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『カブト』の卒業式にこうしてインタビューできたのは幸運なのかもしれない。
振り返れば三島は本田(加賀美陸役・本田博太郎)さんや内山(影山瞬役・内山眞人)さん、佐藤(加賀美新役・佐藤祐基)さんなど、共演者が限られていたような気がするが…。
「水嶋(天道総司役・水嶋ヒロ)さんと佐藤さんとは共演できるのが凄く楽しみでした。あの二人のライバル的な関係性も好きでし、二人とも見ててとても刺激を受けました。劇中の関係を意識して接していたのも、あの二人はあったと思います。お互いを認め合うっていうか。そういうのが好きでしたし、一人の人間としても好きで、一緒に芝居をやるのが楽しかったです」
お二人とは初対面?
「いや、佐藤さんの舞台を一回見た事があったんです。凄い良い芝居やるなって思って、チラシを見たら『佐藤祐基』ってあって。それで知りました。その時佐藤さんはスーツを着てて。『カブト』で初めて会った時は同一人物だとは思えなくて、『スーツ着てドラマか何か出てなかったかな?』って訊いたんです。そしたら『舞台じゃないですか』って言われて思い出した訳です。あれが初舞台って言ってたんですが、凄いなって思いましたね」
『カブト』のキャストやスタッフは仲が良いと有名だ。弓削さんはどれくらいそこに溶け込んでいるのだろう。
「週一でフットサルやるぐらいですからね。劇場版チームとかも一緒にやって。山口(田所秀一役・山口祥行)さんとも一緒にやってますね。毎週毎週。来られる人だけですけどね、ユニフォームまで作ってます(笑)」
劇中では、そんな仲の良い皆さんを足蹴にしてしまった訳だ(笑)。
「あれ辛いですよね(笑)。例えばアクション。殴るとか、実際に触れている訳じゃないからいいんですが、こう、踏みつけるシーンとか、本田さんの指を踏むとか、佐藤さんの胸を踏むとか、やっぱり胸が痛みました。でもそんな事を言ってる場合じゃないからやってるんですけどね。終わった後、ちゃんと『ごめんね』って言ってます。やる前は『本気で踏むけどごめん』って。『ああ、全然いいですよ。後でジュース奢って下さいね』って佐藤さんに言われるんですけどね(笑)」
『龍騎』があり、『カブト』があった。『由良吾郎』があり、『三島正人』があった。三島はこう! というイメージ的に強いものはあったのだろうか?
「加賀美陸に忠誠を誓ってるように見えてましたよね。どっかで信じてるような。それは『由良吾郎』の『北岡秀一』に対するものと同じなんですよ。本質的に違うのは、本気で信じてるとか信じてないかだと思います。『由良吾郎』は絶対的な信頼を『北岡秀一』に持っていて、人としての道を汚そうとも彼の為にやってしまう。でも、今回の『カブト』の三島は、どこかしら不満を持っていて、向上心もある。衣装合わせの段階でそういう話は出ていたので、最初から露骨にならない程度にそういう感じは出してました。やっぱり最初は先が見えないので、探り探りになるんですけど、いただいた台本から得られる情報から手探りで役を作っていきました」
『龍騎』との間に『Sh15uya』を挟んでいた弓削さん。三島は役柄的に謎が多い上に冷徹漢だったが、彼にはそうした役が多いような気もした。これについてはどう考えているのだろう?
「元々自分はそういうタイプの人間じゃないんです。僕の事を良く知ってる人は『どうして弓削っちはそういう役が多いの?』って言うんですけど、あまり話した事の無い人には怖い人だったり、とっつき難い感覚を持たれてるようです。『Sh15uya』のケンゴは性格に二面性を持ってる役だったので、物凄い良い経験になりました。三島っていう役の中でその経験が生かせてる感じがしたんです」
演ずる役と本来の性格のギャップが、弓削さんの演技の根底に何かを与えているかもしれない。ところで、三島の最期は予想できていたのだろうか?
「思っていたのとはちょっと違いましたね。これは想像なんですが、『もしかしたら三島は凄くいい人なんじゃないか』って考えていたんです。実は加賀美に、心を突き動かされてる所はあったと思うんです。最後の辺り、ミサイルで爆撃するっていうシーンも、結局は加賀美の思いに折れてる。冷徹だけど、そこまで冷徹じゃない。もしかしたら『そっち』寄りになるんじゃないかって。結果としては物凄い『悪』だった訳ですけどね」
| 構成/すねやみえこ 文/川辺顕治 (c)2006 ISHIMORI PRO・TV ASAHI・ADK・TOEI (c)Toei Company, Ltd. All Rights Reserved. |










