やはり栗原さんと島田の第一印象での違いはあのレトロなメガネと髪型にあると思う。そこでまずはメガネについて伺った。
「メガネも印象深いですよね?」
すると、意外な裏話を教えてくれた。
「実は…最初は、東映の小道具に長い間眠っていただろう、田崎監督がお気に入りのメガネがあったんですよ。そのメガネのサイズが合わなかったので、衣装合わせではなくて、メガネ合わせに行ったんですね。それでメガネ屋の親父さんが「いや〜、これは相当古いメガネだね」ってサイズを直している途中で、ポキッて折っちゃったんです。「え?」ってみんな時が止まったように何も言えなくて(笑)。それで、今使っている縁が緑のメガネに変わったんです」
そんなメガネ事件があったとは。皆さんはお気づきだろうか? TOEI TV Websiteで紹介されている島田奈々子は、実はその壊れたメガネをしているのだ。器用にセロハンテープで応急処置されたメガネを…。微妙にオンエア中のものとは違うので、チェックしてみてほしい。
また、あの髪型も独特だ。実は毎回違う髪型だそうだ。皆さんは気付いていただろうか?
「メイクさんが試行錯誤して、もうぎりぎりまで悩んでいるんですよ。「今日は……よし!」って決まると、パッパッパッと作り始めるんです。日が変わるごとに島田は髪型を変えているっていう設定だから、今まで1回も前の髪型と被ったことはないんです。すごいですよね」
と、楽しそうに話す。しかし、収録がその日中に終わるとは限らない。そんなときはまたもや、メイクさんの腕の見せ所となるらしい。
「撮りが別の日にあるときは、難しい髪型だったりすると再現するのが大変で。メイクさんが写メールで撮っておいたのを見て、「これはここだったな」って(笑)。撮影はだいたい島田の髪型待ちなんですよ(笑)」
あの個性的な髪型は彼女の地毛で作っているというが、実際の髪の長さは意外にも短く肩から少し長いくらいだ。数々の髪型を作り上げてくれて、これからもきっと違う髪型に挑戦してくれるだろうメイクさんに、感謝!である。
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さて、そこまで作り込んでいる島田奈々子だから、普段の姿では気付かれない。それを寂しく感じたりはしないのだろうか? すると、
「どれだけ浸透しているか実感がわかない、っていう点では寂しいですけど、それだけ化けていることは狙い通りでもありますし」
と、役者らしい一言が返ってきた。
“化けている”ということはやはり島田奈々子は自分とは違うのだろうか?
「そうですね。「全然違うんだね」と言われると演じ甲斐がありますね。容姿はすべて衣装合わせの時にいろんな方の意見で決まったんですけど、しゃべり方とか行動は結構自分で決めてしまっています。最初はインテリ風に喋ろうと思ったんですよ…皆さんにどう映っているか分からないんですけど(笑)。でもその容姿を見て、普通に喋ってはつまらないなぁと思って、ちょっとおかしな風に、「えい!」みたいな感じでやってみようと思って。それで、本番でNGが出たらやめようかなと思っていたら、OKが出てあれよあれよという間に…」
「収録を重ねるごとにキャラが固まっていったということですね?」
「そうですね。結構好きにやらせて頂いているので、たまにアドリブを入れたり。「あれ、おもしろいね。アドリブ?」って言われたのが、実は監督の演出だったりとかもあって。監督も島田の身になってみたりとか。島田は島田でおもしろがってやってみたり、いろいろなことをやらせてもらっています。島田がどういうキャラクターなのかは一言では説明できなくて、変わり者って言っても、「どんな変わり者?」って感じで「とにかく変わり者なんです」って言うしかない。まあ、明るくもなく、暗くもなく、本当に一言では言えない、私から見た島田は何も考えてない、悩みとかなくてうらやましいなと思いますね。何も考えてないから、島田のキツイ一言があるんですよ。「編集長その歳で坊主になったら、ヤバイですよ」とか、「真司くん、首になるなら早めに言ってね」とか、本当に何か考えていたらそんなキツイこと、毒を吐けないだろうって。島田だから許せるんで、うらやましいですね」
と話し、栗原さんが実は島田に憧れている部分があることをのぞかせた。
OREジャーナルのシーンは実にコミカルでおもしろい。そして実際の撮影現場も楽しいもののようだ。
「大事な髪を真司くんに掴まれてしまうシーンもありましたね」
と、撮影現場の雰囲気を知りたい私は、話題を向けた。
「あれも、撮影がおもしろかったんですけど。「おまえは誰だ!」っていうセリフで、私テストまで普通に言っていたんですけど、本番でなぜか入っちゃったみたいで「おまえは誰じゃ?」って言っちゃったんですよ。本番でいきなり変えちゃったもんだから、須賀さんも笑いをこらえられなくて。しかももみ合っているうちにメガネもスポーンと飛んじゃって、NGになったんです。須賀さんにも「いきなり、変えるなよ」って言われて(笑)。次は二人で笑いをこらえながら演じて、そこへ令子役の久遠さんが止めに入るんですけど。終わってから久遠さんが「私もう笑ってたよ〜。「島田さん、落ち着いて」って言いながら絶対笑ってた〜」って言ってて(笑)。真司くんも最後に「ちょんまげ!」って言ったりして。あそこは結構やりたい放題にやらせて頂きましたね(笑)。あのときは石田監督でした。石田監督の時は、島田は結構活躍する割合が多いんです(^o^)」
と、やはり現場もコミカルだった。島田にしては珍しく編集部を出て活躍した回もあった。一条俊さん演じる芝浦に、編集部を乗っ取られた時がそうだ。島田の天才プログラマーぶりが発揮される回でもあった。
「優衣のいる喫茶店・花鶏でのシーンもすごかったですね」
「あ、あれはイスから転げ落ちるんですけど、リハーサルでは床に毛布を敷いてもらっていたんですけど、「瞳ちゃん、本番は毛布取るからね」って言われて」
と、どなたかスタッフの物まねを交えて話してくれた。
「芝居で転ぶってまだやったことがなくて。とりあえず思い切り落ちたら、ちょっとアザになっちゃって(笑)」
と笑いながら肘をさすった。
「受け身をちゃんと練習しないと、と思いました。あのときもおもしろかったですね。あの回は“スパン!”とかやったり…」
と手を広げた。そうそう、芝浦を中心にダンスを披露した、あのポーズだ。
「二流(にりゅ〜)」とか言ったり。この言い方で口を「にりゅ〜」ってやったら、「それ、いいね」って言われて「二回目の“二流”もその顔でやって」って言われて(笑)」
ふむ。芝浦にバカにされたシーンのセリフだ。
「いざ放映を観たら島田がちょっと赤くなっていたから、「あれ? 私こんなだった?」って思ったら「CGで、島田が怒って煮えている」っていう編集になってて(^o^)。あれも、石田監督の回です(笑)。オンエアで初めて知ったんですよ、あんな風になっているって。ありがたいですね」
と、ケーキを平らげながら彼女は話してくれた。のびのびと撮影に挑んでいるのが分かった。そしてその環境がいかにありがたいことであるかも、彼女はちゃんと分かっている。

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