


東映作品では、サスペンス物などでの出演が多いという遠山さん。でも、東映ヒーロー作品には今までお呼びがかからなかったということで、今回の出演は、ご本人にとっては、念願のオファーだったのだそうです。名バイプレイヤーとして、数々の作品に登場している遠山さんがイメージしたピエール像とは……果たして如何なるキャラクターだったのか……。
「このピエール藤代という役を、テンションの高いキャラクターとして演じたっていうのは……そうですね、テンションを低く押さえて成立させるという“技”が“腕”があれば、そうしたかったんですけど(笑)、台本を読んだ時に、これは高くせざるをえないなと思ったわけです。高くするの嫌いじゃないですし(笑)」
もう少し緩急をつけて、テンションを押さえたキャラクターというのも面白いかも? という意識が、常に遠山さんの頭の隅にはあったそうですが、結果としてオンエアされた役のテンションを大事にして演じられたということでした。
「もちろん、監督さん(竹本昇監督)からも、テンション高いキャラで大げさにという指示があったというのもありましたけど。でも、ちょっとやり過ぎちゃって、それは止めてくださいとか、勘弁してくださいっていうダメ出しが現場では多かったですね(笑)。こうしてくださいっていう以前の問題で、止めてくださいっていう感じでした(笑)。監督が自由に泳がせてくれたんですよね。だから逆に、こんなの絶対使ってもらえないだろうな……というテンションのお芝居も、敢えて演じてみることができたんですよ」
監督から的確な指示を出していただけるので、楽しんで演じることができたのだそうです。ラストシーンのスクラッチ社内でのレツとのシーン。トレビア〜ン!と入ってきてレツに抱きついた後は、遠山さんとレツ役・高木くんのアドリブなのですが(ページ下・右の写真参照)、ここはいきなりアフレコ時にふられた部分。「監督がちゃんと差し込みの原稿を書いてくれないと……」と、言っていた遠山さんですが、ここのアドリブは一発でOKが! というか、監督以下ブースにいたアフレコスタッフは大爆笑!! 絶妙の間とタイミング、そしてセリフと、その“腕”をまざまざと一同は見せつけられたのでした。ある種特別なカラー(特撮)を持った番組であるゲキレンジャーということで、今までにはあまり経験のない作品だったのでは? と訪ねてみると……。
「でも、僕こういう作品すっごく好きなんですよ! テレビに出始めた頃とか、30代の前半の頃とかには、結構こういう突拍子もない役って結構あったんですよね。ちょっと楽しく、デフォルメした役っていうのは。僕自身もそういう役は好きでしたし」
作品は俳優だけのものじゃなく、監督をはじめ様々なスタッフたち全体のもので、そういうみんなで作り上げるものに併せて、自分は色んな引き出しの中から的確な芝居をしなくちゃいけない……というのが、遠山さんの持論。その中でもピエールみたいな役は愛着があるとのお答え。
「今回は本当に、台本を読んだときから嬉しかったですしね! 久々にこういうのをやれる! っていうので。ちょっとコテコテ過ぎたかな? っていう反省はあるんですけど(笑)。でも、衣装あわせの段階ですでにコテコテでしたからね、用意されていた衣装が。台本のイメージでは“ピエール”だし、『おそ松くん』(赤塚不二夫氏の名作ギャグマンガ)のイヤミみたいな感じかなとイメージしていたんですが……監督もイヤミみたいなっておっしゃってましたし。そんな中、僕が想像する以上にピエールにぴったりの衣装や小道具が用意されてましたね。“うわっステキッ!!”って感じでした(笑)。だから僕が作るとかじゃなくて“これはもう、出来てんじゃん!”っていう感じでしたよ」
衣装あわせの段階で、ピエール像は出来上がっていたのです。お話しに出てきた「イヤミ」。おフランス風のテンション高いキャラといえば遠山さんの年代では、やはり出っ歯のイヤミなのだ(シェー!)。インタビューをしている私も同年代。故にやはり私も台本を読んだときには真っ先にイヤミ像が浮かびました。もうこれは、私たちの年代ではしょうがないことなのです(笑)。そんなジェネレーションにギャップが生まれた瞬間が、撮影現場にあったそうで……
「どうみても、ピエールはおフランスでしょ? トレビア〜ンとか言うし。でも、レツ役の高木くん。彼にはフランス人の友だちがいるみたいなんですよ。それを聞いたのが撮影3日目くらいで、だから“ええっ、じゃあフランス人のこととか詳しいんだ、もっと色々教えてくれればいいのに”って言ったら“えっ? 何でですか、何でフランスなんですか?”って……。高木くんはピエールをフランス人風キャラだと思ってなかったんですよ(一同爆笑)。“俺、フランス人っぽいキャラに見えない?”って聞いたら“……はい”って感じで。“そ、そうだよね。俺もフランス人風には作ってないよ……”なんて急に言い換えたりして。でもそれは、高木くんがどうこうじゃなくて、自分がそれとイメージして演じたものが、まったく人に伝わっていないということに愕然としたんですよ(笑)」
なるほど。そういった意味でいえば、お父さん世代にはイヤミ的キャラで捉えられても、子どもたちにはそうは映らないわけですよ……。まぁ「フランス風=イヤミ」っていうのも、フランスの方たちとってみれば失礼な話でしょうけどね(イヤミ自身は日本人だし)。
「言葉の語尾に“ザンス、ザマス”だけは付けないように気をつけてたんですよ、それだとあまりに“イヤミ”すぎるから。でも、オンエア観たら言ってたりして(笑)。自然に使ってしまっていたらスミマセン(笑)」
そんなジェネレーションギャップを感じつつも作り上げたキャラクター・ピエール藤代。その役には今回並々ならぬ愛情を、遠山さんは感じているのです。
「今回6話でしょ。今度は26話くらいに再登場って勝手に決めてるんですけど(笑)、その時は衣装は同じで、今回とはまた違ったピエール藤代を、ぜひお見せしたいなって僕の中では勝手に決めてるんです」
やるつもり……ではなくて、やると決めているのだそうです(笑)。「20話分経過してピエールに起こった出来事や心理状態は、自分で埋めてきます!」と、力強い宣言が飛び出し、「26話くらいの撮影をしてるときは、撮影所内をウロウロしてると思うので、声をかけてください」と語る遠山さん。今回の撮影は3〜4日で終わってしまったので、淋しかったのだとか。それほど今回のピエール役は楽しかったのだそうです。「プロデューサーによろしくお伝えください」と、ものすごい熱烈ラブコールを受けましたので、ここに記しておきます。ご検討を!。 さて、高木くんの話が出てきましたが、主役の3人の印象を伺ってみると……。
「みんな格好いいですよね。……戦隊ものっていうと僕らの年代でいえば『ゴレンジャー』ですよね? まさに一番最初の作品世代なんですよね。もう小学校の高学年だったから、シャカリキになっては観てなかったんですけど。どっちかって言うと“モモレンジャーって良い感じだな……”って、そういう見方をしていた年頃でしたね(笑)。アカレンジャーよりモモレンジャー(笑)。でも、そういったことも含めて“憧れ”ってあるじゃないですか? ですから主役の3人と初めて会うときにはドキドキしましたよ。高校球児がいつまで経っても年上に見えるように、ヒーローってお兄さんやお姉さんに見えるんですよ。だから、ジャン役の鈴木くんと初めてメイク室であったときに、衣装もすでに着てらっしゃったので“ああ、レッドだぁ……”って思って。年齢もダブルスコアくらい違うだろうに“おはようございます、ピエール藤代をやらせていただきます”ってお辞儀したり(笑)。そういう気持になりましたね」
その気持ちもよく解ります。何度インタビューしていても、そういった意味では遠山さんと同じ気持ちで、皆さん年下なのに毎回緊張しますから(笑)。
「すると彼も“あっレッドをやらせていただきます、鈴木です!”って返してくれたんですけど、“ああっ止めて”と。“レッドはそんなに腰低くしないで、頭なんか下げないでもっとヒーローで居てよ!”って思いましたよ(笑)。もちろん礼儀正しいということは大事なことなんですけど。それくらい気持は高ぶりましたね(笑)。まぁ鈴木くんに限らず、高木くんにしても、福井さんにしても、目の前にすると子どもの頃の気持が甦りますよね」










