さて、芸能生活も短くないお二人は、数々のオーディションやコンテストを経験している。そこには当事者しか分からない事も多いだろう。その辺りをちょっと教えてもらっちゃおう。
「国民的美少女コンテスト、準グランプリまで行ったんですよ」
レスポンス最速の岳美さんが答えてくれた。
「もう何年も前の話なんですけど、中一と中二の時に受けて。きゃー! 恥ずかしい」
と、元気な岳美さん。
「オーディションとか、そういうのいっぱい受けなかった? あの頃」
とちょっと懐かしげにレイさん。
「私、それが初めてだったんですね」
「オーディション雑誌があの頃、すっごく流行ってて、すごくたくさん応募したことがある。履歴書なんてしょっちゅう書いてたような気がするし。何百回ものオーディションを受けて、落ちて受かってを繰り返して今がある、と思うのね」
さすが、レイさん大人の発言ですね。オーディションに一喜一憂しながら、積み重ねられていくものがあるんですね。
「あの時の緊張感って忘れないですね」
岳美さんがしみじみ言う。これこそ体験者のみ分かる気持ち。
「新鮮ないい気持ち」
レイさんもその緊張感が好きなようだ。
「私もクラリオンガールで最終まで行ったことあります」
岳美さんの‘国民的美少女コンテスト’に対抗するかのようにレイさんが言った。
「おーー!!」
岳美さん始め、一同拍手!
「それでね、社長面接の時に「お料理出来る?」って聞かれて「全然やりません。お料理作るの好きじゃありません」って言っちゃったの。社長さん、お料理好きな人が好きみたいで「料理は作れなきゃだめだよ、女の子は」って言われた…」
と、しょんぼりするレイさん。‘料理’と‘女性らしさ’はやはり結びついてしまうものなのか…。男性だって料理好き・料理上手はたくさんいるだろうに。

「今は料理、嫌いじゃないんですけど、自分の為に作るのは絶対にイヤ! 悲し〜、むなしすぎるから自分の為には絶対に台所に立たないって決めたの。誰かのため、みんなで食事をするときのためならやるけれど、それ以外では絶対に立つモンか! くらいまで行ってますね」
レ、レイさん、そんなに熱くなって。確かに、自分で作って自分ひとりで食べる、この切なさは料理が趣味でも無い限り、一人暮らしの方々は容易に理解していただけることだろう。
「何が一番嫌いってひとりで食事するのが一番嫌いですね(笑)。一人暮らしが嫌いっていうのじゃなくて、食事をひとりでするのが嫌なの。岳美はうさぎちゃんがいるから、いいよね」
「そうですね、まだ救われます。かなり」
レイさん、いつか喜んで食べてくれる人のために、一緒に練習だけはしておきますか?


さて、インタビューした時はちょうど映画の撮影クランクイン間近。そこで、映画の事を少し…
「かなり楽しみですね(にこにこ)」
とは、岳美さん。
「な〜に? にこにこして」
あまりに満面の笑みをこぼす岳美さんに、レイさん、ちょっといぶかしげ。
「結構、素で出来ちゃう部分も多いかなって」
え? 初めからテトムは岳美さんの‘素’で演っているキャラクターだと思っていたが…
「テトム役は全部作りですよ」
と、わざとらしく鼻息を荒げて岳美さんが続ける。
「岳美は作られたキャラです」
?? 岳美? 
「え? 分かんなくなっちゃった」
おやおや、テトムの事を言っているつもりで‘岳美’とは。やはり‘テトム=岳美’の部分は大きいようだ。

「私、分かんないんですよ。どれが自分なのか。ヤバイですよね」
「でも、役者ってそうだよね。私も本当の自分っていうのがどこにあるのか分からなくなって…」
レイさんが岳美さんと同調した。話が意外な方向へ行きそうだぞ。
「ツエツエでいるほうがある種、形が決まっているというか、これだって言うものがあって楽だったり。私生活のほうが自分という物が分からなくなっちゃって…、何かを演じているほうが楽、って感じの時があるんです」
更に岳美さんもこんなことを、
「私、それって『ガオレンジャー』を始めてから、すごく思うようになりました。誰かになるって言うことをやってからかな。モデルだと商品がメインですから、雑誌だったら洋服だったりとか。演技って、自分のキャラや心の奥深くにある物を出すじゃないですか。それって、自分の中から出た物だけど、別の物のようだし。最近は、岳美とテトム、どっちが楽なんだろうって考えたりすることがあるんですよ」
 誰しも人格をたくさん持っているという岳美さん、レイさん。人格と言っては語弊があるかもしれない、性格というかキャラクター性とでも言ったら分かりやすいだろうか。そういった、自分の中の様々なキャラクターを演技に利用出来たらいいと、レイさんは考える。そして、着実に成長し続けるキャラクター・ツエツエは、レイさんの中のもうひとつの人格となった。


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構成/すねやみえこ
(c)2001 TV ASAHI・TOEI