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ほかの映像作品がそうであるように、東映作品もまた驚くほどたくさんの人達の手によって作り上げられています。その作り手達を知れば、自ずとその作品も見えてくるのではないでしょうか? そう考えると話を聞いてみたい人はたくさんいると思います。そこで、不肖未熟の身ではありますが、私が会員のみなさんに成り代わり、いろいろな方にお話を伺っていきます。今回はこの方にターゲットを合わせました。みなさんの聞きたいことが、少しでも聞き出せていると良いのですが・・・・。
(『仮面ライダー龍騎』神崎優衣役) |
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まるで寝静まった病院のようにシーンとしてた廊下に、突然ざわざわと人が流れてきた。「お疲れ様でした!」と声が飛び交う。廊下に出された机にはコーヒーや紅茶、アイスボックスには冷たい飲み物まで準備され、彼らの喉を潤した。ここは『仮面ライダースーパーライブ』の楽屋。各役者さんの控え室が並んでいる。1月25日、26日と東京・五反田にあるゆうぽうとで開催されたこのイベントでは、第2部に『龍騎』出演者によるトークショーが開催された。今その初日第1回目のステージを終え、出演者が控え室に戻ってきたのだ。そこには真司や蓮はもちろん、お兄ちゃんや浅倉の姿もある。が、ちょっと違うと思うのは、テレビでは決して見ることができない和やかな雰囲気だからだろう。そしてその出演者である杉山彩乃さんに『龍騎』を終えての感想を伺いたく、控え室へお邪魔した。第1回のトークショーを終えた彩乃ちゃんは、ステージでの明るさそのままでいた。確か初めて彩乃ちゃんにお話を伺った時も、こうして控え室へお邪魔した。あのときは『龍騎』がスタートしたばかりの制作発表会の時だった。 「あのとき、制作発表からちょうど1年ですね」 と、取材のことを覚えていてくれた彩乃ちゃんは、にっこりと微笑んだ。 「あのときの私は神崎優衣のことも、仮面ライダー龍騎のことも、ほとんど知らなかったに近い状態で話していたので、右も左もわからないであたふたしていたと思うんですよ(笑)」 と、本音をぽろり。そして今、このイベントを最後に『龍騎』のすべてが終わろうとしている。 「この1年間のことを考えると、本当に素晴らしい作品をやらせて頂いたということに、とても感謝しているし、1年間、神崎優衣ちゃんとして生活できたこともとても嬉しく思います」 と、しみじみと語った。 生活のすべてが優衣ちゃんになっていたかもと言う彩乃ちゃん。演じるとはまた違った感覚があったようだ。 「本当にびっくりされるのが、優衣ちゃんを演ると自分がいなくなっちゃうんですよ。入っちゃうんですよ、本当に不思議なくらいに。家でも練習するんですけど、私お風呂が一番好きで、1時間ちょっとくらい入っていられるんですけど、そのときが一番セリフを覚えられるんですよ。そうすると力が入り過ぎちゃって、泣いちゃったりとか。そういうのを客観的に見ると「私がいない!」、いないって言うか本当に私は今、優衣ちゃんになって涙を流しているんだなって。撮影では演る前にすごい想像するんですよ「これは、こういうシーンだろうな」って。だから、相手がいなくても自分の心でいろいろ考えているので、どんどん優衣ちゃんになっていっちゃって。気持ちがこもり過ぎて泣いちゃったりとか」 すっかり優衣ちゃんになりきってしまう彩乃ちゃんだが、これほど長期に渡りひとつの役を演じたのは初めて。 「このお陰で「こんなに演技は楽しいんだな」って、役者さんになりたい! っていうのもすごい感じて。お芝居をもっともっとやって私の知らない自分を出して行きたいなって。自分ですら知らなかったんですよ、こんな私!。監督にも言われたんですけど「杉山はすごい体でぶつかって行くね」って。だから、涙も一気にたくさん出すし、「それがすごい君の良いところかも知れない」って言ってくれて」 その泣きっぷりは相当なものだったようだ。本番だけでなく、その前のカメラテストでもポロポロだったとか。 「テストの時から泣いちゃって監督に怒られるんですよ(笑)。「泣くな! 今はその気持ちを取っておいて、本番で出せ!」って言われるんですけど、テストでも力がこもっちゃって一気に行っちゃうんですよ」 と気持ちがいかに入った演技だったかがわかる。 「涙が止まらなくて、本当にメイクさん泣かせだったんですよ(笑)」 と、今は明るく笑って話すが、これが相当大変だったことはオンエアでも見て取れる。 「最後のほうでは泣くシーンはすでに鼻声でしたね?」 と、突っ込むと 「あれはたぶんテストで既に泣いているからですね(笑)。お兄ちゃんとのシーンもそうですけど、特に「真司くん、ごめんね」とか言うところは、本当に泣き崩れちゃったんですよ。カットがかかった後に泣き崩れちゃって、“ヒックヒック”って引き泣きまでになっちゃって。それにはみんなびっくりして「演技じゃなくなっているね」って言われました。優衣ちゃんを演るのって演技じゃなくてきっと、この1年間優衣としていたお陰でこういう気持ちが出せるんだろうなって思うんですよね。最初の数話とかは、優衣を演じることに精一杯だったんですよ、きっと。まだ全然わかっていなかったんで、どうにかして優衣像を作らなきゃって一生懸命になっていたので。だけど最後は私なりの「優衣だとしたら、ここでこう考えるだろうな」っていうのが作れるようになっていたんですね。それはきっと優衣と一緒にいた、っていう、私半分優衣半分っていう生活だったからのような気がするんですよね」 と、彩乃ちゃんとは別に優衣ちゃんが存在しているかのようだ。 そして『龍騎』の結末について、彩乃ちゃんの好みを尋ねた。 「映画、スペシャル、そして先日のテレビの最終回とありますが、どの結末がお好きですか?」 すると意外に早く答えが出た。 「やっぱりTVですね。最後に優衣の願いが叶ったんですよね。みんなが幸せに笑って、ふたりだけの世界じゃなくて、みんな幸せに笑っていられるような世界に、ってお兄ちゃんに言ったのが現実となったというのを見て。あのとき放映を観ててすごい嬉しかったんですよね。手塚を始めみんなが生き返って」 テレビのラスト、絵を描いているシーンでは優衣ちゃんもすごい良い笑顔だった。 「あの日、本当に私のラストの日、オールアップの日だったんですよ。で、あのセットがいつものスタジオとは全然違うところにあって、見た時にびっくりしちゃって「え! 地下室がこうなるんですか!」って。見た瞬間泣きそうになっちゃって、とても嬉しくて「すごい! 知らなかった」って」 と、ここでも感動して涙腺が緩んでしまったようだ。 「そういうふうに、本当にみなさんのお陰で毎回毎回涙できるって、素晴らしいことだと思うんですよ。だから、そういう現場にいられたというのが、すごい幸せに思いますね」 そして彩乃ちゃんだけでなく、お母さんも毎回放映を見て、涙していたと言う。。 |
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