写真  須賀さんは1977年生まれの24歳。いつ頃から役者を目指してきたのだろうか?
「目指し始めたのは、高校卒業してすぐです。まずは養成所に通ったんです。実家が寿司屋なんですけど、「寿司屋になれ」みたいなことを言われまして…二代目だったハズが…。役者になりたい、みたいな事を言ったら「お前はバカか。何を言っているんだ。」と(笑)。強くは言われなかったですけど、やっぱり家を継いで欲しかったみたいで。「役者なんて安定しない職業」って言われて」
 聞けば、東京下町の立派な寿司屋だとか、その二代目にはどうしてもなりたくなかったと言う。そんな時に浮かんだのが“役者”。しかし何故?
「小さい頃に、学校で行く演劇教室があったんですよ。劇団四季の作品だったと思うんですけど。小学校3,4年生のころ、それを観たときに、そういうものを見るのも初めてだったんですけど。なんかこう揺れ動くものがあったんですよ、幼心にも。そのときの感動はすごくて、今でも覚えているくらいなんですよ。それでも、中学高校は平々凡々と何事も無く暮らしてきたんですけど(笑)。高校卒業って時に、やりたいことが分からなかったんですよ。何をやっていいのか分からないと思っていて、ただ、芝居が好きだった。そんな時に、きっかけになった映画に出会ったんです…『スワロウテイル』だったんですけど。それまでは邦画をちゃんと観たことが無かったんです。洋画は頻繁に観ていて好きだったんですけど。それで、『スワロウテイル』を観て初めて「邦画って面白い!」って。っていうか映画っていうものに対して、いろんな分野で観れるようになりました。役者さんも個性的で、ストーリーも面白い、映像も綺麗、そして音楽もある。映画っていろんな要素が、目で見たものだけじゃないのかな?って初めて思って。音を聞いても良いし、多分きっと匂いとかもあるんだろうと思うし。って、それで映画にすっごいハマってしまいまして。そんなときに、ちっちゃい頃の思いが、きっと夢だったんですよ。心の奥深くにあったんでしょうね、それが沸々と湧いてきて「俺のやりたいことは寿司屋じゃない」と思って(笑)」
 映画全般に魅せられてしまった須賀さんだが、こういった場合、監督や脚本家といった制作サイドにも興味が行っても良さそうだが、なぜ、演じる側、役者になったのだろうか? すると、あの照れ笑いをしながら、須賀さんが話し始めた。
「小さい頃から、目立ちたがり屋な少年だったんですよ。人に注目されたいという願望もあったし、だったらこれは役者なのかな?って思って。養成所に入るときも直前まで迷って、色々な科があったんですよ、俳優科とかだけじゃなくてミュージシャンとか色々。どうしようかなって思っていたんですけど、自分の表現の場としてきっとそれがいいのかなと思いながら…分からないじゃないですか、それまで演技っていうものをやったことが無いし、とにかく入って勉強してみようという事だったんです」
 やったことの無いことにチャレンジするって素晴らしいことだと思うが、なかなか勇気が出せずに二の足を踏むのが常だと思う。それを、自分からちゃんと飛び込めるって、やっぱっりどこか自分に強さがないと出来ないことだと思う。それが出来ちゃう須賀さんは、ただの二枚目優男ではなく、静かな強さを持った青年なんだ。


写真 役者を目指した須賀さんのデビュー作は何か伺った。
「舞台…ですね。いや〜、恐ろしい」
え? 舞台が恐ろしい? 緊張するとか?
「木刀でばかばか殴られていました。立ち回り物『忠臣蔵』(『元禄仇討ち裏事情〜それぞれの忠臣蔵〜』1999年)だったんです。僕なんかもう、吉良さんの家臣の、さらに味噌っかすみたいな、喋ることも2,3言くらいの役で。それでも立ち回りが難しくて苦労しました」
なるほど、実はこの時の殺陣師が大野剣友会の岡田勝さんだったというから、『ライダー』ファンには、たまらないネタだろう。そう、岡田さんは『仮面ライダー』の殺陣師だった方だから。須賀さんは、ライダー殺陣師直伝のアクションを身体の中に受けて、ライダーになったということになる?!
「も〜、厳しいんですよ(笑)。でも、カッコイイですよね。すごいあの人がやると…同じことをやろうとしても、何が違うんだっていうくらい、天才的なというか。ちょっとした動きでも、全然違う。活かせると良いんですけどね(笑)。現代アクションとはやっぱり違うので、今は一所懸命JACさんに教えてもらって、やってます。今はまだ、アクションらしいアクションはそんなに無いですね。モンスターに体当たりとか、蓮との小競り合い程度の殴り合いくらいで。あとは、モンスターに襲われている女の子を救出したり…いつもね、救出しようとすると怪我をしてしまうんですよ」
 アクションものには常につきまとう怪我。歴代のライダーも戦隊シリーズも生傷は絶えなかったと聞く。やはり今年も例外ではないようだ。
「やはり、生傷は絶えませんか?」
私の質問に、須賀さんは即答した。
「絶えないですね(笑)。第3話で、焼却炉の前で女の子がモンスターに襲われている、ってところを僕が遠くから発見して、「逃げてー!」って走って近づくシーンがあったんですよ。それでカッコ良く「大丈夫か?」ってセリフもあって。1テイク目かな? 朝一番で全力で走ったんですね。そしたら、女の子に手の届くところまできたのに、思いっきり転んでしまい(笑)、周りが笑えないくらいの転びっぷりをしてしまい…大変でしたね」
 まさかセリフのNGも多いとか? するとまたあの照れ笑いで、
「セリフも結構ぼちぼちと。テンション上がってくると、飛んじゃったり…ですね」
もしかして三枚目真司とモロ被り?
「違う、とは言いたい、けれども。なんかあったんでしょうね。今、城戸真司を演らせてもらっていると言うことは(笑)。きっと、あったんだと思うんです」

 なるほど、本人も否定しきれない何かがあるらしい。実は、こんな情報をGETしていたので、ちょっと振ってみた。
「財布を持たずに、コンビニに買い物に行ったそうですね?」
すると、それまでとは打って変わって、須賀さんは大きな声で笑い出した。
「はっははははは! いや〜。ビックリしましたね、あの時は。大変な事をしてしまいました。ライダーたるもの。以後、気を付けます」
どうやら、情報は本当だったらしい。
 それでは須賀さん自身は、真司とは違うと思う点はどこだと思っているのだろうか?
「あれほどの正義漢は無いです。熱いですよ〜真司くんは。何にでも入って行きたがる…そこが違うところかな?って思うんですけど。あまり興味のないことには、入っていかないほうなんで。結構、引いて見ているつもりです、真司よりは。すごいんですよ、とにかく真司は。どこに行ったって居るって感じですよね。僕も撮影が……誰とでも絡みがある」
と言った後でにっこり笑って、
「嬉しい限りです」
うっ! やられた。これから何人の女性が、お子さまがこの素敵な笑顔に「やられて」しまうのか…。
「こういう役は今まで無いですね。僕、セリフがしっかりあるような役って、映像ではそんなそんなやらせてもらった事ないので。だからもう、今回が初めてに近いようなものです。だから、セリフを喋れることが嬉しくて。現場に行けることが嬉しいんですよ、毎日行けることが。朝早いですけどね。暗い時間に出て、暗い時間に帰ってきます(笑)」
と、さらに爽やかな笑顔は続く。


前へ 次へ
line
構成/すねやみえこ
(c)2002 ISHIMORI PRO・TV ASAHI・ASATSU-DK・TOEI