「あと、今、日本にないこととかをアメリカから持ってきたいし。いろんな事をやっていきたいなって。もちろん今は役者が一番やりたいので、役者をやりながらもいろんな方向で人間として更なる飛躍じゃないけど、していきたいです。好きな言葉は「Boys, be ambitious」青年よ、大志を抱けです」
「でた!」
すぐさま、山本さんが反応した。いつも言っているようで、それだけに本当に塩谷さんのポリシーであることが分かる。

「それがあるからこそ、僕が今ここにいるわけだし。ただ本当に、痛感するのは「少年老いやすく、学成りがたし」。やっぱりすごい難しいですよね。演技とかもそうですけど、テレビとか見てて「この人へたくそ」って思うじゃないですか、でも実際に自分でやってみるとその何万倍も難しいんですよ」
若いのに、格言が良く出てくる。一所懸命勉強しているのが伺える。もちろん、この考えには山本さんも同感。大きく頷いていた。
「思った演技が出来ないし。「用意、スタート!」って言われた瞬間に頭の中が真っ白になって、全く…。スタッフの皆さんが家族のような感じで言ってくれるんで。ひとつひとつ「こういう風にやっていくんだよ」って。特に福沢(博文:ハリケンレッドのスーツアクター)さんとは一心同体なんで、すごい教えてくれます」
やはりスーパー戦隊シリーズに欠かせないのは、スーツアクターの方々。山本さん演じる吼太が変身したあとのハリケンイエローは、JACの竹内康博さんが演じている。山本さんもまたJACの面々のすばらしさを感じていた。
「JACの人たち、すごいいい人だから。「ふたりで作っていかないとダメだよ」って言われて。ね? 相談するのはもう、相方っていうか、僕は竹内さんで。シンクロさせるようにしているんで、いろいろ」
するとその苦労は共演者である塩谷さんにも伝わっており、
「3人の中で、イエローのふたりが一番キャラクターのイメージが近いんじゃないかな」
と言った。山本さんも
「ちゃんと初めから相談してるんで。撮影が始まる前にJACの練習場に行って仲良くなる機会があったんで、それから現場に入って。現場はまだ誰も知り合いがいない訳じゃないですか。そんな中で竹内さんがいてくれるので、ドンドン喋って、こんな感じで行こうとか、やってます。すごい助かってますよ」
と、竹内さんとのキャラクター作りを話してくれた。


 さて、今回のヒーロー達は正にルーキー。なので、塩谷さんも山本さんも、『忍風戦隊ハリケンジャー』がデビュー作となる。では、どんな経緯でこのヒーロー役を獲得したのか、伺ってみた。
「僕、事務所も入ったばかりで、マネージャーも『ハリケンジャー』が決まるまでは、俺が事務所にいることすら知らなかったくらい(^o^)。事務所の人も誰も顔を憶えてくれなくて…「くそう!」って思ってました。初めてなんですよ、オーディションにマネージャーが来てくれるなんて。だからすごい気合い入っちゃって。オーディション会場に来る前に隣のレストランで、マネージャーに夢を語っちゃって熱くなっちゃって。その勢いでオーディションでもガーガーって喋っちゃって。「よし! 俺の気が済んだ」って帰ったんです。そしたら、受かったって」
と、驚きの表情をした。
「実は最終審査を受ける前の日も、ファミレスでマネージャーと次の日オーディションだっつうのに、夜の12時くらいまで「俺、これを制して世界を制しますよ」って語ってたんですよ。でも、オーディション始まったらすごい緊張して、演技もへたくそで最後はもう勢いでやりきったって感じでした」
自分の演技力には落胆したものの、気が済むまで自己アピールは出来たということかな? いずれにしてもこのパワフルなトークを聞いたら、すごく印象に残る。しかもその語る眼がすごい。何しろカッ!と見開いて真剣そのもの。こちらの視線を逃さない勢いがある。そこまで熱くなって臨んだオーディションなら、なおのこと受かったときの喜びはひとしおだっただろう。
「受かるつもりで行ったんですけど、まさか本当に受かるとは思わなくてすごい、ビックリしました」
ここまで来て塩谷さんもちょっと落ち着いたようだ。一呼吸開いた。すると山本さんが
「すごいでしょ? ひとりでどんどん喋りますから(^_^)」
とフォロー(?)する。すでにこのふたりはいいコンビになっている。さて、このコンビにブルーの長澤奈央ちゃんが加わったら、はてさてどうなるのやら……。それはまた別の機会で…。


前へ 次へ
line
構成/すねやみえこ
(c)2002 TV ASAHI・TOEI AG・TOEI