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| ヘリコプターが通り過ぎると、何事もなかったかのように撮影が再開する。そしてまた息を止める瞬間が繰り返される。
テープのチェックが済むとスタッフの動きが激しくなるのだが、今度は更に大勢のスタッフが動き出した。そして背後の壁までもが動き出した。そこは大きな扉で資材の搬入口でもあった。次々とイントレ(カメラ用の櫓とでも言ったところか。詳しくはレギュラーコーナー『Not too shabby!』第六回/田崎竜太監督著をご覧いただきたい)や移動撮影用のレールが運び込まれた。それらはみるみる組み立てられ、あっという間にGトレーラーの後方ハッチ部分にカメラが設置された。
モニターに映し出されたのはガードチェイサーのテールランプのどアップ。ここからカメラはすーっと流れるように横へパンしていく、するとG3ユニットと氷川 誠の3人がフレームインする。映像の美しさにモニターに釘付けになってしまった。
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「お疲れさまでしたー!」
撮影を終えたG3ユニットの面々は、セット脇のモニターそばへ降りてきた。
「あ、これおいしそう」
瞳子さんがLIVINのビニール袋いっぱいに入ったお菓子や菓子パンの中から、チーズ蒸しパンを取り出して嬉しそうに言った。女の子らしい一面だ。撮影現場にはいつもコーヒー・紅茶・ミロと言ったスタッフ用お茶セットや、誰からともなく差し入れられるお菓子などが常備されている。
ミロを飲もうとカップに手を伸ばしながら一緒にのぞき込んでいた要さんが、
「これ誰の差し入れ?」
と、瞳子さんを見た。
「東映ヒーローネットです」
後ろから声を掛けた私に、ふたりともとても驚いたようだったが空かさず頭を下げて
「あ! ありがとうございます。頂きます!」
と、なんとも丁寧にお礼を言ってくれた。うっ、嬉しい♪
Gトレーラーのセットは撮影終了とともにどんどん撤収されていく。と言ってもセットを解体するわけではなく、セット内の小物やガードチェイサーが片づけられていくのだ。
メイク室に戻る瞳子さんに”瞬き”の秘密を聞いてみた。
「あれ、結構大変なんですよ。ずっと我慢しているからカットがかかると、もう目、痛! ってなるんです」
なるほど、あの瞬きの少なさは意図したものだったんだ。その小顔の大半を占めるのではないかと思われる程、大きな瞳。名前負けしてません。すっごい目力(メヂカラ)を感じます。この瞳で見つめられたらどんな男も反論は出来ないでしょう。それにしてもなんて気さくな人なんだろう。まるで友達と話すように気負いもなく自然と話してくれる。
「私、すごい辛口で普段からこうなんですよ、口が悪いんです。相手が誰でもどの現場に行ってもこうなんですよ。キャストに限らず、スタッフの人にもすごい辛口、偉い人に会っても。なので、マネージャーのほうがヒャヒヤしてますね「何言ってるんだ、こいつ」みたいな。本人は別に普通なんですけど。小さい子に対しても同じしゃべり方で。太一(美杉太一役・田辺季正くん)が「これ、見て見て」って何か持って来ても、「あ、さっき見た見た」って普通に言っちゃうんですよね。ちっちゃい子用の言葉じゃなくて」
と、あっけらかんと言う。役者は人に見られる仕事だし、何より好感度、というか人に与える印象を一番気にする仕事だと思うのに…
「人がどう思おうが関係ないですよ」
これまた、あっさりと言ってのける。ここまで”男らしい”とは。
「莉奈(風谷真魚役・秋山莉奈ちゃん)は私に嫌われてると思っていたらしくて、…その割りには寄ってきてたんですけどね。私の仲の良い同じ事務所の子が、前に莉奈と一緒に番組をやっていたことがあったんですね。それでその子と莉奈が話しているときに「今、瞳子と一緒にやっているんだよね?」って話しになって、そこで莉奈が嫌われてるみたいって言ったんじゃないかな? そしたらその子が「瞳子はいつも辛口だから」って。で、全然あたしの関係ないところで解決しているんですよ。その後、莉奈とは病院のシーンで一緒だったんですけど、莉奈が私に「嫌われてるかと思った」って懐いてくるから「嫌いだよ!」って言ってやったんですよ」
つお〜〜い。だけど、言葉とは裏腹に莉奈ちゃんへの愛情すら感じる。カッコ良すぎ。
「莉奈はね「瞳子ちゃん、小さ〜い」って人の頭、ペシペシするんですよ、全く7つも年下なのに。この前は、莉奈に耳触られて「あれ?ピアスの穴開けて無かったんだぁ。不良じゃなかったんだぁ」って」
瞳子さんの愛情の裏返し的屈折した仕打ちにもめげない莉奈ちゃんは、年上の柴田さんが敬語を使う瞳子さんをなんなくあしらっているらしい。う〜ん、こっちもつお〜〜い。恐るべし15歳パワー。
「私やっと14話で翔一と初共演だったんですけど、その病院のシーンで。監督が田崎監督で私のセリフが結構長かったんですね。で田崎監督は結構最初から最後まで回しちゃうんです。ほとんど私がしゃべってて最後に翔一と誠が会話してっていうシーンで、長いから私結構ドキドキだったんですね、口が回るかなとか。小沢澄子は結構早口、頭がいいから。だから、ドキドキしてたんだけどちゃんと言えて「ちゃんと言えたじゃん」ってホッとしたら、翔一が短いセリフで噛んじゃって。マジで? そんなぁ〜! みたいな。やられましたね。しかもいつものあの笑いでごまかされちゃって。でも突っ込みましたよ、それでも笑ってごまかしている」
と、瞳子さんは津上翔一役・賀集利樹さんの印象を教えてくれた。どうやら彼はテレビで見るまんまの、笑顔の絶えないキャラクターらしい。それを柴田さんが裏付けしてくれた。
「賀集くんはあのまんまって感じかな。ちょっとスケベな感じとかも。この前の5話あたりで垣間見えたような気がしますね。ちょっとしたセリフなんですけど、僕のツボに入ってしょうがなかったんです。真魚ちゃんの家庭教師の真由美先生を送っていくシーンで”ええ、教育問題には僕も興味があります”に続いて”ええ、僕もスチュワーデスには興味あります、はい”。そのまんまじゃねえか! ってツボ入っちゃっておかしくて。賀集くん、地でやってるなって感じしましたね」
「ゲストが来るたびに、「今回どんな子?」とか「かわいい」とかチェックしてるよね」
瞳子さんもここぞとばかりに賀集さんの隠れた部分を暴露してくれた。
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