


ジャンにとって基本的なアクションの一つとなったヌンチャク。
この時はまだ鈴木さんも悪戦苦闘を強いられていたようです(2話)
虎に育てられたという歴代の中でも他に類を見ない難しいレッドを務めてた鈴木。最初の頃はやはり不安もあったと思いますが……?
「確かにありますが、オーディションを受ける前から戦隊への憧れは元々高かったんです。沢山のスーパー戦隊シリーズの中でも、自分がやるからには過去最高だと言われる作品に絶対にしてやるという気持ちがクランクインした瞬間から今までずっと胸の中にあります。
最初の頃のプレミア発表会が凄く記憶に残ってるんですが、子供達が沢山来てくれていたんですよね。バァッっと。まだゲキレンジャーは放送していないのに。ゲキレンジャーって呼んでくれるんです。あれが凄い驚きでした。本当に物凄く嬉しかったです。でも、そこが逆に不安だと感じていました。やっぱりボウケンジャー! って声も大きかったです。不安は大きかったですよ、この時。このプレミアが僕らの事を始めて見て、始めて知る瞬間じゃないですか。どんな風に思われて、どんな風に迎えられるのか。本当に応援してもらえるのか。そういうものはありました」
その不安は、きっとあの場にいた誰もが思われた事なのかもしれませんが、中央に立つレッドである鈴木さんだからこそ、大変なプレッシャーも感じたのだと思います。子供達にとって、やはりレッドはリーダーの象徴そのものなのですから、注目の視線も凄かったのではないのでしょう。
戦隊への憧れが元々高かったと語った鈴木さんですが、実際にレッドを務めて、今自分がスーパー戦隊であると自覚をされたのは一体いつ頃だったのでしょうか。
「ゴールデンウィークが終わって、劇場版の撮影に入った頃にはもちろんありました。僕がヒーローなんだって実感できたのは、実は初日のオンエアを見た時からなんです。自宅で見たんですが、テレビ画面に自分が出て、テロップに『ゲキレッド:鈴木裕樹』って出ているのを見た時、ああ、やっぱり凄いなって素直に感動しました。
じっくりコトコト。角煮に勝利の鍵があった8話。天真爛漫なジャンらしさが凄く出ていたお話でした。「僕がレッド、リーダーとして皆を引っ張って行くんだって意識は、実際にはクランクインよりもっと前からあった意識なんです。スーパー戦隊シリーズというのは、レッドが中心じゃないと駄目だって、感覚的にある訳じゃないですか。周囲の人達も自分もそう思う訳です。他とは明らかに違う。それがレッドだって。
周りの人達が本当に信頼できる人達ばかりですから安心できるんですけど、皆は僕がレッドだからこれはできるだろう的に敢えて手を出さない時があるんです。もちろん僕もそれを分かってるので頑張りました。これは特にプレッシャーとは感じませんでしたね。単純に『僕が僕が』という気持ちでやろうって思っていましたし、最初の頃は『僕が何とかしてやる!』って凄く気張っていました。臨獣拳側は荒木さんが引っ張って行ってくれると思っていましたから、僕と荒木さんがそれぞれでガンガン盛り上げていく。僕らが常に真ん中にあったと思うんです。でも、その内周りの皆にそれぞれ任せていったのはあります」
任せていった。それは一体どういう事なのか。お尋ねすると、『切磋琢磨です』と笑顔で返されました。
「僕はずっと皆に言っていたんです。もっと前に出て来いよ! もっと俺が私が主役だって胸張れよ! って。ぶつかり合った方が上達して上へ行けるじゃないですか。僕は上だ! ドンドン上へ進むんだって。切磋琢磨ですよね、つまり。皆に救われた部分というのは凄い沢山あります。僕の事を常に助けてくれたんです。現場の雰囲気が凄く明るくて柔らかいというのも救いでした。皆本当に良い人達なんですよ。だって僕の言う事を何でも受け入れてくれるんですよ? 本当に良い奴らです(笑)」
そこで鈴木さんは控えめに笑われたのですが、ジャンの満面の笑みととても良く似ていて、雰囲気こそ違いましたが、暖かい感じでした。
良い人達だと頼りにしていた仲間達と共に駆け抜けた一年間。その中間地点ともなった劇場版は海外ロケもあり、撮影の多忙さも極まっていたと思います。その主役ともなると、やはりプレッシャーも相当なものだったのでは……?
手漕ぎボートの果てにあった師弟愛。17話は体当たりなアクションの一つの形でした。「そうですね、あれだけ全国で公開された映画の主役ですから。スクリーンで自分の名前を見た時には感慨深いものもありました。
映画はスタッフさんも変わらないし、特に大きな変化も無かったですけど、色々な要素が組み合わさって大きなスペシャル感がありました。いつもとは少し違う気合の入り方がありましたし、ゲストの方との絡みもあり、テレビとは違う路線でやれました。
テレビは時間になって電源を入れれば見れますが、映画はお金を払おうというアクションを取って見に行く訳じゃないですか。だから本当に見たい人だけが見に来る。だから僕達は見終わった後に素直に『面白かった!』と言っていただけるように精一杯お芝居をして、見ていただいたお客さんに絶対に『ゲキレンジャー面白かった』って思わせる作品にしたつもりです」
そう語る鈴木さんの目にあったのは揺るがないプロ意識と芝居に向ける真剣さ。憧れだったスーパー戦隊シリーズの主役を務めるというプレッシャーは、劇場版の時の鈴木さんには、すでに無かったようです。お金を払って劇場まで足を運んだ方々にただ単純に面白かったという気持ちを抱いてもらえるように、まさに体当たりで挑んでいたのが伝わって来ました。
一つの勝負でもあった劇場版。舞台挨拶として全国を回りましたが、反応はどうしてたか?
「あの時の舞台挨拶が、プレミア以外だと初だったはずなんです、お客さんの前に実際に顔を見せるのが。プレミアは放送前でしたが、劇場版の時は当然もう放送していて、真っ只中。皆さんは僕らの事をちゃんと知っています。その状態で表に初めて出るというのは緊張もしました。でも、あれだけ沢山の方々がいらっしゃっていたのを見て、本当に凄い力になりましたね。
撮影をしている時には気付かないんですが、基本的には家と撮影所の往復だったりする訳じゃないですか。そのせいなのか、人から『凄い人気だね!』って言われても、子供達がわぁーって来ても、なかなか実感は無かったです。前にやったスカイシアターがまさにそれだったんですが、でも、『ゲキレンジャー頑張れ!』って、『ジャン負けるな!』って、そう応援してくれる子供達がいてくれる事が後押しになりましたし、力になりました。それは撮影の時のモチベーションに直結しましたね。この子達はテレビの前で言ってくれてるんじゃないかなって、そう思いました。なら、撮影はもっと頑張らないとっていう活力が湧いて来ましたよ、本当に」
活力とモチベーション。子供達の声援は、しっかりとヒーロー達の力になって彼らを後押ししているようですね。やっぱり子供達の応援に勝るものは無しですね。
そんな風に応援されて来たジャンという役ですが、彼を演ずる事で役者としての幅は広げられたのでしょうか?








