東映ヒーローネット(以下、THN):“田口あゆみ”さんから“田口萌(もゆ)”さんにお名前を変えられたんですね?
田口萌さん(以下、田口):何年か前にリポーターの仕事を始めることになり気分を一新しようと思って。この業界に同じ名前の方がいて、よく間違えられることがあったのもきっかけになっていますね。
THN:まだ田口さんが“あゆみ”だった『仮面ライダーBLACK』のオーディションの頃のお話を聞かせていただけますか?
田口:『(仮面)ライダー(BLACK)』をやるまではモデルをやっていたので、モデル事務所に所属をしていたんです。でも、元々役者をやりたくて東京に出てきていたので、お芝居に関する募集がないか、『月刊デビュー』を毎月買ってたんですね。それを見てたら『仮面ライダーBLACK』の募集が載っていたんです。受かるとは思っていないので、とりあえず試しに応募を出してみようかなと思って、個人的に(応募書類を)書いて個人的に送ったんです。
THN:ダメモトで?
田口:大きいオーディションってどんなものなのか知りたかったんです。『仮面ライダー』は自分も見ていたし、私はバイクとか好きですし(※田口さんは二輪免許を持っている)、アクションにも興味があったんですけれど、ホントにお仕事することになるとは全然思っていなかったですね。そうしたら連絡を頂いたんですよ。でも事務所から連絡がきて「田口、送った?」って。プロフィールには所属を書いていたんで事務所に連絡が行ってしまったんです。
THN:事務所的には問題だったんですか?
田口:いえ、それまでにも名前が出ない端役ではやってましたから。でもこっそり応募してたので事務所もおどろいてました。(オーディションで)選ばれたときにも女の子は4人いたので、「選んで頂いたのでレギュラーでなくてもどこかのお話の中で使って頂ければうれしいかな」って思っていたら、事務所から「決まったよ、役名はキダカツミだって」って言われて「悪役?」って聞いたんですよ(笑)。
THN:ヒロイン役だとは思わなかったんですか?
田口:“キダカツミ”ってなんとなく気が強そうな名前に聞こえませんか? とにかく4人選ばれて、自分が一番年上だったし、他はかわいい子ばかりだし。私は「キャー」っていう役じゃないなって。どういう設定で選ばれているのかも全く知らなかったので。
THN:選ばれただけで満足していらしたんですね?
田口:そうなんです(笑)。
THN:では、紀田克美がヒロイン役で、レギュラーとして1年という長いスパンで関わることになると知って戸惑いませんでしたか?
田口:びっくりしました。うれしかったですね。当時はフィルムを使っての撮影だったじゃないですか。役者志望で出てきているのでフィルムでの撮影というものに憧れていましたね。現場の雰囲気は怖かったですけれど(笑)、楽しかったので1年は苦にならなかったですね。
THN:モデル時代の現場とのギャップは感じませんでしたか?
田口:モデルって、「きれいねー」って言われて気持ちよくなって仕事するんですよ、それがスタッフのやりかたなんです。それが撮影所だと「おまえなんか、いなくたっていいんだよ」とか言われて、「へえぇ〜っ!?」って。そうやって叩かれて、だんだん慣れてきちゃうんですよ。ある意味ずうずうしくなっていくんでしょうね。撮影所のスタッフって、やさしくないですし、乱暴ですし、言葉遣いは荒いですし、人使いも荒いですけれど(笑)。筋を通してきちっと挨拶し、頑張って根性を持ってやれば認めていってくれるんですよ、必ず。なので私も決して気が弱い方ではないし、監督さんや照明さんに怒鳴られてもへこたれて泣いてしまってもうやめたいなどという子ではありませんから、言われれば言われるほど「なにを!」って。そうするとだんだんだんだんスタッフの方もやさしくなってきて。「痛くないのか?」とか。私はよく転がってましたので。(秋月杏子役の)井上明美ちゃんがゴルゴムに捕らえられてかわいいシャボン玉に入ったりしても、私の場合はいきなりバスの運転手に変身した怪人が襲ってくるとか、直接なんですよ(笑)。でもスタッフから「大丈夫か!?」って優しい言葉をかけてもらったりしてがんばったかいがあったなって。そういうところでだんだんとスタッフとも仲良くなっていって、現場は厳しかったけど楽しかったです(笑)。ホントに精神的に鍛えられた1年って感じです。
THN:モデルに戻りたいなんて思いませんでしたか?
田口:モデルの世界って初めて会っても、会ったことがあるように「こんにちわー」って挨拶をしてそれで丸く収まるんですよ。芝居の現場って何度か会っていても役者同士それほど親しげには挨拶することはないんです。「互いによく知ってからでないと人間って親しい口は聞かないもんだろ」っていうような雰囲気があって。そういう方が私には合っていたんですね。それはモデルをやって、芝居をやってわかったことなんですけれど、モデルの時にはそういうのがすごく居心地が悪かったんですよね。お友達でもないのにお友達のように話しかけられるのが。親しくなってないときにはぶっきらぼうにされていても、親しくなってちゃんと話が出来るようになるのがいいなって。自分を出してストレートに話していく撮影の現場が好きでしたね。
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メインキャストの4人。左から南光太郎(演:倉田てつを)、秋月杏子(演:井上明美)、紀田克美(演:田口萌)、秋月信彦(演:堀内孝人)
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とても元気にインタビューに応じてくれた田口さん。
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BLACKのおもちゃを見て、「これは持ってない・・・」。
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