他の映像作品がそうであるように、東映作品もまた驚くほどたくさんの人達の手によって作り上げられています。その作り手達を知れば、自ずとその作品も見えてくるのではないでしょうか? そう考えると話を聞いてみたい人はたくさんいると思います。そこで、不肖未熟の身ではありますが、私が会員のみなさんに成り代わり、いろいろな方にお話を伺っていきます。今回はこの方にターゲットを合わせました。みなさんの聞きたいことが、少しでも聞き出せていると良いのですが・・・・。

第22回 てるやひろし
(『忍風戦隊ハリケンジャー』馳 太役)
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 さて、みなさんこのちょっと小太り気味のひょうきんなおじさん(失礼)、一体誰だかお分かりになるだろうか? よ〜く、ご覧いただきたい。ほら、『ハリケンジャー』に出ているあの人、役名は馳太(はせ・ふとし)。え? まだお分かりにならない? 演ドルとなった七海ちゃんのマネージャー・馳太役の てるやひろしさん、その人だ。まあ、無理もないだろう。全くイメージが違うし、出演話数も決して多いとは言えないから。今回は、悪と戦う主役を支える名脇役、個性的なお笑いアクター・てるやひろしさんにお話を伺った。


 この日は てるやさんが所属するWAHAHA本舗の全体公演の真っ最中。楽屋へお伺いすると、ロビーまで使って舞台の準備が行われていた。準備する方たちの中に、ちょっと気になる人をみつけたのだが、これは後ほど。
 WAHAHA本舗の舞台は大変人気が高く、チケットを入手するのは結構大変。もちろん、てるやさんも出演されるので、最終稽古直前の貴重なお時間をいただいた。
 マネージャーさんに案内してもらい、劇場ホールのロビーで てるやさんとお会いした。が、どうにもピンとこない。ご本人を目の前にしているのに、馳太は見えてこないのだ。馳太はふとっちょな典型的なおじさんというイメージ、しかし目の前にいる てるやさんは、小柄で少々ぽっちゃり気味ではあるがオシャレな上着を着てこざっぱりとした感じ。しばらく頭の中を整理するのに時間がかかった。
「テレビで拝見するよりも、スマートでお若いですね」
と素直にお会いした感想を告げると、
「テレビの時はダブルのスーツで…今日もそれを着て着たほうが良かったのかなって思ったんですけど、一応やめてきました(笑)」
と、コミカルな仕草を交えて、のっけから楽しい方向へ引っ張っていってくれる。
 最近で言うなら『クウガ』のおやっさん役・きたろうさんのように、ちょっとコミカルな役所は子供番組では常に必要とされているが、まさにぴったりの方。そのちょっとした仕草や大きな丸い目をくりくりとさせる様は、ちょこまかとしてかわいらしささえ感じ、ペットにできそうな小動物(失礼!)といった感じだ。


 それでは本題。てるやさんが『ハリケンジャー』に出演することになったきっかけを伺おう。まさか、ヒーローのオーディションに応募されたわけではないだろう?
「きっかけ? きっかけはどうなんですか?」
と、クルっと後ろを向き、てるやさんはそばにいたマネージャーさんに尋ねる。
 どうやら、てるやさんの資料には馳太風の写真があり、それを見た番組プロデューサーからすぐに依頼があったようだ。
「はい。僕の知らないところで決まりました」
とこちらに向き直り、しっかり私の目を見て答えてくれる。丁寧に答えてくれただけなのに、なぜか笑ってしまう。


「オーディションにはWAHAHAの若い人たちが行ったんだっけ?」
と、更にマネージャーさんに確認する てるやさん。どうやらWAHAHA本舗の若手芸人の方々は、ヒーロー役に挑戦したようす。残念ながら大抜擢はなかったわけだが。
「それで作品は知ってたんです。でもまさか僕が出るとは思わなかったです(笑)。「みんな、がんばれよ」って言ってたんです」
『ハリケンジャー』出演は本当に意外だったようで、これまた目をまんまるくして話してくれる。ヒーロー役ではなくマネージャー役なので、若手の方々に怨まれることはないようだが、『ハリケンジャー』出演で甥御さんや姪御さんはかなり驚いたそうだ。
「一応姪っ子甥っ子たちには『ハリケンジャー』の中でマネージャーで出てるからって言ってるんですけど。でも、うちの甥っ子に「出てなかった」って言われて。「え?」って。もう一回うちの兄貴と一緒に見直して「本当だ!」ってびっくりしてたって言ってました」

 憧れのヒーローと一緒にテレビに出ているのだから、甥御さんたちから尊敬されているのでは? 叔父さんの株が上がりまくりなのでは?と思いきや、
「変身するわけでもないし、戦いませんしね(笑)。尊敬されているかどうかは…普段の生活の中でがんばります!(ぺこり)」
と、頭を下げる。シビアな現実を謙虚に受け止めているところが、それも決して重くしないところが好感度アップ!って感じだ。
思わず、
「面白い方なんですね」
と私が言うと、
「いえいえ。馳太とあんまり変わんない感じなんですけど」
と答える。確かにせっかちそうな仕草などは馳太を思わせる。
「大体セリフが「あ〜もう〜! 早く〜!」っていう、そればっかりなんです(笑)。「あ〜、遅いな〜」ってそういう感じですね。役作りをどこまでやっているんだって言われると、どこまでやっているのかな?って感じですからね。一応仕事に対しては真面目な人、っていうのは馳太の部分として考えてはいるんですけど。普通に真面目だと面白くないですけど、それを生真面目にするとそれがおかしかったりとか。一応そういう風にしていこうかなと。でも、だんだん…最近はちょっとセリフも“こっち系”(と手をそらして顔に添えた)になってきてるんでね。それはどうなのかな?って思うんですけどね。困っちゃいますね、そんなつもりはないんですけど(笑)。」
と、笑い飛ばす。生真面目な馳太は、七海が遅刻しても営業の途中でいなくなっても怒ることはなく、ひたすら“困っている人”。
「そうですね。あまり怒っても怖くないんで(笑)。だから、困っているって感じが多いですね。そんなに無理矢理怒ってもね。たぶん尻に敷かれちゃっているって感じですもんね、どっちかと言えば」
と、馳太像を語る てるやさん。そんな優しい気弱そうなところが似ている……なるほど話を聞くうちに、徐々にだが てるやさんと馳太が重なり始めた。しかし、馳太よりも てるやさんの動きのほうがもっと忙しそうかも。撮影の最中はどんな感じなのだろうか? てるやさん出演の撮影現場に比較的多く行っている当ヒーローネットのスタッフから、馳太のシーンはカットされてしまうことが多いと聞いていたが、さらにこんな情報が…


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構成/すねやみえこ
(c)2002 TV ASAHI・TOEI AG・TOEI

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