他の映像作品がそうであるように、東映作品もまた驚くほどたくさんの人達の手によって作り上げられています。その作り手達を知れば、自ずとその作品も見えてくるのではないでしょうか? そう考えると話を聞いてみたい人はたくさんいると思います。そこで、不肖未熟の身ではありますが、私が会員のみなさんに成り代わり、いろいろな方にお話を伺っていきます。今回はこの方にターゲットを合わせました。みなさんの聞きたいことが、少しでも聞き出せていると良いのですが・・・・。


(『忍風戦隊ハリケンジャー』ハリケンレッド・椎名鷹介役)
●ゲスト:山本康平
(『忍風戦隊ハリケンジャー』ハリケンイエロー・尾藤吼太役)
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シュッタ!
 視界の端で何かが大きく動いたと思ったら、そこには右斜め前転で受け身を披露してくれた、ハリケンレッド・鷹介がいた。何事もなかったかのように席に着いた彼は、とても満足そうに微笑んだ。
 隣に座るハリケンイエロー・吼太は、微笑みながらやんちゃな弟を持った兄の表情でこう言った。
「すみませんね (^_^)」
どうも、いつものことらしい。
 今回のターゲットは、『忍風戦隊ハリケンジャー』からハリケンレッド役・塩谷 瞬さん。そして特別ゲストとしてハリケンイエロー役・山本康平さんにも同席していただいた。
 番組中では元気で突っ走っている鷹介だが、演じる塩谷さんもやっぱり元気で突っ走っている。そのパワーはすごい。こちらとしては、番組の製作発表のときからすでに呑まれっぱなしである。


「ほら、せっかく整えてもらったバンダナが、崩れちゃいましたよ」
と、塩谷さんに言うと
「直してくださぁ〜い」
と、屈託なくマネージャーさんにお願いする。これはもう母のように見守るしかない(^_^;。すごいキャラクターだ。さて、彼のペースにどこまで着いていけるか……頼りにしていますよ、山本さん。
 では、お話しを伺っていこう。

 まずは御自身の基本的なことを教えていただこう。
「えっと、名前は塩谷瞬です。石川県出身です。特技は自転車競技で、競輪の選手を夢見たりしたことがあります。ロードレーサーとかBMXで、小学校のとき1位だったりしました。小学6年生の時に自転車に乗れるようになったんですけど。それまで俺、自転車とかすごい怖くて。臆病なんですよ。いっつも、山とか行くときも友達は自転車なのに僕だけ走って行ったり」
おお! いきなりマシンガントーク! 身振り手振りに激しくパワーがこぼれてる。

「小学6年生のときの誕生日プレゼントに、何を思ったのか自転車なんか買ってくれて。「せっかく買ったんだから乗れ」と言われまして、がんばって練習したら、乗れるようになったんですよ。そしたら楽しくて。「楽し〜い」って思いながら1日40kmくらい走ってましたね。どこまでも行きました。地元、金沢の端から端まで行くんじゃないかというくらい、走りました。はい。で、それからそれだけ乗っているとパンクとかするじゃないですか、パンクで初めて行った自転車屋さんのお兄さんがすごいいい人で。そのお兄さんが自転車のメーターをみて…」
「メーターついてんの? チャリンコに?」
と、山本さんがツッコミをいれた。が、モノともせず、塩谷さんの話は続く。
「うん。俺、自転車に色々付けるの好きでメーターもつけてたんですよ。2000kmとかになってて、それって普通車でもなかなかいかない距離じゃないですか。お兄さんが見てビックリして「かなり乗ってるね」って「いや、まだ半年も経ってないですよ」「え゛ー!! そんなに自転車好きなら、俺、主催して大会とか色々やっているから出てみれば?」って。それで、ロードレーサー、マウンテンバイク、BMXを習って、いろんな大会とかに出させてもらって。他の選手はみんな23歳とか28歳とかで、僕だけいきなり12歳で、すごい期待の星ということで、毎日自転車でガーッて走ってたから太股の太さ、今の倍でした」
ほー! すごい! 思い込んだらまっしぐら。しかもただの“好き”では終わらず、ちゃんと実績も残している。
「BMX北信越ブロックレーサーの部・優勝ってしました。高校では記録がかなり良かったんで、一応選手の予備軍みたいに言われて」
そこまで見込まれたのに、やめてしまったのは何故? と聞こうかと思ったが塩谷さんの話は途切れなかった。口を挟むきっかけがつかめない…。
「あとは、人間観察とか。俺自身いろんな人に救っていただいたので、いろんな人に夢と元気を恩返ししたい」
「救ってもらった?」
私は、若い彼には不似合いなその言葉に、ようやく口を挟むことができた。すると、
「僕、ちょっと事情があって小さい頃からひとりで生活していて、苦しいときに助けてくれた人がたくさんいたんです。僕、人生の波が結構激しいので、一番下がったときも上がったときもあるから、上がった時は本当に楽しいし、誰よりも幸せを感じます。今、普通にテレビに出たいって言っている人は、世の中に何万人もいて、ここに僕がいること自体が、まず奇跡みたいなものじゃないですか」
と、非常に明るく、そして今の幸運をしっかりと認識している。とても19歳とは思えないほど、しっかりと現実をみていると、少々感心してしまった。が、そんなこちらの想いには全く気付かないようで、彼のアピールはまだまだ続く。。


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構成/すねやみえこ
(c)2002 TV ASAHI・TOEI AG・TOEI

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