高度成長期といわれた70年代。世の中は確実に裕福になって行きました。しかし、その過程の中で「子どものおもちゃ」という商品は、どんな位置づけだったのでしょうか?
まだまだ生活必需品として、さまざまな商品が産み出され、販売されていた時代でした。テレビひとつとってみても、モノクロテレビからカラーテレビへ。さらにカラー化を済ませている家では2台目の購入、あるいはリモコン付き(三洋電機のズバコンとかありましたね。71年発売です)テレビへの買い換えなどが、家庭での大きな関心事でした。現在も日々技術は更新され、新しい商品は産み出されますが、それを渇望する気持ちは、70年代の頃に比べれば、やはり薄いのではないでしょうか? より便利にという人間の欲は尽きませんが、今の時代、もちろん程度の差こそあれ、生活に必要なものは、どんな家庭でも一応揃っています。その「余裕」の部分は確実に「おもちゃ」購入にも反映されていると思うのです。少子化となり、ひとりの子どもにかけられる金額が大きくなったのも、大きな要因でしょうが……。
高度成長時代と呼ばれていた70年代当時は、カラーテレビ、クーラー、カー(自動車・マイカーってやつですね)の3つの耐久消費財が“新・三種の神器”(頭文字をとって“3C”と呼ばれていました)と呼ばれ、それを家庭に揃えるためにみんなでがんばる! といった様な時代でした。ですから、おもちゃを買ってもらえる優先順位はかなり低かったのです。買ってもらえても、現在のようにそうホイホイとはいきませんでしたよね。今の子どもたちは戦隊の合体ロボとか買ってもらえますけど、僕等の時代には正直あり得なかった。それだけの金額のおもちゃを持っていたとしたら、それは社長の息子といった、当時のステロタイプな「金持ちのせがれ」くらいでしたよね(言い過ぎ?)。何度か書いているような気もしますが、そいつの家で“遊ばせてもらう”のが精々だったのではないでしょうか? あるいは、金額の問題ばかりではなく、年齢の問題で購入を却下されたり(いわゆる“卒業しなさい”というやつです)、おもちゃは買い与えないという躾であったのかもしれません……。 |