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「そうですね、最近になってやっと心を開いてきてくれたっていう気はしますね」
ひよりは天道と出会ったことから、他人に心を開きかけているように見えるが、里中さんご自身はその変化はどうお考えになっているのだろう?
「天道と一緒にいることが多いので、やっぱり天道には心を開いてきているんじゃないかなという気がしますね。あと、自分と同じような体験をしたゴンにも心を開きかけていたと思います。やっぱり天道との出会いをきっかけに、色々な人と触れ合うようになったので、人に対して心を開き始めているんだと思います」
オンエアでは記憶を取り戻し、惜しまれつつ去っていったゴン。そんなゴン役の神崎愛瑠ちゃんとは撮影中どんな感じだったのだろう?
「凄い可愛いんですよ。みんなでペタペタ触ったりしてます(笑)。私も子供が好きなので、ずーっと一緒に遊んでたり。でも、やっぱり本番が始まるとパッと切り替えられるので、プロだなって感心させられました。私がこの歳だったら、絶対出来ないなって思う様なことをやっているので、『大人だなあ』って思いますね。あと最近、私がニンテンドーDSを買ったんですけど、そうしたら彼女もたまたま同じソフトを持っていたので、通信して遊んだりしてました。ゴンちゃんは大人なので話も合いますし(笑)。同じ目線で話が出来るという感じです」
さて、話は再びひよりのことへ。ひよりのキャラクターが変化してきたことに伴って、演技にも何か変化が生まれた点はあるのだろうか?
「最初の頃はリアクションをとることが出来なくて、監督さんに『そこでリアクション』とか指示を出されていました。ひより的リアクションを意識し過ぎて、そういうリアクションをとってしまうと『リアクションが薄い』って言われてしまったんです。なので、『少しだけ自分を入れていかないといけないのかな?』とか思いますね。あとは人との係わり合いの中で、声を張り上げるシーンも増えてきたので、ひよりらしさとウソっぽく見えないようにということを心がけてます。表情がガツンと変化するならば、また違うんでしょうけれども、ひよりはそのあたりが微妙な変化なので、ちょっと苦労していますね」
表情が制限される中、感情を見せるというのは、素人目にも難しいと思える。次は里中さんが普段どのような役作りをしているのか質問してみた。
「テストをしてから本番に臨むんですけれども、本番よりテストの時の方が良かったと言われてしまうこともあるんです。そういう演技の変化という部分は、やっている自分の感覚では判らないような凄く微妙な部分なんです。だから、そういう部分を見つけ出すのが難しいと思いますね。やっぱり、監督のイメージしている演技と私がイメージしている演技が一致している時でないと、どちらも納得できるものが出来ないと思うので、ちょっとづつ作り上げていく感じです。ひよりは変化していくといっても、表情がガラリと変わってしまうと全く別のキャラクターになってしまうので、場を明るくする役割は樹花ちゃんに任せようかなと思いますね。だから、感情は判らないくらいがちょうどいいのかなって今は思います(笑)」
ひよりは表情の変化が少ない故に、逆に繊細な演技を要求されるはず。監督陣は演出時、里中さんに演技のイメージをどのように伝えているのだろう?
「言葉で伝えてくる方もいますし、その場でやってみせてくれる監督もいますね。『ここはこうなるから、こういう仕草をするんだよ』って凄く丁寧に言ってくれる監督もいれば、リハの時にいい演技が出来ればそれを使う時もあります。あと、『目線を落とすのをもうちょっと遅らせて』とか、本当にそういった些細なことを注意されたりとか。やっぱり、アップで撮られている時とかはそういった些細なところで全く印象が変わってきてしまうじゃないですか。でも、そういうところは自分では見れないので、監督に確認してもらって、細かい指示を頂いてます。中には結構キツイことも言われるんですけど、言葉の中にちゃんと『その役者を良くしよう、育てよう』っいう愛が含まれているので、頑張れるんですよね」
そんな厳しくも暖かい現場の中で、ひよりというキャラクターと向き合っている里中さん。ひよりの内面を最も理解していると言える彼女が、自分と似ていると思った点や違うと思った点はどこなのかを聞いてみた。
「最近似ているなって思ったのは……相手がゴンちゃんだからかもしれないんですけど、ひよりも実は子供好きなのかなというところですね。実は母性が強いのに、そういうものを表現するのが苦手な子なんじゃないのかな? という感じがするんです。あとは結構単純なところかな。14話の時、天道が『もう来ない』って言った後にまた来て、『美味い』って言われてたことで、『アイツはカブトじゃない』って思い込んだシーンがありましたけど、そういう単純なところは似ているなと思いました(笑)。反対に、違う部分は……人見知りしないところですかね。私もちっちゃい頃は、そういう時期もあったんですけど、今は違いますし。あとは感情表現が苦手なところですかね。ひよりほどではないですけど(笑)。最初はひよりと全部似ていると思っていたんですけれども、やっぱり違うところも出てきたなっていう感じです。ひよりは重い過去を背負って生きていますけど、私にはそんな重い過去は無いですしね(笑)」
演じるキャラクターが描かれていくにつれ、その内面が見えるようになる。それは役柄と共に演者が成長している証だろう。次は、そんな成長中の里中さんの中で最も印象深いシーンを挙げてもらった。
「現時点だと、16話のゴンちゃんを助けるシーンですね。台本を最初に読ませてもらった時は、『何でひよりは、自分からこんなところに向かっているんだろう?』って思ったんですよ。基本的に自分から外に出て行かない子なので。でもある時、自分が人とコミュニケーションをとるのが苦手だということを忘れてしまうぐらいにゴンちゃんがひよりにとって大切だということに気づいたんです。それはひよりの愛なんだなって……そこは、もしかしたら皆には伝わらないことなのかもしれないんですけど。なので、ゴンちゃんを助けにいかなきゃというシーンは凄く印象に残ってますね。直接助けたわけではなく、もしかしたら付いていっただけなのかもしれないんですけど、能動的にひよりが動くということが凄く衝撃的だったんです。それまで、ひよりだったら黙ってついていくか、天道に連れて行かれるかだろうなって思っていたんですけれども、その時は自分から『僕も行く』って言っているので」

「そうですね。やっぱり『ひより的』いうことは常に考えています。台本を読んでいるうちに、『ここでひよりだったら、こういう風に言うかもしれないな』とか、『こういう風に動いたりするかも?』とイメージが膨らむこともあるので、そういう時は監督にちゃんとご相談します。台本を基に、一緒にキャラクターを作ってもらっている感じですね」
そんな大前提の「ひより的」な思考や行動パターンは、深く考えているうちにプライベートの時、出て来るようなことはないのだろうか?
「出てくる時もありますね。さすがに自分のことを呼ぶのに『僕』になったりはしませんけど(笑)。『ひよりだったらこういう風にするかな?』とか特に意味も無く考えたりして、一人で納得して楽しんだりしています」
ひよりの感情の引き出しは、日々そのように考えているうちに増えていく感じなのだろう。では、そうして増えた感情をいつか使ってみたいという思いは?
「やっぱり予期せぬ感情表現は、いつ必要になるか分からないじゃないですか。物語はまだまだ続くので……そういうのもちゃんと養っていこうと思いますね。もしかしたら思いっきり泣くかも知れないし、思いっきり怒るかもしれない。そういう変化がいつかは現れるんじゃないかっていう期待もありますね」

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