さて、美緒さんが故郷・名古屋を後にして東京に来たのはいくつの時だったのかな?
「18歳でした。高校を卒業してから。東京に来る前にモデル事務所に所属していたことがあるんですけど、本当にアルバイト感覚でした。高校を卒業してから女優になりたいと思うようになって、東京に出てきて今の事務所に履歴書を送ったんです」
となると、具体的に女優になりたいと思ったきっかけがありそうだが…?


「事務所の先輩の森下涼子さんが『砂の城』とか『緋の稜線』のお昼の連続ドラマに出ているのを、高校の時に観てて『砂の城』にすごくハマったんですよ。友達みんなでビデオとかも録って。テスト期間がすごくうれしくて、早く帰れるからリアルタイムで『砂の城』が観れるって(笑)。そういう生活をしてたんで、すごい憧れだったんですよ。だから、今の事務所に行こう、涼子さんがいるからって」
 それで、上京して事務所に所属? なんの障害もなかったのだろうか?
「すごい行動力があったんですね、そのときは。思ったらもう、まっしぐらで(笑)。親にも「行くから!」って。で、お姉ちゃんが先に東京に住んでいたので「お姉ちゃんと住むなら許す」って親も言ってくれて」
 そしてこのときの彼女には、不安や戸惑いも一切無かったという。
「もうやるって決めてたんで。すごい本当にもうそのときは無茶…無茶ではないですけど、決めていたので。事務所に入ったのが夏くらいだったんですけど、春から夏の間も別に不安は無かったですし。それよりも東京に慣れることに必死でした(笑)。大阪弁の方とかと喋ると引っ張られちゃって、つい名古屋弁が出ちゃうから。家ではほとんど名古屋弁ですよ(笑)」
 言葉の壁はどこもあるようだ。そういえば、確か美緒さんは『仮面ライダーアギト』に葦原涼の恋人・片平真由美役で出演した。『アギト』は主役のライダーたちが3人とも関西系出身だった。特に共演シーンの多い友井さんは、普段はバリバリの大阪弁の人、収録にはそれなりの苦労があったのでは?
「めちゃめちゃしんどかったです(笑)。でも、友井くんも演技上東京弁じゃないですか、だからその辺は気を使ってがんばってがんばってやってたんですけど、年がみんな同じくらいだったんで集まると…大変でしたね(笑)。ぽろ、っと名古屋弁になっちゃうと戻るのが大変なんで(笑)」
と、隠された撮影秘話が今明かされる…。
 さて、結果的には『アギト』に引き続き2年連続の東映ヒーロー作品への出演となったわけだが、当時はそんなことは夢にも思わなかったことだろう。
「思わなかったです! 全然。まさか! あたしが?っていう。2年連続で、関わらせてもらって、びっくりです」
と、本人自身この現実に驚いている、まさにラッキーガール。
「実は友井くんと偶然、飛行機の中でお会いしたことがあって。あたしは“PRIDE”の大会で福岡に行くので飛行機に乗ろうとしたら、突然声を掛けられて本当に偶然に。1列違いくらいの席で要くんと一緒で、『アギト』のショーが福岡であるって言ってました。『ハリケン』出演のことを知っていて「おめでとう、聞いたよ。がんばってね」って言ってくれたんで、すごい嬉しかったです。言いヤツラだと思って(笑)」
 あ、ここで補足しておくと、美緒さんは人気格闘技“PRIDE”のラウンドガール。大会が開催されるところならば彼女も選手と同様、飛んで行く。
「福岡は去年も行きましたし、名古屋も行きました。これもまた違う感じの仕事のなんで、自分の中でいろいろプラスになりますね。何万人という観客の前で歩かなきゃいけないっていうのが…ちょっと緊張」
 『ハリケン』の撮影とはちょっと違った世界で、さらに自分を磨いている。PRIDEの会場で「ウェンディーヌ!」と、声を掛けられることもあったり、ウェンディーヌのトレーディングカードにサインをお願いされたりしたこともあるという。
 そして、ラウンドガールを務めるうちに、いつしか彼女もPRIDEにハマってしまったという。
「もう、試合をやっている最中は仕事を忘れちゃって「行けー!」とか言っちゃってるんで、本当に「いい仕事をしているね」って言われちゃう」
 さらに、
「自分も格闘技をやってみたくなって、竹田(道弘アクション監督)さんに練習をしてもらったりとか。「ちょっと取り入れよう」ってことで、サンダール登場のときの戦うシーンで、キックをやらせてもらって(笑)。竹田さんに「やりたいって言ってただろう、ちょっとやってみろ」って言われて「ありがとうございます!」って。サンダール役の蜂須賀(祐一)さんも「本当に蹴っていいよ」って言ってくれたので、バーン!って。すごいいっぱいテイクを撮ったんですね。蜂須賀さんは「全然平気です」って言ってくださったんですけど、私ほうが足がズキズキ(笑)。「あれ、おかしいな?」って、メイクさんに見てもらったら赤くなってて「スプレー掛けておこうね」って(笑)。あず(フラビージョ役・山本梓さん)にも「ダメじゃ〜ん」って言われて(笑)。日々鍛えている人とは違うんだなって実感しました。でも、念願叶ってすごい嬉しかったです」
 本当に体を動かすことが好きなようだ。



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構成/すねやみえこ
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