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スペシャル-SPECIAL-

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キット・テイラー 18歳。

Q「仮面ライダー龍騎」はご覧になった事はありますか?

本当に申し訳ないんですが数回、最初の回と中程の数話、最後のほうだけ観ていました。子供の頃は「仮面ライダーBLACK」と「仮面ライダーBLACK RX」を観ていたので「今はこんな風にやっているんだ」って思いました。ちょうど7年前って言うと、仕事を始める直前くらいだったので「特撮も声の出演とかあるんだよな」と思いながら観たっていう思い出がありますね。


仮面ライダー龍騎改め、仮面ライダードラゴンナイト。

Q では、今回の「KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT」の世界に違和感は感じましたか?

あの当時のキャラクターが動いているんだ、と言うよりも、「あれ? なんで俺ライダーをやっているんだろう?」って言う不思議な感覚のほうが大きかったですね。実感が上手く湧かないっていうのもそうなんですけど。キットという少年の吹き替えをあてるのは若干馴染みがあるのでまだわかるんですけど、スーツアクターの方に声をあてて行くって考えた時に「俺今、ライダーで喋ってるわぁ」って。毎回自宅でVTRをチェックしながら観ている時、すごく不思議な感覚に陥ります。それこそ小さい頃は仮面ライダーになりたかったですからね。変身ベルトを買ってもらえなかったので自分で段ボール紙で作ってましたし、普通に高い所から飛んでみたりとかして足を捻挫したりして(笑)。みんなで仮面ライダーごっこをしたくらいだったので、それを考えると、こういう業界に入ったからこそできたのかなって思うところがあります。嬉しいなぁと思いました。
仮面ライダーのフィギュアのS.I.C.シリーズで龍騎が発売されたので、2年前かな? コンビニでたまたま買って飾っていたんですよ。それを買ったのも正直に言うとBLACKがいたから買ったんですけど、その時他のライダーもラインナップされていて、龍騎がカッコイイなと思って飾っていてました。まさか、作品に関われるとは思ってもいなかったので。もちろん仮面ライダーに関われたらいいよなとはこの業界に入る時に思いました。特撮も声の出演があるから。でも、仮面ライダーに声をあてるとは全く思っていませんでした。出られても怪人役だろうと、その時は絶対仮面ライダーをいじめてやるぞ、と思っていました(笑)。それが、変身するほうかって、未だに不思議な気分です。
変身前はキットというキャラクターがいるので、そこから派生的に考えているんですけど、仮面ライダーってなると自分の中ではもう別次元なんですよ。だって仮面ライダーってカッコイイじゃないですか。それこそ、小さい頃にウルトラマンか仮面ライダーかって、クラスで1回は口論になるんですけど、僕は仮面ライダーだと言ってずっと譲らなかったんですよ。小さい頃に発売されていたファミコンのゲームで、仮面ライダーとか宇宙刑事シャリバンとかヒーローがいっぱいSDキャラで戦っていくみたいなソフト(※1)があったんですけど、それでずっと仮面ライダーを使ってたんですよ。どんだけ使い勝手が悪かろうが仮面ライダーを使ってなんとしてでもクリアしてやろうと、やってましたね(笑)。なんてタイトルだったかな?
(※1=恐らく「SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団」と思われます)

Q 特にどの仮面ライダーが好きだったんですか?

BLACKとRXがとにかく好きで、家にも石ノ森章太郎先生の文庫本のマンガを置いてあります。その後に「仮面ライダークウガ」が始まったときは「ヤバイ、平成ライダー始まったよ」と思って見ていたんですけど、続ける根気がなくて途中で諦めてしまって、後は全部DVDで見直したって言う(笑)。その後に大ハマリしたのが「仮面ライダーカブト」。たまたまTVを付けた時が第1話だったんですよ。仮面ライダーが2段階変身するのに、ものすごくときめきを覚えて「ヤバイ、すごいカッコイイ!」と思いました。その頃はイベントとかに出させてもらう時に「カブト」の話をしていたので、ファンの方からガタックの変身ベルトを贈ってもらっちゃいました(照笑)。ずっとガタックが好きだったので。「これはなんとしても変身しなくては」と思って、子供用で全然ウエストが合わなかったんですけど、なんとか腹を引っ込めて無理矢理着けて変身してました(笑)。

Q それほど仮面ライダーが好きだったら、仮面ライダーを演じるのは特別なことですね?

相当自慢してますよ! 純粋に嬉しかったですし、やれると思っていなかったので。オーディションのお話を頂いた時は絶対受からない、絶対俺より適任な人がいるんだろうなって思いながらオーディションを受けてました。失礼ですけど、受けられるだけでも記念だと思ってました。

Q アフレコは楽しいですか?

楽しいですね。毎回(予習用の)VTRをもらうのが楽しみです。元の「龍騎」と話も違うので世界観だったりストーリーだったりすごく気にはなるんですけど、それと同時にアクションシーンも結構増えているみたいで、そういうところを観るのも楽しいですね。「龍騎がいっぱい戦っているな」っていうのもそうですし、決め技を言う時はどうやって溜めようかなとか、このシーンは何秒あるから、コンマ何秒はこう入れようとか、アクションシーンとかではアドリブは結構多めにいれているかもしれないですね。龍騎ってキックをするときに結構タメが長くて、そのタメの時に勝手に力を溜めているアドリブとか結構入れて、なんか自然とテンションが上がっていくんですよね。やっぱり「龍騎」って知っている作品だから。TVを観てたときに自分だったらこういう風に入れたいなって若干思っていたんですよね。7年前の自分が思っていたことを今出来るっていうのが不思議なんですよ。しかもその時ってすごく傲慢な視聴者としての目線だったんですよね。当時のことも思い返しつつ、現在の自分としてやれることをやりつつ、アドリブもちょこちょこと。毎回そんな感じでやっているので、一人だけ汗をかく量は半端ないです。毎回大技の度に汗だくになっています(笑)。
普通の吹き替えと違うなと思ったのは、今回はスーツアクターの、仮面ライダーになった顔の見えない状態のところにも声をあてること。顔が見えないと表情は見えないじゃないですか、一体どういう表現をしているのか、どういう風に表現したらいいんだろうか、普通にナチュラルにやっても伝わるのかな? とか色々思っていて、まだ自分でも不安が残るんですけど。そう考えるとこれは色々と試せる機会かもしれないと思って、毎回すごく頭は悩ませるんですけど、何かを試せる瞬間があるのでそれがすごく楽しいですね。
元の龍騎はどこかお茶目なところがあったので、そういうところが出せたらいいなぁと思うところがありますし、やっぱり「龍騎」を知っている方にも観て欲しいし、自分も観ていたって言うのがリアルであるので、そこには説得力や接続性を持たせたいなと思いながらやっています。

「KAMEN RIDER」の掛け声、そして変身!

Q ところで「龍騎」との違いで目立つのが変身時のかけ声だと思うのですが。

「KAMEN RIDER!」と殆ど原音に近い発音なので「カメンライド」と言っているような状態です。(台本に)「カメンライダー」って書いてあるけど「変身!」に変わるんだろうなって自分の中で勝手に良いように解釈してて、現場に入って原音に近くしてくれって言われた時は「え!?」と思いました。仮面ライダーになるには「変身!」ってかけ声じゃないんですか? みたいな(笑)。せめて「カメンライダー」じゃなくて日本語発音で「仮面ライダー!」って言いたいですって、5分くらいずっとディレクターさんに抗議してました(笑)。我ながら何をやっているんだと思うんですけど。でも、慣れてくるとやっぱりオリジナリティが出てくるなと思いました。「KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT」の第1話の現場に入って、速攻で公私混同したのはそれでしたね。すみません、って思いました。

Q キットは演じやすいキャラクターですか?

僕自身がまだ未熟なものですから、それでいて「仮面ライダー」に関わるのが初と言うことで、キットも同じようにライダーになるべくしてなったというよりも、たまたま流れ的に、気軽な気持ちでライダーになっちゃった子なので全てが未熟なんです。最初のほうとか戦えないですし、そこから成長して行くって言うところは、僕が未熟なところからこの作品を通して受け取るものがたくさんあるんだろうなって思うところと一緒なんです。すごく現状の自分とリンクしやすいキャラクターだなと思ったので、あまり構えてやりたくないなって言うのはありました。キットって言うひとりの人間でありキャラクターであり存在しているものだと思っているので、それをいかに説得力を持たせて皆さんに観ていただけるか、キットの場合は自分との接点を見つけてその中でキットらしさって言うのはどこに出るんだろうって、模索しながら第1話に臨んだって言うのがありますね。

Q では最後に鈴木さんお薦め「DRAGON KNIGHT」のポイントを教えてください。

基本的に僕は役を頂くとその役しか見えなくなる、すごく偏ったタイプの役者なので、すぐにその役が大好きになっちゃうんです。だからキットがドラゴンナイトとして戦っていく様、その成長を観て欲しいと思いますし、キットって18歳とは書かれているんですがすごく精神年齢が幼くて、簡単に色々な事に騙されるんですよ。逆に言うと簡単に人を信じてしまうところがあるので、そんなキットが翻弄されていく様を楽しみに観ていただけたら嬉しいなと思います。あとは増えたアクションシーンを楽しみにしつつ、元々あったアクションシーンも随所に折り込まれているので、今まで「龍騎」を観ていたコアなファンの方は「ここは●●のシーンだったな」とか細かく観ていただけると、ある種パズル的な楽しみ方もあると思いますよ。

TEXT/すねやみえこ