「メイク室でのシーンがありましたけど、カットになりましたね」
すると、てるやさんは気落ちした風もなく、
「そうそう。結構余計なことをしてカットになってます(笑)。この前も、ぐる〜と回ってセリフを言うっていうのがカットになって…。僕もカットしたほうがいいだろうなって思っていたら、案の定カットでした f(^-^)。台本では「善は急げ、鼻から鼻毛」ってセリフだったんですけど(笑)。「これ、どうなんですかね?」って監督に相談したら「変えてもいいでしょう」ってなって、何がいいかなと考えて「善は急げ、急がば回れ」って変えて。そしたら「ぐる〜と回ったら?」って七海に言われて、自分が回ることにしたんですよ。でも、最終的にはそこはシーン全体がカットになって f(^_^; 。ベースがお笑いのところなんで、何かあると細かい笑いは狙って行きたいなと」
やはりそこは普通の役者さんとは違うところ、笑いを生む芝居を常に意識している。ではアドリブも多い?
「そうですね、状況で。セリフで言わなくちゃいけないところはちゃんと守っていますけど、それ以外でやれるところはできるだけやってみて。OKだったらやらせてもらって、「やりすぎ」って言われたら「すみません」って言おうと思って。そんな感じでやってますね」
さらには、撮影現場の空気も読みながら笑いを狙っているようだ。
「みんな機嫌がいいかな?とか見ながら。でも、スタッフの方は僕が来ると「どんどんあぁいう感じでやって」みたいに言ってくれるんで、それはすごいやりやすいなぁと感じてます」
なるほど、スタッフのほうが てるやさんのお笑いに期待していることは明らかだ。
「ちょっと“ふう”が変わったヤツが来てる、そんな感じじゃないですか? だって、ゴウライジャーとかカッコイイじゃないですか、ハリケンジャーよりカッコイイんじゃないかと思うくらい。だから、お笑い要素としてね」
と謙遜(?)する てるやさん。
「カッコイイのがゴウライジャー、お笑いが てるやさんですか?」
と、ご自身のポジションについて伺うと
「そうですね。そのふたつの間でハリケンジャーに遊んでもらって。でも、そんなに毎回撮影現場に行っているわけじゃないんですよ(^ ^;」
その数少ない撮影ではやはり、野乃七海というか野乃ナナ役・長澤奈央ちゃんとの共演シーンが多い。彼女の印象を聞いてみた。
「彼女、最初からずっと明るいんで。彼女は“歯っぴいスマイルイメージガール”でグランプリ賞を取ってるんでしょ? 結構チェックしているんですよ。この前もフラッシュで篠山紀信に撮られて出ていたのを見たんですよ。それでメール送って「見たよ」って。メル友にはなっているんです(^o^)b。ちゃんと返事も……こなかったり(;_;)(笑)」
と、てるやさんはわざと悲壮感まで漂わして、私たちを笑わせてくれる。
さて、てるやさんの基本になっている“笑い”は、やはり今回シアターアプルで行われたWAHAHA本舗全体公演のような舞台で発揮されている。それらの数多く公演される舞台やライブの合間を縫って『ハリケンジャー』に出演されているのだ。ではその舞台とは一体どんなものか……?
「基本は舞台で、さらに僕ひとりの単独ライブとかもやっているので…」
お笑いの単独ライブはどんなものだろう? コンサートのように2時間くらいをひとりでこなすのか?
「いや、2時間をひとりでやるのはお客さんも辛いかな?と思うから(笑)、1時間半くらいかな」
それでも長い! たったひとりで1時間半! 驚きだ。さらに てるやさんの活動にはコントグループ“トホホダックス”としてのコントライブもある。
「WAHAHA本舗にオホホ商会っていう、10人くらいの若手のグループがあってその中でコンビを組んでやったりとか、みんなと芝居したりとかしてます。今は『クウガ』の時にカメレオン男(ズ・ガルメ・レ)で出てた森(雅晴)と元気安っていうのと3人でトホホダックスっていうコントグループを作って…」
そうです。先ほど、ロビーでお見かけしたのは、ズ・ガルメ・レの森雅晴さんだったのだ! 当然役のときのようなタトゥーはなかったが、まさしく森さんだった。もちろん、パンフレットにもカラー写真で紹介されている、ふんどし姿が……。今回のWAHAHA本舗全体公演『大福祭』はテーマが“祭り”。よって、ふんどし姿やはっぴ姿で紹介されているのだ。もちろん てるやさんも。
「髪型のせいでしょうか? 随分イメージが変わりますね」
と、そのふんどし姿を見ての感想をいうと、
「僕もいつも7:3分けにしているわけじゃないんで(笑)。一応これ、カメレオンがうちのリーダーなんで」
と説明してくれた。このトホホダックスはWAHAHA本舗の中核的存在の実力派、直情型突っ込みのリーダー・森さん、シュールなギャグの元気さん、そして絶妙なボケの てるやさんの3人で構成されるユニットなのだ。
東映作品に出演しているのは、てるやさんや森さんだけではない。東映ヒーローファンの方ならもうご存じだと思うが、
「東映ものは昔から先輩たちが、佐藤(正宏)さん、柴田(理恵)さんが出てますから、みんな好きですね。佐藤さんは「よかったね。面白いね」って言ってくれてますね。それと、うちにすずまささんって人がいるんですけど、すごく気にしてくれてて「いつやるんだ」って聞きにきますね」
佐藤正宏さんは『どきんちょ!ネムリン』の寝不足怪人イビキ役で、柴田理恵さんは『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』・『魔法少女ちゅうかないぱねま!』の三軒茶屋のおばさん役で、それぞれ出演している。
さらに撮影が最近ではめっきり少なくなったフィルムということも、話題になっているらしい。
「フィルムで撮るってあの独特の世界じゃないですか。すずまささんも「やっぱりああいう文化は残ってて欲しいね」って。僕もあぁいう形のものはずっと残っていってほしいと思いますね。昔から16mmで撮ってますよね? だからアフレコで。僕はちょっとしかないからいいですけど、みなさん大変ですよね。やっぱり口に合わせないといけないっていうのがあるじゃないですか。でも見ていると余計な事を言いたくなるのがね。たまに後ろ向いていたりするじゃないですか。その時にセリフとは違うことを喋ったりしてますよ。なんか間を埋めたいなと思って。余計なことをしたりとか」
ここでもアドリブ炸裂! 細かい笑いを狙っているようだ。しかしそれは撮影現場の記録さんとの戦いでもあった!?
「いつもね、「ここ、こういう風に言ってますからね」って記録さんに言われて「はい。分かりました」っていいながら、違う事を言っているんですf(^_^;。基本的にはいい加減なヤツですね。はははは(笑)、かなりいい加減ですよ。いつも「分かりました」っていいながら毎回変えていくんで、「さっきはこう言ってたんですけど」って怒られちゃうf(^_^;。何回か一緒にやったことのある記録さんだと「コイツはこういうヤツだから」って分かってくれて「じゃあ、てるやさんどうぞ」ってなるんですけど、初めての人だと「ちゃんとやってくださいよ」って言われちゃって。逆にそう言われると緊張しちゃって。映像では普通テレビを見ている人のリアクションを気にするじゃないですか。僕、その場のスタッフのリアクションのほうが気になっているので、だからきっと1回1回違うことをやっちゃうんですね」
その辺はやはりご自身のライブ活動の内容に寄るところが、かなりあると思える。何せトホホダックスのコントライブには台本がないという。基本設定のみ、あとはオールアドリブだとか。これじゃあ、同じ芝居は2度と見られない? アドリブ禁止令は、てるやさんには地獄ってことかも?
アフレコに関するエピソードはまだあった。
「そういえば、この前シュリケンジャー役で前の戦隊の人が出てくる回で一緒になった…メガブルーの松風(雅也)さんが、戦隊をやったお陰でアニメのアフレコから何からいろいろできるようになった、って言ってました。すごいですよね。
やっぱりアニメの人はうまいですよね、アフレコが。だって、見た目と全然違う声を出しますからね」
と更にアフレコでの出来事が。怪人の声などで声優さんがよく参加されているのはみなさんもご存じのことと思う。
「本当に、びっくりします。東映の撮影所で待っているじゃないですか、そうすると短髪の女の人が革の服を着て来て。この人ロック系のバンドやっているのかな?って思うような人が、「お願いします」って始めると「いや〜ん、やめてくださぁい」ってかわいい声を出すんですよ。おっそろしいなと思いました。危ないですよね(笑)」
と、その外見と声のギャップに驚いていた。
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