「私はもう、気が付いたら舞台に立っていたという感じなんです、物心ついた時から。それこそ幼稚園くらいから、学芸会やそういったものの舞台が大好きだったみたいで。気が付いたら舞台に上がっている写真ばっかり。小学生の頃からNHKの児童劇団に入ってて…学校の推薦で、先生に推薦してもらってオーディションを受けたんですけど、受かっちゃったから。気が付いたらずっとお芝居の世界に。これをやるんだ、と思った事がずっと出来ているから、まあ、夢が叶っていると言えるかな。歌もダンスも、とにかく表現することを何でもやってみたかったの。まだまだ全然甘いんですけど」
にっこりと微笑み、ちょっと照れくさそうに話すレイさん、お姉さんの雰囲気なのにかわいらしさが漂う。ツエツエからは想像出来ない、独特の雰囲気を持っている。おっとりしているように見えていながら、実は周りに気を配っている、周りをちゃんと観ている、そんな感じがした。
反対に、テトムの雰囲気とシンクロしているような印象を受ける岳美さん。彼女はモデル出身だと聞いたが。
「今もモデル…いや、分からないですね。女優さんです(笑)。きゃ! 女優さんとか言っちゃって(笑)」
やっぱり楽しい人だ。必ず、笑わせてくれる。
「お芝居としては『ミュージカル・セーラームーン』が初めてで…、この『セーラームーン』が面白い受かり方をしてまして、オーディションへ行って、ギャラクシアって悪役の女王さまなんですけど、アニメのキャラクターの顔に似てたから受かったらしいんですね。そういう話を聞かされて、演出家の方から。へえ〜そうなんだって思ってたんですけど。その後はお芝居の仕事はしていなかったんですね。スチールやゲームのお仕事ばかりで、そして『タイムレンジャー』のお仕事が入って、そう! 私、出てたんですよ! 第1話に時間保護局のオペレーター役で。白いカツラ被っていたんですけど、顔も真っ白で(笑)、頬に星があったりして。メイクさんが私の顔で遊んで「あ、星描いちゃおう♪」って」
誰とでもすぐにうち解ける性格のようだ。メイクさんやスタッフとすぐに仲良くなれるのは、役者に向いているということなのでは? どこへ行っても楽しい現場になりそうだ。
「そうそう、忘れてたんですけど」
岳美さんが続けた。もちろん、クリームソーダもフルーツタワーソフトもちゃんと消化しながら。
「『仮面ライダークウガ』を受けて落ちてるんですよ。結構なんだかんだ言って、ここ(東映・東京撮影所)に何度も来ているんですね」
「オーディションに? ほ〜」
これにはレイさんも驚いたようだ。
「事務所の人にも「いつものところだよ」って言われて、「じゃ、また言ってきますよ」って軽く言って来たのが、『ガオレンジャー』のオーディションで」
本当に軽く言ってのける。いくら何度も来たことがある撮影所とは言え、オーディションに来る訳だし、普通はもっと緊張するのでは??? しかも岳美さんの場合、緊張しないのはここ東京撮影所だけではないらしい。
「二次審査で銀座(東映本社)へ行って…その時、時間ぎりぎりだったんですよ。ダーって走って行って、そこでオーディションの紙を渡してもらって。でも、控え室でそれを読む暇もなくオーディションをやって。そしたら「岳美、受かったよ」って、でも私、本当は悪役がやりたかったんですよ。それで、最終選考に行ったときに、その日の最終選考はツエツエとテトムのオーディションで、私はどっちの役で受かっているのか聞かされてなかったので、テトムとツエツエの両方のセリフをもらって、まずテトムのほうで受けて今度はツエツエのほうでって、オーディションを2回受けたんです。テトムのほうは、下は12歳の子から上は私だったんですよ。テトムってどうしても小さい子ってイメージだったんで、私じゃないな、って思ってました。私はツエツエを演りたいって思ってて。「どうしてもツエツエがいいの?」って言われたのが日笠(プロデューサー)さんだったんですよ。「はい、悪をやらせてください。やってみたいです」って。でもツエツエのオーディションへ行ったら、レイさんにもう圧倒されて。レイさんが蹴りとかやっていたんですね。私は格闘となったらあんなに格好良くは出来ないなって、しょぼくれて帰って…」
本当に残念そうに言う岳美さん。申し訳ないが、確かにレイさんが相手では勝ち目はないだろう。それにしても蹴りとは、レイさんの頭の中には既にアクションシーンが想定されていたのか?
「何か最後にアピールすることありませんか? ってオーディションの席で最後に言われたときに「ここで何かやらなきゃ!」と思って、「はい! やります!」って回し蹴りとかキックとかを…ちょっと足が上がったりするのね、ダンスをやっているから。もう、みんな受かりそうな感じなんですよ、タイプがバラバラで。似ている人がいないから誰が受かっても文句言えない、というか、最後に残っている人はみんなそれなりに個性があって、いい感じの人ばっかりだったのね。だから、最後にアピールしておかなくっちゃって」
これは、これから役者を目指す人には大変参考になったのでは?

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