そして、最近のトピックスを伺った。すでに撮影が始まってから三ヶ月が経った今、最初の頃とは変わってきたことなどあるのでは?
「もう、三ヶ月経っちゃったんですよね。早いですよね」
と、しみじみ語ったのは山本さんだった。
「まず、楽しかったことは一個あるよな」
と、塩谷さんは、数々ある思い出の中から一番新しいものを引っ張り出してくれた。
「そうそう、昨日は面白かったよね。昨日は朝早く撮影が終わって、後は暇だったのでみんなで後楽園ゆうえんちへ行ったんです。前からみんなで「ハリケンジャーショー」を見に行こうって言っていたんですよ。で、昨日がたまたま上手い具合にみんなの都合が合って、みんなで隠れ隠れ、というか(笑)大ぴらに、っていうか、行ったんですよ」
と、導入部分を担当してくれたのは、やはり年上の山本さん。それに続いて塩谷さんが、
「俺一応、花粉症用ですけどマスクして行ったんですよ。でも、0.2秒ぐらいで側にいたお母さんに腕を掴まれて「頑張ってくださいね」って言われて、「早っ!」って。これがゴチバトルだったら瞬間負けてたよね、俺」
って、よく分からない例えで、お母さん方の鋭い監察力を教えてくれた。が、山本さん曰く、
「だって、マスクしてたっていうのも、それまで何も無くて行った現場で急いでつけたくらいで。みんなに言われたんだよな?」
 おや? 既に顔が売れている自覚はあまりないのかな?
「普段はサングラスしているくらいですね。まあ、花粉症なのでマスクをしてますけど。気付かれるのはお母さんが多いですね」
と、塩谷さんが経験を語った。すると山本さんが
「本当に? 俺、ない」
と、驚いた。
「そう? 「レッドさんですよね?」って声掛けられる。電車の中が一番多いですね。コソコソ話しているのが聞こえてくるので。電車の中で、男の人が俺と目が合うとパッとそらして、でも見てて。しばらくしてもう一度見ると『電撃特撮通信』みたいな雑誌を見てて。こっちと見比べてるんですよ「うわ、ばれてるじゃん」って、ちょっと気まずい思いをしました(笑)」
う〜む、人目を引くのはやはりレッドとしてのオーラが出ているのか? しかし、山本さんにも負けず劣らずのエピソードがあった。が、こちらは山本さんの回の時にじっくりお届けしよう。
「子供だとこっちも手を振ってあげられるんですけど。大人の人がコソコソ言っていると、手を振る訳にもいかず、どうしようって」
なるほど、ファンの立場としても子供のようにはしゃぐわけにも行かず戸惑うが、それは役者の立場でも同じことだったんだ。

 さて、話を後楽園ゆうえんち・スカイシアターの『ハリケンジャーショー』に戻そう。
「後楽園はスゴいよかったです。面白かったですよ」
と興奮しているのは山本さん。やはりライブのアクションショーはまた撮影とはひと味違うハズ、それに驚くのは当然のことだろう。
「動き、すごい勉強になって。昨日ちょっと一番低いところから飛んでみたんですけど、楽しかったです(^o^)」
と、何でもやってみたい、好奇心の固まりのような塩谷さんはすでにジャンプをTRY済み。
「早くやりたいよね」
本心から楽しみにしている様子の山本さん。それは塩谷さんも同じだった。
「本当に早くやりたい。一番高いところから飛んでみたかったんですけど、お客さんにバレるからって、できなかったんですよ」
と、残念そうに言う塩谷さんだった。しかも、公演数まで決めつけて山本さんに念押しをする。
「ショー、頑張るんだろ? 1日10回だよな?」
それにはさすがに山本さんも「うん」とは言えない。なにせアクションシーンはもちろん、握手会だってあるこのショー、1日に3回くらい公演するのだってものすごく大変なことなのだから。
「いやいやいや。怪我しちゃ元も子もないから。集中力を保てる限界のところまで、頑張るよ。良い事言うな、俺って。動きが鈍くなってきたら、お客さんに悪いじゃないか」
と、大人の発言で丸く治まるかと思いきや、すかさず塩谷さんが反撃した。
「じゃ、1ヶ月間毎日やろうぜ」
「それは俺が決める事じゃないからさ(笑)」
と、さすがの相方も困ってしまった。
それにしても、最近のファンの方々は情報が早いというか、事情通というか子供でも良く知っているらしい。塩谷さんが後楽園ゆうえんちで子供に見つかったとき、こういわれたと言う。
「お兄さんが出るときにちゃんと行くから。秋と番組が終わった時だよね?」
これには、もう塩谷さんもビックリ。公演する本人達よりも、毎年見に来ている子供たちのほうが圧倒的に「お約束」が分かっているのだ。ここまでファンの間に定着、浸透している“素顔のヒーローショー”。お客さんが増えないわけがない。“素顔のハリケンジャーショー”もまた例外ではないだろう。


ここで差し入れのケーキを勧めた。
 塩谷さんはチョコレートが好きだと聞いていたので、チョコレートケーキをメインに、9種類ほど取りそろえた。そして塩谷さんはドーム型をしたピンクのケーキ、パンナコッタ・フランボワーズを選び、生クリーム好きの山本さんは、唯一の生クリームケーキのムースフレーズを選んだ。
「いただきます!」
ふたりして元気な声で挨拶。そして食べるのが早いという山本さんに対して、おしゃべり上手の塩谷さんは
「俺、ロケ弁の時でも喋っているんで、一緒に食べてた女の子も先に食べ終わってるんですよ。それなので、まだ食べてない人のところに言って喋って、それでその人とと同じくらいに食べ終わるんです。おかしいよね? 俺だけ時間止められてるんじゃないか?」
と、真面目に不思議がるので、山本さんは笑いをこらえられずに言った。
「いやいやいや、たぶん自分で止めてるんだよ(笑)」
「そっか。じゃ、頂きます」
と、あまり気にしていないようで、塩谷さんはケーキを食べ始めた。
「俺もいただきまーす」
山本さんもそれに続いた。
するといきなり塩谷さんがケーキのチョコレートで出来た飾りの額にあて
「クワガライジャー」
一瞬、“?”となる山本さんと私だが、一緒にいたスタッフはすぐに気づき、カメラのシャッターを急いで切った。なるほど、細く長く伸びた2本のチョコレートは、ちょうどクワガライジャーの角のようだった。
「ははは! クワガライジャーの一言で3枚も4枚も撮ったよ、すごいね(笑)」
と山本さんも大笑い。本当に塩谷さんは楽しい人だ。


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構成/すねやみえこ
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