる所は結構何シーンも続けて録っちゃうんですよ。実際に声優さんがマイクの前で入れ替わったりしながら録っていく事が本当に多いですね。どうしても被ってしまう部分はその人だけ別録りとか、そういう形で録ってますね。
Q 段取りが良いんですね。
サクサクですね。一度テストで映像を観て、大体OKだったらすぐ本番に行っちゃいます。どうしてもわからないところがあると、そこだけ映像を抜いて観せてもらったりしてますけど。
Q 登場人物が多いシーンなどは慌ただしいのでは?
いや〜、やっぱりみなさんすごいですね。アクションシーンとかでも、他の役をやられている方がモンスターの声とかもちょっとやったりするんですけど、皆さん本当にすごいです。バリエーションが違いますよね。
やがて事件に深く巻き込まれてゆく。
Q マヤは主人公のキットだけでなく色々な人物と接点を持ちますね。
この前レンとの会話のシーンがあったんですけど、それはそれで新鮮でしたね。レンって結構良い人なんですよ。初めはマヤとレンって敵対するのかなって思っていたんですよ。でも、意外とそうじゃなくて、普通にわかり合っているかのように会話しているシーンがあって面白かったです。
Q そして次にJTCが登場しますね。
JTCはマヤからしたらものすごい人物、警察ですらコンタクトが取れないような人物。そんなJTCから自分に連絡が来るっていうのは、仕事熱心で事件を追い掛けている分、マヤにとったらもの凄いこと。でもまだ面識はないんですよ、電話のシーンだけで。
Q JTCの声は「キバ」のキバットバットlll世の声を演じた杉田智和さんですね。
そう、杉田さんです。でも、私「キバ」の時はあまりアフレコがなかったからそんなにお話とかしなかったので、「お久しぶりです」って感じでした。
Q 見知った顔が多いんですね。
そうなんです。松田賢二さんも「キバ」で、松田悟志さんとは以前舞台でご一緒させていただきました。東映の武部プロデューサーがプロデュースした、井上敏樹さん原案の舞台「人生最良みたいな〜!日?」で。その時は結婚式とお葬式が同時に起きるコメディーで、私が花嫁で松田さんがお相手役でした。だから「また一緒だね」「よろしく〜」ってそんな感じでした。やっている時とかも松田(悟志)さんに「無理無理、私出来ない」とか「難しいよ、大丈夫だった、今?」とか聞いたりします。「だ、大丈夫だよ」って言ってくれたりして、アドバイスはもちろん励ましもあって、歳もだいぶ上なので本当に心強いです。
Q 今のアフレコの楽しみは何ですか?
自分が聞いたことのある声優さんがいっぱいいらっしゃるので、それが生で聞けるっていうのはすごい事ですよね。「うわ、聞いたことある! すごい!」って思いながらやってます。それに皆さんすごくアットホームなので、現場はもちろんすごく楽しいですよ。だけど今は勉強みたいな感じです。でもそれが楽しいんです、学ぶ事がいっぱいあって。
Q 今後他の作品でも吹き替えは挑戦したいですか?
そうですね…。でも「KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT」は40話まであってまだまだ先が長いので、まずはこれを乗り切る、みたいな。向上心は止めずに行きたいですね。慣れたらそこで終わりっていうのは嫌なんです。常に新しい気持ちで行けたら良いなと思います。
Q では「KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT」の芳賀さんの一押しポイントを教えてください。
「龍騎」のリメイク版と言うことで、「龍騎」はもちろん今まで仮面ライダーシリーズを観てきた人たち、そうじゃない人たちでも、アメリカの人がやっていると言うことですごく新鮮な気持ちで観れると思います。私も実際DVDをもらって観たときに「仮面ライダー」という先入観なくひとつの海外ドラマとして観て、その中に仮面ライダーが出てきてって言うような感じだったので、また違った意味で新鮮な気持ちで観れるんじゃないかなと思います。
TEXT/すねやみえこ









