


2006年の冬頃から撮影は始められていた為、最終回を迎えていないこの時ですでにメレとは1年の付き合いになっていた平田さん。
これだけ長いスパンは普通のドラマではなかなかありませんが、この1年間はどうでしたか?
「素直に長かったと感じています。私はお芝居に関しては、自分が演ずる役柄にあまり肩入れをしないように勤めているんです。役を好きになるのも良いですし、役に関して考えるのもとても良い事なんですが、逆に好きになり過ぎてしまうと我侭になってしまうんです。周囲に愛されたいと思ってしまうんですね。
例えば嫌われる役だったら、これをすると周りから批判が来ると分かったらやりたくないじゃないですか。だからこそ割り切って、この役はこういう事をする役だって、そう考えて演じていたんです。メレちゃんに関しては最初から悪役だったので、そこは割り切ってやっていくつもりだったんですが、1年経って気付けばメレちゃんが大好きになってしまっていて(笑)。そのせいで、こういう事をやったら嫌われてしまうかもしれないと考えている自分が常にいるんです。そんな風に考えてしまうぐらいにメレという子は私の側にいました」
役を好きになる。役を愛する。だからこそもどかしさを覚えてしまう。1年間も演じ続けてきたのですから、そうした気持ちはやっぱり持ってしまうんですね。
お話を窺っていると平田さんの口から、側にいる、近くにいると、そうした言葉が良く出て来ました。
「メレという役柄を自分の中で作っていく作業をずっとしていたので、普段の平田裕香の方がメレになってしまったりしていました(笑)」
一心同体を通り越えて、メレに乗っ取られてしまったのかもしれませんね(笑)。
そうなると、メレを始めた頃と今とでは平田さんの中できっと何かが違うはず。役者として学ばれた事などに関してお聞きしました。
「まずは健康面で気を使いましたね。役者は身体が資本な上に1年というスパンなので、とにかくそこに注意を払いました。実は現場で人が結構倒れていくんですよ。一人が倒れると連鎖的にバタバタと。1年という長いクールでのドラマは他には大河ドラマぐらいでほとんどありませんからね、体調管理の大切さを学ばせていただきました! その分休日は大変だったんですけどね。そこで風邪を引いたりしてしまって。多分気が抜けてしまったんだと思います。早寝早起きができない時もありましたし」
いつも気を張っていると大変ですからね。ですが、満面の笑みで語られる平田さんには苦労の色なんて一切ありませんでした。
「メレちゃんは本当に凄く難しかったです。キャラクターとしてはとても分かりやすい子なんですが、絡む人によって態度を変えたり、その場その場によって感情を瞬時に切り替えなくちゃいけません。そこの整理をつけるのが大変でした。でも、今は台本の台詞を読むだけで、『あ、この人はこうで、あの人はそうだな』って、もうその場で分かってしまうようになりました! 長く付き合っているので、最初に読む時点で出来上がるようになりましたね。比較的シリアスなシーンも多いので、集中力を保っているのが大変でした!」
メレと言えば、理央の他にゲストを初めとする沢山のキャラクターとのかけあいがあり、確かに感情表現が一番豊かだったかもしれません。
その上、平田さんは初の体験となるアフレコまであったのですから、大変な上に難しかったはず。最初はやっぱり緊張されたのではないのでしょうか?
愛する理央の邪魔をする者は味方であっても決して容赦はしない。理央様の愛のために生き、理央様の愛のために戦うラブウォリアー(3話)
「緊張というよりも好奇心ばかりが先行していたんです。でも実際にやると大変でした(笑)。マイク越しの演技というのもあるんですが、まず口の動きに合わせなくちゃいけないというのが難しくて。その上に撮影の時のテンションを思い出さなくちゃいけないので、それがまず大変でした。口の動きに集中しながら演技するというのがとっても難しかったです。しかも場面によっては口が映らない時もあるんですよ。でも途中から映り出す時もあって。最初はアフレコだから台詞は覚えなくていいよ〜って言われていたんですが、そういうのはまず無かったですね(笑)。隅から隅までしっかりと覚えておかないと口パクに合わせられない事にもなるんです。本当に大変でした」
1度に違う事を2つやらなければいけないというのは心身ともに苦労があるはず。特に慣れていない初めの頃は大変だったでしょう。でも、最終回を間近に控えた今はそんな事は……?
「もう全然駄目です!(笑)。未だにアフレコが怖いです! あと4話くらいなんですけどね」
どうやら、残り4話も恐怖心と戦いながらになるようです(笑)。
今も慣れないアフレコ現場ですが、ゲキレンジャーには永井一郎さんや石田彰さんなど、豪華声優陣が参加されています。言わば声を吹き込むプロである彼らから演技指導はあったのでしょうか?
マントを脱ぎ捨て、初めてゲキレンジャーを拳を交えた4話。
五毒拳に座り、ヒーロー達を見下す姿は圧巻でした。「いえ、そういうのはありませんでしたが、だからこそ私達がそこから盗んでいくという実践形式でしたね。それで、私は特に石田彰さんと絡ませていただく機会が多くて。むしろ絡むのがほぼ私だけだったんです(笑)。現場だと私も含めて声優さんのファンが多くて、最初の頃は鈴木君も『わぁっ!』って言って興奮してたんですよ(笑)。世代的に新世紀エヴァンゲリオンだったので、石田彰さんとかは本当に興奮でしたね。そういう面でも楽しい経験をさせていただきました!
それから、その時のゲストと私はご一緒させていただく事が多かったですね。七拳聖と絡むのはやっぱりゲキレンジャーなんですが、私は三拳魔や四幻将の方々と楽しくお仕事をさせていただきました。もう凄い良い方々ばかりで! 海の拳魔ラゲク役の幸田直子さんには特にお世話になりました。私達臨獣拳側は叫ぶ事が多いのでよく喉を枯らしてしまうんですが、そういう時には劇中通りに『リオちゃん……』って言って、お持ちになってる喉スプレーを『お口開けて……』って、こうシュッとしてくれるんです(笑)。日々面白い経験をさせていただきましたね。そんな方々に日々支えられていました」
常に支えられていたと感慨深げに口にされる平田さん。ゲキレンジャーの撮影現場の空気がとても良くて暖かいというのは、他のキャストの方々も口を揃えておっしゃいます。
平田さんはそんな現場でどんな時に支えられていると感じたのでしょうか。
「色々というか……臨獣拳は比較的大人なんだと思うんです。現場で集中しなくちゃいけない時はお互いそっとしておく事ができるんですよ。というのも、役作りに入っているので、あまり仲良くすると撮りの時がちょっとやり難くなってしまうんです。でもテンションをあげなくちゃいけない時は普通に和気あいあいとやってますね(笑)。
何より一番良いのは、現場の空気が本当に良いので、変なところにまで気を回さなくてもいいんです。分かってくれている的な雰囲気があるので、『今は空気が悪い! ここは何とかしなくては!』と思う瞬間がほぼ無いんですよ。背中を任せるという感覚だったと思います。








