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特集・キャンディの特撮一年生
今回から始まりました、この企画。東映が誇る特撮番組に携わるいろいろな方々のお仕事っぷりを、毎回特撮関連知識ほぼゼロのこの私、キャンディーが取材するという、ややありえない企画ですが、後々見返したときに成長物語として成立させるべく、精進していく次第です。読んでくださる会員諸氏には少しでも現場の雰囲気が伝わって、より特撮・愛を高めていってくだされば幸いでございます。さあ、みなさんもキャンディーと一緒に特撮マスターになりましょう!さてさて、第一回の舞台は撮影会。出版物や商品パッケージなどに使用するヒーローたちの写真を撮りまくりの超〜重要行事です。
向かって右側が渡辺さん。本日は全身黒でシックにキメてらっしゃいます。
築地の朝は早い。しかし撮影会の朝も早い。
冷え込みも俄然厳しくなった12月某日朝3時半。・・・おっといけない。ちょっと脚色が過ぎてしまったようです。朝8時半!都内郊外・某大型施設の駐車場に続々と車が集まってきています。車から出てくるのはなにやら大きな荷物を抱えた目つきの鋭い男たち・・・その正体は・・・そうです。カメラマンの方々です!みなさんおはようございます!そしてその中に一際目立つ長身のダンディーな殿方が。彼こそ
スタジオエイティー・渡辺直之カメラマン
、本日の密着のお相手です。長年、東映が撮影会や本編撮影現場でのカメラマンをお願いしております。渡辺さーん、今日はよろしくお願いします!
――「もうイヤだな〜本気でやるの〜?(笑)」
本気も本気!ばっちりがっちりお仕事を拝見させていただきますよ。
――「他の人にした方がいいんじゃないの?」
んもう〜シャイなんですから〜。観念してください。逃しませんよ!
そうこうしている間にもどんどんと人が集まってきております。今日は新戦隊のキャスト・1号ロボの第一回目の撮影会だけあって盛況ですな。ざっと見ただけで100人はいます。ちなみにメンバーは番組のプロデューサー、監督、幼児誌・特撮誌を出している出版社、番組の商品を作るメーカー各社、商品関連のデザイナー、番組の企画協力をしていただいている企画者104、現場進行を担当している東映テレビ・プロダクション、スーツアクターさんが所属するJAEさん等々・・・特撮業界になくてはならない錚々たる面々がお揃いでありんす。・・・と。あれ?渡辺さんがいません!早くも撒かれた?!ああ、いましたいました!他のカメラマンさんやスーツアクターの方と談笑されています。こうして見ると渡辺さんの周りはいつもほんわかといい雰囲気です。現場でのいい関係作りも大切なことなんでしょうね。
いま日本で一番アツいバトル(場取るだけにね!)が行われている撮影会の様子。
人波をパドリングして好位置をキープだ!
9時15分。諸々準備も整い、少々押し気味で撮影会スタートです。まずはボウケンジャーのキャストたちの登場です!寒空の下、特にピンクとイエローはミニスカートで見てるこちらが風邪をひきそうな感じですが、さすが若者!元気!そして爽やか!やはり寒さなんかに音をあげていたら正義の味方は務まりませんからね!
新人ヒーロー&ヒロイン達も今回がはじめての撮影会とあって、少々緊張気味?というのも、特撮の撮影会というのは通常のスチール撮影とは全く違うんです。例えば、みなさんが写真撮影と聞いて思い浮かべるのは、被写体とカメラマンが1対1のものだと思うのですが、東映の特撮番組の場合、被写体の周りをぐるりとカメラマンが囲んで一気に撮影していきます。なので、撮られる方も大変なんですが、撮る方も大変!ポジショニングに失敗してしまうと全く撮れないなんていう恐ろしいことも・・・私もまだ撮影会に参加させてもらうようになって日が浅いのですが、見るに、大体一番前のセンター、まあアリーナとでも言いましょうか、そこは雑誌・書籍等にそのまま利用されることが多い出版社のカメラマンさん、商品用写真をおさえるデザイン会社さん、そして出版物に・商品パッケージに・デザイン素材に、とオールマイティーに使用される写真を担当する我らが渡辺さん、といういわば“本番”素材を激写する方々の聖域になってまして、それ以外の方(商品開発・デザインや、出来上がった商品の監修用に使用したりする模様)はよりいい写真を撮るべく、毎回かなり熾烈なポジション争いが繰り広げられます。場所取りに失敗して隅っこに追いやられたり、遠慮しすぎて後ろの方になってしまったらご用心!目線をまったくもらえなくてなんだか隠し撮りのようになってしまったり、全カットに前の人の後頭部が写りこんでしまったり、なんていう悲惨な事故が毎回後を絶ちません。そんなサバイバルな雰囲気の中、はじめこそ表情が固かったキャストも、アクション監督にポーズをつけてもらううちにみるみるプロの顔に・・・5人揃いで十数種類のポーズ撮りから単独での全身・アップ写真の撮影へと順調に撮影会は進行していきます。この日は開始時はちょっと曇っていたのですが、徐々に日差しがキツくなってきまして、ボウケンジャーたち、眩しそう。それでなくとも上記の様に何台もカメラがあるのでろくに瞬きもできない状態なのです。特に5人揃っての撮影においては、一人でも“半目”になろうものなら連帯責任でその写真が没になってしまう・・・難儀ですなあ。そんなプロ魂が炸裂するなか、カメラマンさんたちはワシワシとシャッターを切ってゆきます。いや〜しかしストイックに働く男性というのは輝いてますな。渡辺さん・・・ス・テ・キ。せっかくだからもう少し背後から近づいて・・・ドンッ!ちょっと誰ですか?!私と渡辺さんのあいだに割り込んでくるのは!・・・あら、アシスタントの植松さんじゃないですか。そういえばさっきから渡辺さんと荷物のあいだを行ったり来たり、一体なにをしてるんですか?
――「フィルムチェンジです」
へー。この箱みたいのがフィルムなんですね。この書き入れてある数字はどういう意味なんですか?
――「これは撮影した順番です。一回の撮影会で相当な量のフィルムを使うので、あとで整理しやすいように僕が数字をふっておきます」
なーるーほーどー。あ、そうこうしているうちにも「植松くーん!」というフィルムチェンジを求める声が。うーむ、これは気が抜けないッス。
こんなふうに台に乗ってロボは撮影されます。キャンディ直筆の特製ダイボウケンを添えて。
そんなこんなで素面撮影会は無事終了。しかし休む間も無く、お次は場所を移して1号ロボ、ダイボウケンの撮影です。基本的な撮り方は役者のときと変わらないのですが、ロボの場合は2m強くらい高さの台(フォルム的には学校の校庭によくある朝礼台をイメージしていただくとよろしいかと)に乗っての撮影になります。なにも持たない(“素手”状態)ポーズが数点からはじまり、真正面・左側・バックショット・右側という順に撮影されるいわゆる“四面”写真、武器持ち写真(今回は轟轟剣、ゴーピッカー、ゴースコッパーの3種類)、必殺技用カット、そしてカメラマンが台に登って上からロボを撮影する“俯瞰”などなど。特にロボは毎回ディティールが細かいものが多いので、全体撮影が終わってから各箇所を手にとって細部を確認しながら撮ったりする人も多く、これまた素面のときとは違ったこだわりが光ります。ラストの切り抜き用の武器の単体写真撮りまでが終了する頃にはもうとっくに昼を過ぎていました。みなさん、お疲れ様でした!
構成/キャンディ
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