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レギュラー・音人の話(おとなのはなし)八木喜多
4月某日、東映S様より電話あり。 「八木さーん、ちょっと相談があるのでついでの時に寄って下さい」
…うーん、なんだろう、またなんか仕事で間違えたかな?
数日後、恐る恐る東映本社に行った時にS様のデスクにお邪魔すると、もう一人のS様(東映様には2人のS様
(注1)
がおりまして、私共の仕事をとり仕切ってもらっております)と共に狭いスペースに座らされ、(別に体育館の裏に呼び出されたとか、そんなこと言ってる訳ではありませんよ。ホントです!!)
「ほら、ヒーローネットで戦隊シリーズ関係者の連載コラムやってるの、八木さんにも音楽制作について何か書いてもらおうと思って」
あっ、なんだ! そんなことならやります。大体、実録漫画
(注2)
やってた位だから基本的に好きなんですよ、楽屋ネタを面白おかしくまとめるのは。と、安請け合いして帰ってきました。
暫くして、S様からメールが届き「交代でコラムを書いてもらうエイベックスの本地さんの文章です。参考までにご覧下さい。それで、八木さんの締切りは?」
フムフム、それで本地さんはどのように
… この間、暫く間 …
ほ・ほ・ほ・ほんじさ〜ん!!(思いっきり絶叫)
(注3)
なんだか、戦隊の音楽制作を語るってとっても大変な事だったのですね…トホホ。俺、こんな頭の良い文章書けねぇよ…。
S様、スイマセン。毎回交互に文格の違い過ぎるコラムの連載が展開されることになると思いますが、僕を選んだのが運の尽きだと思って諦めて下さい。その代わり、読者(視聴者)の皆様にはなるべく楽しんで頂けるような面白おかしい、あることないこと盛り沢山なコラムを頑張ってお届けするようにします。
そうだ、本地さんが真面目に制作の現場を語ってくれてるから、俺は楽しいところだけ担当することにしよう!と自分で勝手に決めて、社名通り
(注4)
、「人と音楽」のエンタテインメント担当としてS様が
「もう止めて良し」
もしくは
「止めてくれ」
と言うまでこのコーナーに駄文を寄せさせて頂くことにします。
一体いつまでのお付き合いになることやら皆目見当が付きませんが、ヒーローネットをご覧の皆様、これから暫くの間宜しくお願いいたします。ペコリ。
(注1 :2人のS氏…マーチャンダイジング界で最高峰に位置する、と言われる謎の人物。あんなイベントやこんなイベント等、数々の奇跡を実現し、カリスマとして業界に君臨する。但し2体存在するS氏のうち、どちらがボスキャラかは今だに不明)
(注2: 実録漫画…数年前まで八木がコロムビアのオフィシャルHPの一角を不法占拠し、毎週更新で世間に発信していた謎のページ)
(注3 :ほ・ほ・ほ・ほん…本地氏のプロフィールにあるように「百獣戦隊ガオレンジャー」の年までは、氏はコロムビアのトップディレクターだった。当時、八木は本地氏の部下としてS氏と結託し「仮面ライダー・アナログ復刻盤レコードBOX」等、個人の趣味に全力で走った企画ばかりを行っていた)
(注4 :コロムビアは2年前に日本コロムビアからコロムビアミュージックエンタテインメントに社名が変更になった。長くなった社名がネタに活用出来たのはもちろん初めて)
八木 仁(やぎ ひとし)
1968年東京生まれ。日本大学法学部卒業。
現・コロムビアミュージックエンタテインメント アニメ制作部 ディレクター。
大学卒業後、紆余曲折あって赤帽ドライバーを生業とするが、28歳の時にコロムビアミュージックエンタテインメント(当時日本コロムビア)のアニメ制作部に制作見習いとして拾われる。以降、音楽は良く分からないが運転と2次元の世界についての知識は社内一との売り込みで制作を担当。エターナルエディションシリーズ等を手掛ける。東映作品には「忍風戦隊ハリケンジャー」より正式参加、現在は「美少女戦士セーラームーン」と「特捜戦隊デカレンジャー」の音楽制作を担当。
ということで始まりました第1回。まずは近況の報告からですが、現在S.P.D音楽制作班コロムビア本部
(注1)
では、5月19日にリリースされた『サウンドファイル1』
(注2)
のプロモーションに全力で走り回っているところです。今年も、去年にならって少しでも多くの全国のお友達に戦隊ミュージックに慣れ親しんでもらうために、お話のコーナーや、挿入歌のショートサイズを数曲混ぜる形のアルバムを作りました。
ヒーローネットをご覧の皆様は聞いていただけましたでしょうか? もしまだの方がいましたら、一旦このアクセスを中止して、すぐに最寄のCDショップに急行して下さい。
店頭で商品が見当たらない場合は
「アルバムタイトル『特捜戦隊デカレンジャー・オリジナルアルバム 特捜サウンドファイル1』COCX−32737、税込み2,940円を下さいっ!!」
と大きな声で店員さんに伝えて下さい。
ここで大切な事は、商品を受け取る時に 「うちの子供が好きなんだよね」 というような、変にオタクぶりを誤魔化す態度をとらずに、毅然とした態度で店員に臨むことです。なにしろ中身がとても勇ましいアルバムなので、購入の時から気持ちを引き締めておいたほうがより楽しめるのではないか、と思います。
(注3)
(注1:このコラムでは便宜上、デカレンジャーの音楽関係スタッフをこのように命名する。本部長は歌う音響監督宮葉勝行、隊長は阪神戦のゲーム中には電話に出ない亀山耕一郎、現場監督は八木仁、他のメンバーで構成される。その他のメンバーも随時紹介していく予定)
(注2:特捜戦隊デカレンジャーのファーストアルバム。現在コロムビアのHPで試聴サービス実施中
http://columbia.co.jp
まで)
(注3:業界では有名だが、八木は時々発言がおかしくなる。この場合大概酔っ払っている場合が多いのであまり気にせずに慣れて欲しい)
特捜戦隊デカレンジャー・
オリジナルアルバム
特捜サウンドファイル1』
これで、このページを御覧になっている方でサウンドファイルを聞いていない方はいないと思いますが、今回のアルバムはいかがでしたか? このアルバムを作っていて、一番印象的だったのがS.P.Dファイルのアフレコです。とにかく、ジャスミンの台詞回しには笑わせてもらいました。荒川様
(注4)
本当にありがとうござました。
個人的に特にお気に入りなのが、
「スーパー銭湯バンバラバン」
という台詞です。
僕には全く意味が分からない台詞なのですが、アフレコで実際に聞いてみると、なんだか物凄い説得力のある言葉に聞こえました。きっと深い意味があるのでしょう。今度、塚田Pに聞いてみることにします。
(注4:特捜戦隊デカレンジャー、メインライター荒川稔久氏。コロムビアのCDの仕事も沢山手伝ってもらっていて、昨年は「エヴォリアン聖歌」の作詩を手掛けている。曲の頭の謎の呪文には暗号が隠されていて、日笠Pが嬉しそうにリジェ役の鈴木かすみさんに意味を詰め寄る姿が印象的だった)
ところで「バンバラバン」といえば「バンバラバンバンバン」のフレーズが思い起こされますが、先日作曲家の渡辺宙明先生とお食事会
(注5)
をした時に伺ったエピソードが面白かったので紹介しておきます。
会の主旨は、現在放送中のアニメーション「神魂合体 ゴーダンナー!!」
(注6)
の録音終了お疲れ様会だったのですが、そこで当時の戦隊モノの話題になり、
「あのバンバラバンバンバンというフレーズはどやって作曲したんですか??」
と、長年不思議に思っていた質問をしてみました。
そうすると、先生は
「あの時は…誰がつけたかおれたちは〜、という詩が先にあって、メロディを付けてみたんですが、これが、だ〜れがつぅぅけぇたぁかぁぁ〜みたいな
(注7)
なんだかチャンバラ劇のテーマみたいになってしまったんです。それで、これはいかん、と思い、だれがの後にウッ!ウッ!とね、やってみたんですよ。そしたらだれが!ウッ!ウッ!つーけーたーかっ!
(注8)
とね、このフレーズになったわけです。それでこれは良いと思い、コロムビアのプロデューサーに電話して、そのまま電話口で歌って聞かせたら「それは良いフレーズですね、ですが先生、もう一つなにかアイデアはないですか?」と言われました。そこでハッ!と思いついて、やはり電話口で「バンバラバンバンバン」と歌ってみたんです。これがその場ではとても楽しく聞こえました。それでそれが良いということになり今の形の曲が出来上がりました」
成る程、バンバラバンバンバンの裏にはそんなエピソードがあったのですね。
コラムをご覧の皆様はこのエピソードを読んで何回ボタンを叩いたかを感想文と一緒にお寄せ下さい。抽選でなにかあたることもあるかも知れません。 ということで、「バンバラバンバンバン」をしみじみと味わうには、現在好評発売中の『スーパーヒーロークロニクル スーパー戦隊 主題歌挿入曲大全集 1』(COCX−32496〜9 ¥4,725)をゲットしましょう。いままでとは違う味わいをもってゴレンジャーの曲が聞こえるに違いありません。
さて、第1回目のこのコーナー、そろそろお別れの時間(?)になりましたが楽しんでいただけましたでしょうか?
次回からもこんな形で、八木が業界飲みで聞いた楽しい話を中心に、時々はデカレンジャーの音楽の話も交えながら続けていけたらと思います。それから、ヒーローネットをご覧の皆様で、是非八木に聞いてみたい、と思うことや伝えたいことがあるかたは、どしどしメール下さい。ヤツデンワニのミッドナイトDJ
(注9)
くらいのノリで紹介させていただくようにします。次回のこのコーナーもお楽しみに。
『スーパーヒーロークロニクル
スーパー戦隊 主題歌挿入曲
大全集 1』
(注5:上品にお食事会と述べたが只の飲み会)
(注6:AT−X「アニメ魂」枠で絶賛放送中のスーパーロボットアニメーション。アニメーション業界中から選び抜かれた宙明サウンドマニアが制作スタッフとして集まった企画で、串田アキラ、堀江美都子、水木一郎、そして渡辺宙明による音楽スタッフの布陣は世間を驚かせた。第1話の選曲は圧巻で、イントロダクションから次々に投入される宙明節のオンパレードに試写で拍手が沸き起こった)
(注7:うーん、音で伝えられないのが残念。渡辺先生が節を付けてそれ風に歌うメロディはビールの勢いも手伝って大爆笑だった)
(注8:これも同じく渡辺先生による実演シーン。作曲家は、同じ言葉でもメロディと節によってこんなに違う曲になるでしょ、ということを面白おかしく説明するのが本当に上手いものだ。ともかく「これはいかん」と思い八手三郎氏の詩に勝手にフレーズをつけてしまうところが渡辺先生の偉大なところである。同じような手法で幾つもの名フレーズが生み出されたかと想像すると楽しい)
(注9:爆竜戦隊アバレンジャーのオリジナルCDドラマのコーナータイトル。戦隊シリーズでは珍しい企画で、初の本格的な長編オーディオドラマと楽しいショートコーナーで構成。発売時期が3月末だったためそれほど大きな話題にはならなかったが、実はこの時期八木はデカレンジャーの立ち上げとセーラームーンの仕事をほったらかしでこの仕事に没頭していた。中身は会心の出来栄えで(自画自賛!?)、中島P、日笠Pをはじめすべてのスタッフとキャストが全身全霊を傾けた渾身のアルバムである。近い将来手に入りにくくなる可能性が高いアイテムなのでコレクターの方には今のうちにゲットしておくことを薦める。商品番号はCOCX−32649 ¥3,150)
『爆竜戦隊アバレンジャー
のオリジナルCD』
さて、次回のこのコーナーは…
「八木、あの大物作曲家との食事会でバンバラバンバンバン以上の逸話を聞き出した!?の巻」
「八木、ああ大失敗…。世間様に平謝り!?の巻」
「八木、名誉挽回!?読者の質問にありえない程名回答!?の巻」
の、どれかでお送り致します(多分)。乞う御期待!!
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