他の映像作品がそうであるように、東映作品もまた驚くほどたくさんの人達の手によって作り上げられています。その作り手達を知れば、自ずとその作品も見えてくるのではないでしょうか? そう考えると話を聞いてみたい人はたくさんいると思います。そこで、不肖未熟の身ではありますが、私が会員のみなさんに成り代わり、いろいろな方にお話を伺っていきます。今回はこの方にターゲットを合わせました。みなさんの聞きたいことが、少しでも聞き出せていると良いのですが・・・・。

第20回 山本康平
(『忍風戦隊ハリケンジャー』ハリケンイエロー・尾藤吼太役)
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「いや〜、普通ですよ。俺は普通でいようかなって」
と、飄々と語るのは、ハリケンイエロー・尾藤吼太役の山本康平さん。今まではハリケンジャー3人揃っての取材がほとんどで、その時にはやはりレッドである塩谷さんがメインとなり、イエローはあまり喋らなかった。イエローは一体どんな人なのか? ハリケンジャーの中では一番の年上となる彼、とかくやんちゃなハリケンレッドとハリケンブルー、このふたりのパワーに押され気味なところがあるように見えるがそれは目立たないとか、一歩下がっているとかではなく、ただただ普通でいるからだったようだ。
 普通だからこそ、テレビと同じ優しい笑顔で“隣の家のお兄さん”と言う彼のためにあるような言葉通り、親近感が湧いてくるのだろう。現役の大学生でもある彼。ヒーローと学生の両立はどうなっているのだろうか? 
 今回は山本さんおひとりにじっくりとお話しを伺った。


「『ハリケンジャー』を始めたことによって変わるのは、嫌だなって思うんです。今まで作ってきた自分を急に変えるのは嫌、「変わった」って言われるのが嫌なんです。顔つきが変わったとかそう言う、成長したって言う意味ならいいんですけど。偉そうになったとか…普通なるんじゃないですかね? でも俺たちはスタッフさんにも「いい雰囲気でやっているからいいよ」って言われるし、そう言うのは言われると嬉しいじゃないですか。この前も、川口でロケをやった時に、すごいたくさんの子供たちがいてサインとか求められたんですね。撮影の邪魔にならないところでやっているんですけど、撮影スタッフから見えるじゃないですか。その時にカメラマンさんが冗談で「お前らだけで人気者になったんじゃないんだぞ」って言ったんですよ。その時も俺と姜(暢雄、クワガライジャー・霞一鍬役)くんで「はい、分かってます」って素直に。もちろん天狗になるつもりもないし、むしろそう言う風にはなりたくないなって。だから学校に行っても普通です。逆に周りが「イエロー」って言うのが嫌ですね。でも俺も乗っちゃうんですけどね「う〜ん、変身!」とかって(笑)」
 足が地に着いている、と言うか自分がちゃんと見えている、とでも言うのか。子供以外にもお母さんや若い女性ファンが増えている最近の特撮ヒーロー番組。それに主演しているとなると勘違いしやすいだろうに、彼はそんなことに踊らされることなく、しっかりと地面を踏みしめているようだった。
 軽い食事を用意していたので勧めると、意外な答えが返ってきた。
「こう見えて俺、小食なんです。残すの嫌いなんで残さないようにしたいんですけど、小食なんでたくさんオーダーすると全然食べれないですね。セットとかダメですね。自分の食べれる範囲じゃないと。「残しちゃダメ」と言う教育を受けているんです(^_^)」
と、とっても良いことだけど、ちょっと古くさいことを言った。それはやはりご両親の教育方針か? 我が家でも食べ物を残すと叱られたが。
「学校でも教科書とかで良く見るじゃないですか。「飢えた子供たちが世界にはこんなにいるのに、食べ物を残しちゃいけません」って先生も言うじゃないですか。それが頭に入ってて。あんまり残すのは好きじゃない。でも、最近たまに残しちゃうんですよ…たま〜に。それは現場での……」
と、口ごもった。本当に食事を残すが不本意らしい。またその理由が理由だけに自分を情けない、とでも思っているかのように照れくさそうにしていた。その理由とは撮影現場でのプレッシャーだったようだ。
「3話、4話なんてひどかったですからね。もう胃が…食べる気がしなくて、つまんでても味も分かんなくて」
撮影も始まったばかりの頃だったので、勝手も分からず彼的にかなり悩んでしまった第3話、第4話の収録では、とても食事が喉を通るどころではなかったようだ。繊細な一面を覗かせた。
「メンタルな部分が影響しやすいんですね?」
と聞くと、とても照れくさそうに
「いや〜、影響するとは思ってなかったんですけどね。しました、意外にも」
と、本人も驚く出来事だったらしい。外見だけで判断してはいけないが、背も高く大学生と言うと、どうも、大盛りでガツガツ食べるイメージが浮かんでしまっていた。しかも小食なのは今に始まったことではないそうだ。
「昔から食べないです。ふたりの兄貴はめちゃくちゃ食べるから、親も「お前に対して作る気がしない。なんであんたはそんなに食べないの?」って。でも、一番大きくなりましたからね(^_^)v。牛乳が好きだったんですよ。牛乳と納豆で育ちましたからね。親にも言われます「あんたは牛乳と納豆しか食べてなかったよ」って。それとご飯は大好きなんですよ、お米。日本人だから。日本人は米ですよ」
と、和食好きをアピール。岡山県出身の彼、納豆が好きと言うが関西方面だから納豆を食べない、と言うのはもはや古い定説なのか?
「掛ける系が好きなんですよ。ふりかけとかオクラ納豆とかも大好きだし」
どうやら、量より質の食事をしていたようだ。背が高くなりたかったら、牛乳と納豆だ。なぜなら、彼の両親はそんなに背が高いわけではないから。
「親父が170cmちょいくらいで、おかんのほうは“おばちゃん”って感じですよ。ちょっと太ってます。小太りと言ったら小太りの人に失礼ですね、太ってます。良く喋りますね、うるさいおかんですよ(笑)」
と、母親のことをあまり誉めないのは男の子特有の照れか? 


 男の子3人を育てたからには、お母さんはさぞかしパワフルなことだろう。 「そうそう、パワフルですよ。躾とかも厳しかったですからね。叩き放題でしたから(笑)。そうなりますよ、男3人もいてギャーギャーやっていたら(笑)」 家の中はきっと、毎日大運動会が開かれていたに違いない。やっぱり喧嘩も絶えなかったとか? 「兄貴とは6歳と4歳、離れているんです。一番上の兄貴は全然兄貴って感じなんですけど、4歳上の兄貴にはすごい対抗意識持ってて、いつも突っかかってしまうんですよね。それでいつもボコボコにされてました。その真ん中の兄貴は身体的にもゴツイと言うか、筋トレ好きだし格闘技好きだから、勝てるわけないんですよね。でも突っかかって行っちゃうんですよね。で、いつも殴られてましたからね。それ以来殴られるのとか嫌いですモン。喧嘩とかも絶対しません、勘違いされやすいんですけど。痛いの嫌ですモン。だから、ピアスとかも開けないし、タトゥとかも流行っているじゃないですか、もう分かんないですからね。なんで自分の身体を傷つけるんだ?って。痛いんじゃないのか?って。痛いの嫌いですモン」 と、めちゃめちゃ平和主義&痛がり? さて、ふたりのお兄さんに揉まれて育った山本さん。一体どんなお子さんだったのだろうか?

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構成/すねやみえこ
(c)2002 TV ASAHI・TOEI AG・TOEII

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