|
まずは、劇場版にしか登場しない「仮面ライダーケタロス」という役のオファーを受けた訳ですが、その時の心境などから教えて頂ければ……という所からスタートです。
「社長から、仮面ライダー劇場版のオファーが来ていると聞かされて“出来るんだったら、俺やります!”とすぐ返事をしましたね。でもその後に“イメージ的に大丈夫ですか? 仮面ライダーになるんですか?”って確認しちゃいました(笑)。僕の見た目でライダーでいいのかな? と思ったので。それで、キャスト表を見たら山口(祥行)さんも出演されるという事で、ちょっと安心していたら、山口さんはライダーじゃ無かったので“やっぱり、俺大丈夫なのかな?”って(笑)。そんな感じでした」
以前共演したという田所修一役の山口さんの名前を見つけてホッとした(?)のも束の間、ライダー役ではないと知り、一抹の不安を抱いたという虎牙さん。今までだって色々なライダーがいましたから、全然大丈夫です(笑)。というか、髭のライダーって格好いいですよね。そんな虎牙さんが演じた大和鉄騎。脚本を読んだ時の感想についても伺ってみました。
「まず、大和というキャラは、熱さを秘めているなと思ったんですよ。ZECTに対する思いだったり、責任感や使命感などが凄く強い人間なんだなと。そしていちばん気を付けなければいけないのは、そういう部分をきちんと出せるかどうかという事だと思ったんです。でも、ネオゼクトの織田との関係性もあるので、ただ、暑苦しいだけの感じにはしたくないとも考えましたね。そして、一応僕の中で基本形というか、ライダーっぽい正統的な部分で作ったキャラで本読み(撮影前に出演者などが集まり、脚本のセリフを確認したりする作業)をやったのですが、その時、石田監督に“予想通り、虎牙さんらしいものにあがりましたね”という感想を頂いたんです。そこで僕は“もう少し遊んだ感じで作ってきたんですけど”というキャラをお見せしたんですが、そちらが採用になりましたね。今までのライダーっぽくないキャラだったので、僕の中では割と賭けだったんですが、一癖あるような感じではまれば面白い……とダメ元でやってみたら、監督が気に入ってくれたんですよ(笑)」
小林且弥さん演じるネオゼクトのリーダー・織田秀成も熱いキャラなので、大和まで熱く演じてしまうと似かよってしまう。そこで「陰と陽」とでもいうべき、真逆の性質を強く押し出していきたいと考えたのだとか。現場に入ってからも、それがすごく楽しかったそうで……。
「撮影初日に、監督に見てもらったキャラよりもさらに作り込んで行ったんです。僕は撮影に入る前にキャラを作り込んでいくタイプなので、本読みの時よりもエスカレートさせて行ったんですけど、さすがに石田監督が“虎牙さん、やりすぎです”って(笑)。“あっ、すいません”という事で、行きすぎだと言われたタイプとの中間を狙って演じる事になったんです。最初の大事なシーンからクランクインだったので“そこが総てだな”って思ったんです。そこで一歩崩しちゃうと、それに後のシーン全部を併せなきゃいけないので、すごい大事だなと。そういった意味でも石田監督と話し合いしながら撮影できたので、キャラ作りとしてはすごく納得のいくものになっていると思いますね」
無難に演じてみせるのではなく、ギリギリの境界線を見つけることで、キャラを魅力ある人物に仕立てていく……元格闘家だった虎牙さんならではのテクニックというか、演技プランだと感じました。虎牙さんにとってはお芝居も格闘技なのです! さらに仮面ライダーという作品だから、という事も考えて役作りをされたようです。衣装にしても普段着られない様な制服姿でもあり、そういう部分でもライダーならでは、という感じを味わったとか。そして、その他には……。
「やっぱり“変身”ですね。記者会見の時にも言いましたが、ふだん変身なんかしないじゃないですか。だからやはり、この仕事ならではという部分ではそれが大きいですよね。僕のイメージでは、昔みたいにバーンとしっかりポーズを決めて“変身!”みたいなイメージを持っていたんですが、現場に行ったらナチュラルにというか、力まないノリだったので“お〜、これは逆におもしろいな”と思ったんですよね。でも、気合いを入れてやってみたかったという気持もちょっとはありましたけど(笑)ただ、シーン的にも、大和のキャラ的にも、やっぱりそれは無いんですよね」
演技では気合いをあまり前面に出さないようにしていた虎牙さんですが、その役作りにはもの凄く気合いが入っていたのです。虎牙さんの演じる大和があって、スーツアクターの演じるケタロスがいる。どちらも同一人物な訳ですが、そのキャラ作りには、こんな楽しみもあったとか……。
|