他の映像作品がそうであるように、東映作品もまた驚くほどたくさんの人達の手によって作り上げられています。その作り手達を知れば、自ずとその作品も見えてくるのではないでしょうか? そう考えると話を聞いてみたい人はたくさんいると思います。そこで、不肖未熟の身ではありますが、私が会員のみなさんに成り代わり、いろいろな方にお話を伺っていきます。今回はこの方にターゲットを合わせました。みなさんの聞きたいことが、少しでも聞き出せていると良いのですが・・・・。

第8回 増岡 弘
(『百獣戦隊ガオレンジャー』ツエツエ役・テトム役)-前編-
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 短い梅雨があっという間に明け、連日猛暑が続いているが、そんな暑さを微塵も感じさせないほど涼やかな白いレースのカットソーをさらっと着こなした、背の高い女性が窓の外を横切った。落ち着いた大人の雰囲気を漂わせたその女性は、誰かを捜している風だった。すると彼女の視線の先から、セミロングの髪を揺らしながら細身の女性が軽やかな足取りで現れた。
「あー、来た来た♪」
外見よりもかわいらしい甘い声をしている。このおしとやかそう、優しそうな彼女が、あのツエツエだとは一体誰が気が付くだろうか? 
「お待たせしました。やっと、アフレコ終わりました」
そして元気な声で答えるセミロングの彼女。ノースリーブのサマーセーターにパンツと、とても気さくな格好で‘近所のお姉さん’と言った雰囲気だ。そう、この人がテトム。劇中のテトムは最近おとぼけ気味だが、岳美さんも結構近いところにいるのかな? 
 今回はツエツエ役の斉藤レイさんと、テトム役の岳美さんにお話を伺います。さて、一体どんな話が飛び出す事やら…。


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 この二人、並んで歩くとスタイルも似ているし顔立ちもどことなく似た雰囲気で、仲の良い姉妹のようにも見える。ふたりで並べばおしゃべりは欠かせないようで、楽しそうに笑い声が聞こえてくる。
「今日はどんな話をすればいいんですか?」
岳美さんが目を大きく見開いて子供のように尋ねる。
「お二人の素顔が分かるような……」
と言いかけて、そばにいた横塚さん(『百獣戦隊ガオレジャー』のアシスタントプロデューサー)が
「お美しいお二人のその美容の秘訣は?」
と茶化した。
しかし、それをしっかり受けて立つのが岳美さんだ。
「それは〜、恋ですね」
と、マジ顔で答える。
「やだ〜ぁ、恋愛話はやだ〜」
意外にもお色気ムンムン(死語?)のレイさんがだだをこねた。
ともすれば‘恋多き女’と言いたいくらいの彼女、熱い恋のひとつやふたつ語ってくれそうなのに、どうやら恋愛話は苦手らしい。そこがまた、可愛かったりして。
対照的にあっけらかんと話すのは岳美さんだ。
「私、いっぱい好きな人いますよ。男性に限らずですけど」
「ずるい〜」
声だけ聞いているとレイさんのほうが妹のようだ。しかも、
「それはデジカメ?」
と、話題をそらす。
「あたし、コギャルの写真の撮り方知ってますよ」
と、ちゃんと食いつく岳美さん。早速写真を取り始める。
「実生ちゃん(ガオホワイト役・竹内実生)がこうやって撮ってた。今日、実生ちゃんが持ってた本に写真の撮られ方が書いてあって、みんなで見てた」
そう、この直前まで『ガオレンジャー』のアフレコで、他のメンバーとも顔を合わせてきている岳美さん、メンバーの話題は事欠かないようだ。
「それでね、「ちょっと、岳美やってみ」って言われてやったら「キモイ」って言われた。ひどいでしょ? ねえねえ、レイさんもやりましょうよ?」
メンバーとはかなり仲がいいようだ、こんなにズバリ言い合えるんだから。
「いいよいいよ、私は今回大人バージョンでいくんだから」
元気な岳美さんのペースに巻き込まれないレイさんは、さすが大人。
「じゃ、私も大人バージョンで」
岳美さんは、意外と負けず嫌い? というよりは、暴走しちゃうタイプのようだ。これは
「周りが見えないでドーっと行っちゃうんで、まるで猪みたいです」
と本人も認めている。

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 今回は女性ふたりということで、デザートを食べながら話を伺った。
 レイさんのオーダーは‘カフェフロスティー’(134kcal)、アイスコーヒーにアイスクリームが乗っているアレね。甘い中にも苦みがある、正に大人の女性レイさんにピッタリ。そして岳美さんのオーダーは‘クリームソーダ’(188kcal)、子供から大人まで人気のあるグリーンの液体の中の炭酸の泡が何とも涼しげなアレね、ってそれだけじゃない。もう一品‘フルーツタワーソフト’(408Kcal)も。色とりどりのゼリーの上に大きなアイスクリームが鎮座していてフルーツパフェのよう。岳美さんは迷った挙げ句、両方ともオーダーすることになったのだ。
「頂きます!」
目の前にクリームソーダとフルーツタワーソフトの2つを並べて、岳美さんが食べ始めた。
「頂きます。あ、鼻とかに入れないでよ」
レイさんが岳美さんに突っ込みを入れた!
「ばれた?」
岳美さん、本当にするつもりだった? 全く、お姉さんに注意された妹のようだ。
 こんなに仲がいいふたりだが、いつからの友達なんだろう? きっかけはどうやら『ミュージカル・美少女戦士セーラームーン』だったようだ。1992年から始まり、何代にも役者が交代して続いているこのミュージカルだが、レイさんは1993年から1997年の間でセーラープルート役で出演し、その後1998年の舞台から入れ違いで今度は岳美さんが、セーラーギャラクシアの役で出演している。
「最初はすごい緊張してました、レイさんに。『セーラームーン』の時から「レイさんだぁ、セーラープルートだぁ」ってそういう眼差しだったので」
と言いつつもアイスクリームが口元へ運ばれて、ぱくぱく。そして続く、
「だって、私、神戸で写真撮ってもらったんですモン! レイさんとたまたま会って。仕事で神戸に行ったら「セーラープルート役の人が来ているよ」って教えてもらって。泊まっているホテルで」
「そうそう。『セーラームーン』のミュージカルは何代にもずーっと続いていて、みんな前回のビデオを見て研究とかしてくれるからねぇ〜。長い作品ですからね。来年で10周年なんですって。舞台だけでよ、すごいよね。で、『ミュージカル・セーラームーン』を観た東映エージェンシーの方が、『ガオレンジャー』のオーディションを受けてみないか? って言ってくださったの。ほんと、『セーラームーン』演ってなかったらツエツエはなかった! 『セーラームーン』は、私の芸歴というか人生には、外せなくなっちゃってるね♪」
レイさんが懐かしそうに話してくれた。レイさんほどの芸歴の持ち主なら、いろいろな逸話がたくさんありそうだが、その中でもやはり『ミュージカル・セーラームーン』は特別なもの、そして今に繋がっているものなのだ。そんなレイさんのデビュー作品は一体?

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構成/すねやみえこ
(c)2001 TV ASAHI・TOEI