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まずは、1年間お疲れさまでした、とご挨拶から。ヒーローネットとしては、1年前の制作発表会の会見前にお話しを伺っていたのだが(オンエア情報の第2回インタビュー参照)、その中で、きっと1年は短いと思うと発言していた永田さん。さて、実際1年間番組を撮り終えてみて、その予感は的中していたのだろうか……?
「やっぱり、あっという間でしたね。1年ってこんな感じなのかなぁっていう感じでした」
淋しいな、という気持が、終わってみてまず浮かんだ感情だったのだとか。確固たるチームワークが出来上がって、作品の取り組み方がいろんな意味で固まってきたと思ったら、撮影終了! そういう感覚は1年間続くライダーにせよ、戦隊にせよ、演じている方々には例外なくあるもののようだ……。
「夏くらいから、みんなとの絆が一層深まった感じだったので、ほんとに楽しくなってきた時にっ(終了?)! ていう感じですよね。それがいちばん淋しいんですけど。映画の後くらいですかね、みんなのことが解りはじめてきて、現場に行くのもすごく楽しくて。最初はやっぱり毎日の様に会っているとはいえども、気を使ったりもしましたけど、最後の方はもう言いたい放題で(笑)、イジリたい放題でした」
なるほど、で、ミサキーヌはイジる側、イジラれる側? と質問してみると、イジる側だったということで、では一体どなたを?
「スタッフだと、みんなでイジってたんですけどメイクの今仲(俊介)さん(笑)。キャストだと……山本(裕典)くんはイジられキャラだったかと。あと、(佐藤)祐基くんとはふざけてケンカみたいな事はよくしてましたね。お互いにイジりあうっていう感じで。やっぱりチーム田所としての共演シーンが多かったので、そういった絆も深まりましたね」
“絆”という点では、ワームとの戦いに緊張感満載だった前半、そして中盤でギャグ編を挟みつつ、後半に入り田所の正体がばれたあたりでチームの結束がまたひとつ強くなって……という流れがあったと思うのだが、実際の現場の雰囲気も劇中のストーリーにシンクロしていたという感じだったのだろうか?
「結構そうかも……おそば屋さんが出てきた辺りくらいから、くだけた感じでやってましたから。やっぱり最初は岬としては加賀美に対して厳しかったじゃないですか、そういう役だったので」
前半のクールな岬と、後半の人間味が垣間見える岬……演じやすかったのはどちら?
「……後半ですかね。前半は天道のことも認めてない部分とかあったんですけど、彼をだんだん認めはじめてきて、加賀美のこともお姉さん目線ながらちゃんと受け止めて、認めはじめた辺りからお芝居としてもやり易くなりました。剣が出てきた辺りの、岬、剣、加賀美の3人のシーンもすごく好きですね(笑)。ああいう関係が出てきてからは、楽しんでましたね。それまでがピリピリしたシーンが多かったですから。岬自身が崩れるシーンはほとんど無かったですけど、周りにそういう面白いキャラクターが絡んでくることも、それまで無かったですから。剣くんが来てからは面白くなりましたね」
怪盗シャドウになった辺りから、キャラクターがちょっと変わっていくのかなという様にも思えたものの、結局、岬という役はぶれることなく描かれていくことに。
「そう思われた方もいらっしゃるみたいですね。ああいう、怪盗シャドウみたいなアクティブな感じの岬も有りかな、とは思ったんですけどね。そういう方向へは行きませんでしたね(笑)」
スタッフの岬に対する試行錯誤が感じられるが、ちょっと岬の印象が変わってきたかなと思うのは、加賀美と立ち食いそば屋で、そばをすすりながら会話をする辺りからかなという印象がある。人間味が垣間見えてきたというか……。
「恒例になってましたよね、そば屋のシーン(笑)。指令車の中で上司と部下の話をするんじゃなくて、立ち食いそば屋でするっていうのが、観ている方たちにも親近感を持っていただけたんじゃないかと思いますね。あんなスーツ来てバリバリやってる岬さんが、立ち食いそばにまず行くんだ? という事と、おそばを食べながらZECTに対する不満を語ったりとか……“謎の女よ”って言うセリフもありましたし(笑)」
その秘密は解消されたんですかね(笑)?
「そうですよねぇ(笑)。でも、あのシーンで、視聴者の方たちも“えっなになに、ZECTにどんな秘密があるの”じゃないですけど、そういう意味で結構貴重なシーンだったんじゃないですかね?」
剣とも、その辺りから本格的に絡み始めてきたわけで……。
「あの変な、とんでもないおそばを作った辺りから(笑)。」
そして、後半を経て最終回では、加賀美を助けての立ち回りがあったり、岬としての見せ場もきちんとあったわけですが、その辺りの感想は? と伺ってみると……。
「あの最終回のシーンが、クランクアップのシーンだったんですよ。最後がアクションシーンだったというのも印象に残ってますし、昨日のイベントでもお話ししたんですけど、すごく好きで良いシーンだったので、あれが最終日だっていう事も含めてジーンと来ちゃいましたね。“加賀美くんは行って!!”っていう格好いいセリフで終えられたので。自分では結構以外だったんですけど、後半部分は男の子メインの話が多いんだろうなと……実際それには確かに変わりないんですけど、そんなに岬の出番は無いんじゃないかなと思っていたんです。だけど、剣くんとの話があったからだと思うんですけど、結構出番が多くて、岬という人物がクールだけれど人情深いっていうところが見せられましたね」
思いのほか、岬の見せ場がきちんと盛り込まれていたことに、終わってみて改めて充実感を得ている様子の永田さん。確かに後半は、ひよりや樹花よりも出番が多く、ある意味ヒロイン的位置をキープし続けていた。コスチュームに関してもいつものスーツ姿をはじめ、先ほど話にも出た怪盗シャドウやウエディングドレス、ナースやアーミールックなど、コスチュームでも楽しませてくれた岬。剣とのエピソードでは、可愛らしい私服姿も披露したわけなのだが……。
「ありましたね(笑)。あの岬の私服……スタッフの人たちとも“岬ってこの私服で良いの? これ高校生の私服じゃない?”って言っていたんですけど(笑)。ピンクのマフラーとか巻いちゃってましたし」
そういったことも含めて(?)岬的には見せ場があって、これである種フェードアウトしていくのだろうなと感じていたら、あに図らんや、きちんとその後も岬の立ち位置は揺るぐことなく存在した。カブトファンの視聴者にも、その存在は改めて大きく映ることになったと思われる。そんなファンの方たち含め、この作品に出るようになってから、ファン層の変化などはあったのだろうか。
「カブトをやらせて頂いて、本当に違ったファン層の方々ができました。女性のファンも、イケメンライダーのファンの人たちが流れで来てくれたりして(笑)。“いつも観てまぁ〜す”って声をかけて下さったりとか、加賀美くんファンの方などは、やはりチーム田所として観て下さってる方が多かったですし……それからお父さんですね。番組が始まったときから“私は絶対お父さん層を狙う”って言ってたんですよ(笑)。(里中)唯ちゃんだと、もうちょっと若いだろうから、パパ層だなって言っていたら、見事に本当にお父さんたちからの反響が。ブログにも“子どもと一緒に観てます”っていう書き込みを沢山いただきましたし」
狙われてましたよ、お父さんたち。術中に堕ちてますよ(笑)。でも、それは子どもという免罪符を得た層がアクションを起こしているだけで、実は若いサラリーマン層に人気があったのではないかと推測。先ほどのそば屋のシーンなど、できる先輩OLっていうのは、若い男性の憧れの対象なんじゃないかと。そういう観点でうらやましく加賀美を見ていた層も少なからずいると思うのだ。子ども番組という枠柄、気恥ずかしくてアクションが起こせない層にも、岬は絶対人気があったはず。あの状況にあって取り乱さずに対処していける女性であれば、理想の女性像として挙げられるには十分じゃないだろうか。そして、イベントなどでは女性からも“可愛い”と声をかけられたりすることも増えたそうだ。とても嬉しいことだと彼女は語る。そして、そんなファンの方たちからかけられる言葉で、一際嬉しい言葉があるのだという。
「それはやっぱり“ミサキーヌ”ですね(笑)。本当に嬉しいんですよ。永田杏奈って本名なんですけど、普段はアンナ、アンナって呼ばれるので、あだ名や芸名がある子がすごくうらやましかったりしていたんです。ある意味“ミサキーヌ”ってあだ名だから“あっ何かうれしい”って思ってました。あっという間に定着して、撮影現場でもみんなからミサキーヌって呼ばれてましたし……あの岬というキャラクターだけを観ていたら、そういうあだ名は生まれないじゃないですか? だから、クールなキャラクターなんだけど、ミサキーヌっていうあだ名がある、そのギャップが良いかなぁって思いましたね。剣くんとの関係が、最後まで“来ないで、来ないで”という感じだったら、こうしっくりと来なかったと思うんですけど、その関係は哀しい関係で終わってしまいましたけど、相思相愛になったので、ミサキーヌという呼び名にも、愛着が持てるのかもしれませんね」
剣と岬のクライマックスは、哀しい物語として終わりを告げた。彼女はそのクライマックスシーンにあたり、ずっと現場で剣(山本くんの演技)を観ていたそうだ。岬を守るために戦っている剣を目の前にして、どんどん感情移入をしていったのだとか。そして、そんな剣役の山本くんに限らず、他のキャストも皆、共演者は演じやすい方ばかりだったという。「みんな素直なんですよ」と。
「性格がみんな素直で、嫌な子がいないし……水嶋くんは、天道とは違って優しくて本人は嫌がるんですけど、ちょっと天然入ってるし……祐基くんはいつもふざけているかと思えば、ちゃんと一生懸命に役のことを考えているし、山本くんは自分でも言ってましたけど、本当に初めての撮影現場だったので、その成長ぶりをみんなで見守ってきたっていう感じだったんです。それが、おぼっちゃまとしてのキャラをしっかり作ってくるまでになって……みんなに“作りすぎだろ”って言われるくらい(笑)。だから、絡みにくい人はひとりもいなかったですね。みんな『仮面ライダーカブト』にすごい愛情を持って取り組んでいたのが分かるから、私も良い刺激をもらって、お仕事をさせてもらったなぁと思いますね」
| 構成/竹中
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