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八木喜多をご愛読の皆様、2ヶ月のご無沙汰でした。しかし暑かったなぁ。とにかく記録的な猛暑に戦隊音楽チームのビール消費量もうなぎ上りの夏でした。(注1)とにかく、何をしようにも出るのは「暑い」という言葉ばかり。シーズンとしては、戦隊音楽チーム営業班も、各地のショッピングセンターへ出没して「真激音盤」のセールスに励まなければならなのですが、一歩外に出れば蜃気楼の向こうに見えるネオン街にフラフラと足が向かってしまうのです。(注2)
といいつつ、「獣拳戦隊」も2回目のテレビ用音楽録音を無事に終了して、例年通り他のスタッフより一足お先に一段落を迎えたのでした。(注3)
ところで、夏はテレビ業界では10月の編成期を目前に新番組の立ち上げ準備が佳境を向ける時期です。実は、今年の秋もいくつかの新番組の主題歌を制作したのですが、せっかくゲキレンジャーが一段落付いたので、(注4)その中から新しい番組をひとつご紹介させていただければと思います。(注5)
ゲキレンジャーは、毎週日曜日の朝放送されているのですが、関東地区では、ゲキレンジャーの1時間前の時間に「ハピ☆ラキ ビックリマン」というアニメ作品を放送していました。幼少時に好きだった方も多いと思いますが、ロッテのビックリマンチョコレートが原作のアニメーション作品です。今回は、3回目のテレビアニメ化になるのですが、ちょうど去年の今頃、急遽テレビ化が決定して、以来1年間に渡って放送されてきました。この作品は、主題歌を高取ヒデアキ氏が担当していたのですが、当時主題歌を制作する時に番組のプロデューサーから発注を受けてしまった以上、制作に入らなければならないのです。まずは曲を発注しなければならないので、高取さんに連絡をして、主題歌の打ち合わせをすることにしました。
| 注1:消費量を押し上げているのは一人だけです。言うまでもないですが。 注2:現場スタッフは決してそのようなことはありません。 注3:これも例年補足しているのですが、ハホ以外のスタッフは続々とリリースされるCDのリリースの準備で変わらずに忙しい毎日を送っております。 呑気に打ちあがってるのはハホだけです。 注4:念のため申し上げておきますが、ハホ以外のスタッフは、一段落どころか、戦隊シリーズのリリースもいよいよ秋のリリースラッシュに向けてますます忙しく働いているところです。 注5:戦隊と関係ないだろっ! |
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高取さんから「今回はどんな楽曲にしましょうか」と聞かれたので、「聞くだけで、幸運になれるラッキーな歌を作ってください。」とお願いしました。「プロデューサーの希望通り、完璧な発注が出来た」と思ったのですが、高取さんは怪訝そうな顔をしています。
「それで、どんな感じの・・・」
といまいち曲のイメージが沸かない様子だったので、「とにかく、幸運な歌をお願いします。」と言い切って作業に入ってもらったのを覚えています。(注6)
こうして出来上がった曲が、1年間オープニングテーマとして放送されることになりました。
「びーっくりまーん!!」と大変驚きのフレーズで始まる名曲が生み出されました。
もし、まだ聞いたことがない読者がいらっしゃれば、是非CDで楽しんでいただければと思います。ちなみに、「ハピ☆ラキ ビックリマン」はオリジナルサウンドトラックもリリースしており、この中には幻のロボットソング「愛のマトバロボ ラ・キーン」という楽曲が特別収録されています。水木一郎氏、堀江美都子氏による楽曲で、東映アニメーションの制作スタッフの「マグネロボ ガ・キーン」に対するリスペクトから生み出された楽曲ということになっています。正直、始めにこの企画を東映アニメーションからこの企画を聞いた時に「リスペクトとパロディはどこで区別されるのだろう」と思ったものでした」(注7)(注8)とはいえ、コロムビアとしても、キャストと歌唱で水木一郎、堀江美都子がキャスティングされているとなれば頑張らざるを得ません。(注9)ということで、これもアニソン史に一石を投じる名曲として無事に世に送り出すことが出来ました。
すっかり話が横にそれましたが、そんな「ハピ☆ラキ ビックリマン」も9月末で無事に最終回を迎えるということになり、新番組の制作が始まりました。
後番組として制作がスタートしたのは「はたらキッズ マイハム組」、普段はペットとして人間に飼われている5匹のハムスターが、有事には変身して様々な職業のマイスターとなり、次々にトラブルを解決していくアクション活劇作品です。
ということで、マイハム組の主題歌の制作が始まりました。今回の発注は「威勢よく働く職人ハムスターが大活躍する元気なオープニングテーマ」、という注文です。
これも、分かったような分からないような注文なのですが、とにかく曲を作らなければいけないので、作家と打ち合わせをすることにしました。今回楽曲を提供してくれたのは、戦隊ソングでもすっかりお馴染みになった岩崎貴文氏です。
まずはコロムビアに来てもらい楽曲の打ち合わせを行いました。
岩崎氏の今度の曲はどんな曲ですか」と切り出してきたので、今回も「威勢よく働く職人ハムスターが大活躍する元気なオープニングテーマ」と、曲の説明をしました。
打ち合わせは以上です。
| 注6:楽曲のイメージを作家に楽曲を発注するのが音楽ディレクターの仕事なのですが、このような発注ではハホが間に入るだけ時間の無駄です。きっと高取さんは、読者の皆様のイメージにありがちな典型的なレコード会社の駄目ディレクターの印象でハホの話を聞いていたのでしょう。こんな発注から楽曲を産み出していく作家は大変です。高取さん、ご苦労様でした。 注7:さも大変な仕事だったかのように述べているが、ラ・キーンの楽曲制作当時、ハホは会社で、それはそれは嬉しいそうに「ラ・キーン」のメカ設定資料 (注8:アニメーションでは、各話ゲストで登場するキャラクター、メカについて、それなりのボリュームで設定資料を制作する。今回のラ・キーンについては、なぜか番組開始時のメインメカ設定並みのカロリーの設定が用意されていたらしい。どこの会社にもハホのような特殊なモチベーションで特定のタイトルについてのみ必要以上に仕事をする人間がいるのであろう。) を見つめながらアニメの世界に行ったっきりになっていた。戦隊が映画の準備に忙しい最中、そっちのけで東映アニメーションに打ち合わせに出向き、やれコンテが、やれレイアウトが、とかアニメ制作会社の社員のような言動が頻繁に聞こえてきたものである。まったくハホのアニメ野郎ぶりには大変困ったものである。 注9:そんなにピンポイントで頑張らなくても、たくさんの仕事があるのだからバランスは取って欲しいものである。この企画が進行している約2週間の間、ハホは他の仕事は殆どしていなかったはずである。 |
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ということで、(注10)主題歌のメロディが決定しました。そして作詞が出来上がり、いよいよ歌い手を決める段になります。
と、ここで番組のプロデューサーから「この番組の主役ガウディの声優を野沢雅子さんにお願いしようと思ってるの、主題歌も主役の声で歌っていただくのはどうかしら」と、とても素晴らしいアイデア(注11)が提案されました。
「これは音楽ディレクターとして腕の見せ所だ」と思い、早速実家にしまってある昔の持ち物の中から無期限のパス(注12)を探し出し、ボーカルダビングに向けて、アンドロメダに向けて旅立つ自分を想像しながらイメージトレーニングを重ねました。
結局、今回の主題歌は、野沢さんを含めて、5人(匹)のハムスターを演じる声優さんたち5人で歌唱することになったのですが、ボーカルダビングの当日は、ひたすらスピーカーに神経を集中し、銀河を旅する自分の姿を思い浮かべながらとても充実した仕事が出来ました。当然、後のビールの味が格別だったのは言うまでもありません。テレビ朝日をご覧になれる読者の方は、毎週、ゲキレンジャーのスタート時間からちょっとだけ早起きしていただいて(注13)6時半からチャンネルを10に合わせていただいてご覧いただければと思います。
てなことをご紹介しているうちにすっかり時間も紙面もそこをついてまいりました。
| 注10:簡単に「ということで」とはしょってるが、この接続語の5文字の間にはそれはそれはたくさんのスタッフの努力が込められているのである。 注11:ただ自分が好きなだけである。但し、いいアイデアであることには違いないが、必要以上にテンション上げすぎである。 注12:今回はどこまでもアニメから離れられなくて申し訳ありません・・・特撮ファンの皆様には読むに値しないハホの個人的な感情の羅列が続きますが、こういうのは只の戯言で、決して連載されるのに相応しい文章でないことだけは言い聞かせておきます。今回はどうかご容赦下さい。 注13:日曜日の朝の1時間はちょっととはいわない。大体、ハホは絶対に寝ているはずである。 |
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本当は、今回の八木喜多では、遂に音の真髄に辿りつく「真激音盤4乃5」とキャラクターソングアルバムについては、次回の連載でたっぷりと聞き所をご紹介させていただければと思います。というところで締め括ろうかと思ったのですが、原稿を書き上げてS様に送る前に、一応読み返してみると、なんと今回の内容はアニメネタばかりで、これっぽっちも特撮ネタが書かれていないではありませんか。(注14)「内容は毎回音楽にまつわるエピソードであれば自由に書いていただいて構いませんよ」と仰っていただいてはいるものの、さすがに会員の皆様に申し訳ない気持ちになってきましたので、もう少しだけ書いておこうかな、と思います。現場ネタでなくて申し訳ありませんが、ちょっとだけ商品告知を追加しようかと思います。
今月は、戦隊とは関係ないのですが、仮面ライダーのコンピレーションアルバムがリリースされます。これは2002年7月にリリースされた「ETERNAL EDITION 仮面ライダー」(COCX-31908〜31910 ¥4,725)をリニューアルしてピースものとして発売されるタイトルになります。今年も、戦隊シリーズ「ゲキレンジャー」と合わせて、「仮面ライダー電王」も絶好調ですが、いよいよ劇場作品「仮面ライダー THE NEXT」の公開も間近に迫り、さらに街を歩けば、そこら中のパチンコ店から、景気良く「レッツゴー!!ライダーキック」が聞こえてきます。昭和ライダーの主題歌、音楽を担当していたコロムビアとしても、ここは「仮面ライダー」シリーズでなにか新しいCDを皆様にお届けしなくては、との使命に燃えて企画した商品が発売になります。
| 注14:・・・今更とってつけたように・・・
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今回のCDは、コロムビアのユーザーサポートに内容についてのお問い合わせも頂いていますので、このコーナーでも収録内容についてご案内させていただきます。今回発売になるCDは先ほど紹介した2002年にリリースした3枚組のCDを1枚に再構成して、さらにV3 、ストロンガー、アマゾン、Xの主題歌を収録したベスト盤です。今回の収録曲を選曲するにあたっては、実は京楽産業.様のご協力のもと現在、パチンコ店で大ヒット中の「ぱちんこ仮面ライダーショッカー全滅大作戦」で使用されている楽曲を中心に選曲をしました。読者の中には、既にパチンコ店でドル箱を高々と積み上げた方も大勢いらっしゃるかと思いますが、そんな読者の方には、仮面ライダーの音楽を楽しむ、ということに加えて、さらに勝利の余韻を楽しんでいただける内容になっております。(注15)以前の3枚組をお買い上げいただいたお客様には、初収録の音源がないために、ちょっと物足りないアルバムになってしまうかもしれませんが、まだ3枚組のCDをお持ちでない読者のかたには、ライダーサウンドに触れていただく絶好のアルバムになっております。
この機会に、是非オリジナルのサウンドに触れていただけたら、と思います。(注16)
ところで仮面ライダー、といえば菊池俊輔先生の代表作とも言える作品のひとつになっておりますが、菊池先生には、マジレンジャーの時に、キャラクターソングで、小津魁(マジレッド)の歌う「勇気はフェニックス」で「これが本物だっ!」と誰もが感動したヒーローソングを頂きました。戦隊シリーズでは、もちろんゴレンジャーから多くのシリーズを手がけていただいた渡辺宙明先生にも、ここ数年定期的に素晴らしい楽曲を頂いています。これは、なんの前振りかというと、今年もキャラクターソングのリリースが近づいて来ています。
現在、塚田プロデューサーと、ジャン以下、それぞれのキャラクターの楽曲の方向性を打ち合わせながら、スタッフイングに入っているのですが、今年も戦隊ファンの期待を裏切らないスタッフの布陣が見えてきました。連載タイミングの都合上、今回はここまでしかかけないのですが、次回の八木喜多が掲載されるころには、読者の皆様のお手元には商品として完成した「ゲキレンジャーキャラクターソングアルバム」がお届け出来ているかと思います。では、今度こそ時間も紙面も尽きてきましたので、今回はこの辺りでお開きにさせていただければと思います。次回の連載をお楽しみに。
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注15:・・・トンでもない商品PRで申し訳ありません。 注16:コロムビアでは、商品の企画会議で、3枚組の商品は素晴らしい出来栄えであるが、どうしても値段が高くなってしまうために、もっと気軽にライダーサウンドに触れてみたい、という方に向けてベスト盤というかたちで廉価にお求め安い仮面ライダーのCDを企画した次第でございます。お客様からの様々ご意見を頂いて、思い切って3枚組のCDをご購入いただいて、一気にライダーサウンドをコレクションする既存の商品以外に、もっと気軽にライダーサウンドに触れていただきやすい商品を、という趣旨で企画されたCDです。読者の皆様の中で、オリジナルのライダーサウンドには興味はあるのだけれども、中々気軽に購入できるCDがなかった、というかたにお勧めの1枚になっております。商品に関して不明な点があれば、コロムビア ユーザーサポート宛にお問い合わせのメールをいただければ、と思います。 |
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