


この取材時には撮影も残り10話を切り、全体を振り返ったお話を伺いたい。ということで、まずは出演が決まった時のお気持ちから教えて頂きました。
「決まったと聞いた時は涙が出たんですよ。嬉しかったですね! ウワーンという感じではなくて、自然に出てきました。その後はマネージャーさんに抱きついたり、お母さんに電話したりとか。ひとしきり騒いだ後、家に帰って『これは1年間頑張らなくちゃ!』とちょっと気を引き締めてましたね。少し落ち着いたら、すごい不安な気持ちが出てきちゃった感じでした(笑)。『これからじゃない!』みたいな。1年間という長丁場ですから」
近年の戦隊は番組が終了した後も、ファイナルライブツアーなど様々なイベントがあるため、開始前の準備も含めると実質1年半の仕事となります。では、その長丁場の中で、自分とランちゃんが変わった、成長したと思うところはあるのでしょうか?
「ランちゃんという役を通して、自分が励まされる時がありますね。『ああ、もうダメ……』と思える時でも、『根性だ! 根性!』と思って、頑張れる時がありました。『ここでヘバったらダメだ! ランちゃんなら根性で乗り切るはずだ!!』と思って。昨日のイベントもたくさんのファンの方に来ていただいて、ありがたいことなんですが本当に終わりが見えなくて、『根性だ!』と思って最後まで楽しくやりきりましたね」
福井さんの1st写真集『ミナミテ』(ワニブックス)の発売記念イベントより。当日は実に多くの方が福井さんに会おうと来場されてました。
ちなみにイベントとは、インタビュー前日に行われたファースト写真集の発売記念イベントのこと。長時間に渡る握手会があったため、さすがに大変だったそうです。しかし、それも根性で乗り切るとは……。福井さんはランちゃんとかなり自然に近づいているようです。
「そうですね。でも、最初はできなかったんですよ、意識して近づけていくということが。普通だったら丁寧にやっていくと思うんですけど、お芝居に関して全く一からだったので、どうするのか全く分からなくて……。自分なりに考えてやってましたけど、『ここは、ランちゃんなら怒るところだろう』と思っても、監督に『そこは、そうじゃないでしょう』と言われてしまうと、もう分かんなくなってしまってたんです。そうなると、だんだん自信が無くなってきちゃって、『あれ? ここは怒るんじゃないの? 私の感覚がおかしいのかな……?』と思っちゃったり。やっぱり、最初の頃は自分の思っていることをなかなか言えないじゃないですか。多分、『ここ、怒ると思うんですけど、どうですか?』って普通に意見を言えばいいんですけど、それが言えなかった。もったいないですよね。まあ、今はそれも経験かなと思ってます」
5話での特訓中の一枚。雨の中、懸命に修行している姿がランちゃんの“根性娘”像を決定付けてくれました。(6話)
新たな環境だと、最初は言いにくいというのはありますよね。しかし、そこまで悶々されていたとは意外です。たまには想いが爆発しちゃった時もあるのでは?
「ありましたよ。悔しくて家で泣いちゃった時も。でも、言ってくれる人がいるからやっていけるんです。逆に自分が出来ないことが悔しい。納得のいくことだったら余計にですよ。例えば、私も怒るところだと分かっているのに、怒っているように見えないと言われた時は、『何で出来ないの?』って自分に言っちゃいますね。『気持ちは理解しているのに、何で表現できないの?』ってなっちゃいます」
かなり生真面目な福井さん。でも、それを続けていてはさすがに疲れてしまいます。そうなった時は、ストレス解消をどのようにされているのでしょうか?
「走る、ですね。普通のランニングです。音楽を聴きながら走ります」
走る!? ストレス解消法もかなりランちゃんに近いんですね。
『ランちゃんっぽいですよね。不器用だなと思います。あと最近、役をやっているうちに、『あっ、そうなんだ』という感じで、自分の知らない自分がいることに気がついたんです。それで、自分はランちゃんとは違うなと思いました。ただ、上手く説明できないんですよ。ハッキリと違うんですけど……まだ、それは探してる最中ですかね。似ているところもあると思うんですけど、本質的には違うと思います』
フライフィッシング修行で力を抜くことを覚え、以降はリラックスした表情が出る頻度も増えました。(11話)
そういったものって、ゲキレンジャーを終えて、一歩引いた目線で見れるようになった頃、「あっ! ここが似てたんだ」って気づくものなのかもしれませんね。では逆に、ゲキレンジャーをやっていて見つかった自分はどんなものですか?
「単純に言うと、“楽しめる”ようになりましたね。“頑張る”じゃなくて“楽しむ”ことですね」
キャラクターの成長とともに、余裕が出てきたのかもしれないですね。その中でも、福井さんが特に楽しめたり印象に残ってるシーンやお話は?
「スケバンが一番残ってますね。相当インパクトがあったので(笑)。ロングスカートにメイクが濃くて、巻き髪みたいな。で、(伊藤)かずえさんにDVDを借りていたので(笑)、そういう感じということはなんとなく分かりましたね。とても面白かったです。でも、何かもったいない気がしてしまって。スケバンの回は特にもっともっと何か出来たんじゃないかって思うので。でも、今の私にはこれしかできなかったということなんですよね」
“ランママ”として、赤ん坊になったレツを抱くランちゃん。この回は巨大戦まで孤軍奮闘の大活躍!(15話)そうやって振り返り、日々是精進で良くしていきたいという感じも、すごくランちゃんっぽいですよね。振り返るといえば、今、最初の演技を見たりすると、『こうすればよかったのに!』と思うこともあるのでは?
「ありますね。ちょっとした間だったりとか。ホント、ちょっとしたことなんですけど、勿体無いなあと思います」
最終回では、そうして積み重ねたものが全部出ると思います。お芝居は不安が多かったようですが、アクション面はいかがでしたか?
「私は、正直言うとあまり不安は無かったです。アクションよりも現場の方が不安でしたね。もともと日本拳法をやっていましたから、戦うのは好きなんですよ。日本拳法は防具をつけて本当に叩き合うんです。蹴りも全部入れるし。蹴りが相手に入ると気持ちいいですよ(笑)。でも、最近気づいたんですけど、お芝居のアクションは“魅せる”ものなんですよね。なので、立ち回りだったり、アクションの順序だったり。戦隊ならカット数もたくさんありますし、そういうところが違うなと思いました」
ということは、オーディション後に行われるアクション練習もすんなり受け入れられたみたいですね。
「その練習はお客さんに生で見せるわけじゃないし、撮影されているわけでも無いので、すごく楽しかったです。筋肉痛にもなりましたけど、苦じゃなかったし。映像で見ている時、見ている人の夢を壊さないというか、子供たちが『カッコいい!』と思えるように見せなくちゃと思うんですけど、やっぱそれが出来ていないと思いましたね。自分で、『上手く出来たかな?』と思えても、映像を見るまでは安心できないです。特に心配していないところでギョッとしたこともありますから。自分の感覚と客観的な感覚を持っていないと難しいですね」

お見合い時の着物姿。こんなに綺麗な格好なのに、お見合い相手に嫌われようと色々すごいことをやりました。(37話)

ウェディングドレスを着たことも。しっかりもののランちゃんは、きっと良妻賢母になるでしょうね。(37話)








