



まずは、このインタビューコーナーの第1回の時にも出た、オーディションのことから。その時は深くお聞きできなかったので、改めてオーディション前後のお話を教えて頂きました。
「僕は最初のオーディションの時から、ゲキレンジャーに対する気持ちが強くて、絶対にこの仕事を取るという気持ちでいっぱいでした。ゲキレンジャーの前にも別のオーディションを受けたんですが、そちらはダメになってしまって。悔しくて……本当に挫折したみたいに落ち込んでしまったんですよ。でも、マネージャーさんがそこで、『ゲキレンジャーのオーディションは最終まで残っている』と教えてくれて。『その悔しさをゲキレンジャーの方にぶつけろ!』と言ってくれたんです。僕はまさか最終まで行けるとは思っていなかったんです。それで、悔しさを胸に秘め最終オーディションに臨んだです。なので、受かったと聞いた時は、素直に嬉しくて嬉しくてたまらなかったです。同時に、責任感や実感が強く湧いてきました。その反面、『今の自分ではヒーローにはなれない』とも感じたんです。『もっと強い男にならなくちゃ……もっと色々なことを高めなくては!』と思いました。そんな“嬉しさ”と“やる気”に満ち溢れてきましたね」
絶望の後に訪れたチャンス……実にドラマチックですが、高木さんは責任の重さを自覚し、謙虚に自分と向き合ったからこそ、今のレツが生まれたようです。
その後、自分の役がブルーと聞かされた時は、そのようなお気持になったのでしょうか?
「まず、ブルーに決まったと聞いた時に思ったのが、僕の勝手なイメージですけど、やはり“クール”なんだろうなと。そうして台本を読んでみると、やはりジャンと対立する役どころだったので、結構予想通りではありましたね。そこで、自分でレツという人間像を考えて紙に書き出したんです。あくまで僕の勝手な想像ではあるんですけれど。実は努力家だったりだとか、すごい風邪を引きやすいとか、女にはモテるけど彼女はいないとか(笑)。そんな事を書き出していって、勝手に役柄を作り上げていったところはありますね。もちろん、基本的にクールというレツのイメージは大切にしようと思いました」
↑獣拳の美しさに魅せられたレツは、自らの体を筆とし、技を描く生き方を選びました。(6話)
↑平和な時には絵を描くことも。レツにとってはストレス解消法でもあります。(6話)
高木さんの考えた設定は、どれも納得させられるものがあります。最初からキャラとのシンクロ度合いが高かったからこそ、違和感を感じさせないのでしょうか?
次は、ご自身から見てレツと、自分がどんな成長を遂げたのかを訊いてみました。
「レツとしては、第1話で初めて敵と戦う戦士だったので、その時と今とでは結構違いを見せられているのではないかなと思います。戦い方一つにしても、始めはリンシーに対して怖いという意識を持っていたのに、今では生身で倒せるようになってますからね。仲間を大切に思う心や、他人を認めることも身に付けたし。とにかく人を大切にする、仲間を大切にする人間になれたと思います。高木万平としては、まず“意識”が変わりました。人に見られるということに対して、立ち回りなどの演技面はもちろん、自分の体調や日常の些細な言動にいたるまで、全てを(役者・俳優として)意識を強く持つようになりました。そうすることで、これまでには気付けなかった小さな事にも気付けるようになりましたし、人との付き合いの大切さとか、そういう基本的なことの重要さについて改めて知ることができました。う〜ん、一言で何が変わったかを説明するのは難しいですけど。本当にいろんなことが変わったので。あえて言うなら、より“人間的”になりました(笑)」
どちらもかけがいの無い成長を遂げられたようです。高木さんの役者として、そして人間としての成長がレツとダブって見えます。
「ええ。多分、ゲキレンジャーのメンバーは、みんなそうだと思いますよ。実は、別の仕事で同じ事務所のメンバーと取材を受けたときに、僕だけ凄くテキパキ動いていたらしいんです。スタッフの指示にもすぐ対応したりして。『万平くんは早いね』って言われたり。でも、ゲキレンジャーの現場ではそれが当たり前なんです。だから、そういう自分ではあまり気付かないところも成長しているじゃないかと思います。当たり前のことなんですけどね」
逆を言えば、気がついたらそれだけ成長をしていたということなのでしょう。その成長は、作品の初めと今ではずいぶん顔が凛々しくなったことからも伺えます。
「それはゲキレンジャーを見ている人からすごく言われますね。『1話と今とで全然顔が違うね』ってとか、『1話ひどいもんね』って(笑)。『うるさいっ!』とか反論しますが、改めて見てみると自分でもそう思います。顔つきはすごく変わったと思います。でも、『あて先はこちら。ご応募待ってます!』みたいなプレゼント告知とかの30秒くらいのコメントは、めっちゃ苦手なんですよね(笑)。芝居なら大丈夫なんですけど……。台本は結構すぐに覚えられるんですけど、『万平だけはいつも硬い』って言われちゃうんですよね」
確かにそういうのって、キャラでやってるのか、自分がやっているのか境界線が分かりづらくなってしまう気がします……。
「そうなんですよ。キャラとしてだったらふざけたりとか、それこそラーメンを噴出すとかもできるんですけど。それを高木万平としてやれと言われると硬くなってしまって。慣れることができないんですよね。むしろ、そういうのはランちゃんが得意なんですよ。しかも、俺の前にコメントを言うのって、大体いつもランちゃんなんです。だから、実は凄くやりにくいんです(笑)。しかも、大体ジャンがいつも『ブルーがいいオチつけますから』って勝手にハードル上げるんですよ(笑)」

↑画家スタイルのレツ。こうしたフォーマルな服装が似合うのも彼ならでは。(6話)

↑ランのお見合いを妨害した時のスーツ姿。伊達メガネがインテリな雰囲気を出しています。(37話)








