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東映作品はその歴史が示すとおりたくさんあります。その中で一番のお気に入りは? と聞かれたら、みなさんはどの作品のどのエピソードを選びますか? 作品の数、エピソードの数だけみなさんそれぞれの熱い想いがあると思います。今回はこの方の熱い想いをうかがいました。
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第六回 東映特撮作品担当 スチールカメラマン 渡辺直之のチョイス

【profile】
わたなべ・なおゆき 1947年生まれ。浅草駒形(株式会社バンダイと同じ町内)出身。産経新聞社写真部勤務を経てフリーカメラマンに。徳間書店『月刊テレビランド』の写真担当ときっかけに、東映ヒーロー作品を撮影。同時に東映株式会社テレビ商品化権営業部の写真を担当。日本写真家協会会員、有限会社スタジオ・エイティーを主催する。  多くの幼年誌や絵本などでカッコイイヒーローの写真を見る事が出来るのは、東映ヒーロー作品の撮影現場に密着し、その雄姿をカメラに収めてくれる彼のようなカメラマンがいてくるからこそなのだ。



<作品解説>
放映:1984年2月4日〜1985年1月26日、全51話
レッドワン:郷 史郎/阪本良介
グリーンツー:高杉真吾/太田直人
ブルースリー:南原竜太/大須賀昭人
イエローフォー:小泉ミカ(初代)/矢島由紀、矢吹ジュン(2代目)/田中澄子
ピンクファイブ:桂木ひかる/牧野美千子
ピーボの声:太田淑子
ドクターマン:幸田宗丸

第2話「ダブルライダーの遺言状」

[INTRODUCTION・僕のヒーロー]

 ちょっと本筋からはずれてごめんなさいよ!
キラ星の如くある東映作品、このコーナーの『お気に入りの1本』に何を書くか?
 まずは自分にとってのヒーロー、子供の頃夢中になった東映作品のヒーローはいっぱいある! もちろん世代としてはTVではなく映画ですが!
 フランス座(ストリップ)の写真や看板を「見てはいけない!」と子供心に緊張して歩いた、東京・浅草六区。その最深部にあるのが、ご存じ浅草東映。ここの暗闇こそが、極悪非道の悪代官、御用商人、ヤクザ、と僕のヒーローが毎晩戦っていた戦場なんだ。
 現代劇なら「ある時は……の運転手」「またある時は……の男」ご存じ、千恵蔵さんの『七つの顔を持つ男』、もちろん白黒の映画でした。二丁のリボルバーで単身悪漢達のアジトに潜入、たちまち激しい銃撃戦になり、ちょっぴりピンチになったところに警官隊が……ここで(今では信じられないでしょうが)観客が拍手をしたもんだ!
「貴方は映画館で拍手をしたことがありますか?」
僕は何回もあります、買ってもらったお菓子も忘れて。映画館ではアンパンやビンのラムネまで客席に売りに来た、そんな時代があったんですよ。
 時代劇はこれまたすごく見ていたんだ。白黒時代の錦之助さん、千代介さん『紅孔雀』『笛吹童子』、嵐寛さんの『鞍馬天狗』、総天然色になって大川橋蔵さん『新吾十番勝負』、歌右衛門さん『旗本退屈男』、大友柳太郎さんの『丹下左膳』、美空ひばりさんや松島とも子さんが劇中で歌を歌っていたもんです。
 高田浩吉さんや黒川弥太郎さんも股旅姿で、お決まりの日本晴れ街道をローアングルのカメラに向かって、なぜか歌を歌いながら歩いてきたものです。
 間違いなく東映映画のスターは下町の子供達のヒーローでした。
 むかしむかし、株式会社バンダイのある町内では、子供達が毎日チャンバラをやっていましたよ。
 そう! 野中君! 貴方の会社の前の隅田川べりで、ジャリやブロックを売っている店が遊び場でした。
 
 さて、もちろんこのコーナーで僕に求められている原稿としては「違う!」ってのは分かってますが、ちょっとばかり関係があるのです。
 上記の作品が単体ヒーローならば、国民的お楽しみかつての東映お正月作品、オールスター総出演映画『清水次郎長』や『忠臣蔵』は実に戦隊シリーズ物なのです。
 ヒーローはズバ抜けて強く、ストーリーは単純で人物設定が明確、最後には必ず正義が勝つ。
 そして何よりも忘れてならないことが二つあります。
 ひとつは、ヒーローは歌も歌えて踊りも上手、ワンカットの長い立ち回りも華麗にこなし、オールマイティー。
 そしてもうひとつは、悪役達。
 何てったって東映映画時代の悪役達はすごかった。吉田義男さん、山形 勲さん、月影竜之介さんなどなど、なんの映画を見ても「またかよ!」と言うくらいに、同じ俳優さんが出ていました。それがまた「毎回これでもか!」と言うくらい憎らしく、悪行三昧は子供心に溜まりませんでした。
 この伝統ある図式こそが、あの時代に老人から子供までが楽しめたストーリーの骨格でした。そしてテレビの時代になっても、仕事として関わっている我らが子供番組でも、この図式は同じでした。

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