
思い出してみると、確かにエンディングでは片手だけで岩肌を登ってます。安全策は施されていると分かっていても、やっぱり危険な撮影には違いありません。
次は、チーフのセリフのなかで特に高橋さんが好きなセリフを挙げてもらいました。
「回を重ねるごとにいろいろ出てきますね。『冒険は命令されてやることじゃない』とか。それって色々なことに繋がると思うんですよ。自分は役者になろうと思ったことも冒険でしたし、そういう自分の道って人に言われて決めるものじゃないですし。人に意見聞いて参考にするのもいいんだけど、最終的に決めるのは自分じゃないですか。そういうメッセージを自分なりにこめてセリフを言ったつもりではありました。
あとは、単純に物語の関係上よくリュウオーンと絡んでいたんですけど、29話で五十嵐博士に「お前はそんなに力が欲しいのか」と言われて、「欲しいのは……あなたを守る力……仲間を救える力……それがオレの探す、プレシャスだ!」と言い放つところ。もちろんリュウオーンは敵なんですけど、リュウオーンに対して『仲間を救える力』というのに意味がありますよね。リュウオーンは仲間に裏切られているし、もともと人間だったというのもあって、どこかで意識してる部分があると思うので。『どうにかしてお前も救ってやりたい気持ちはあるんだよ』という思いがあったり。あそこの一連のセリフは結構自分の中で好きですね。あと、『総員出動!』も。最初は難しかったですね。あれはすごい印象に残ってます」
セリフといえば、最近は「ちょっとした冒険だな」って言わなくなりましたね。
「劇場版で父親の口癖が移ったということが分かりましたね。でも、『ちょっとしたボウケンだな』っていうのは『冒険は命令されてするもんじゃない』っていうのにもかかってきたますよね。常に、ドキドキ、ワクワクする気持ちはあった方が生活の中や生きていく上で楽しいじゃないですか」
そう考えていくと、高橋さんが『ラストサムライ』を見て、この世界に入ろうとしたのも、スゴイ冒険ですよね。
「確かに。菜月が映士にかけるセリフで『冒険はできないと思うことに挑戦すること』って言ったりしてますよね。そういう意味では、自分役者になろう選択したのも冒険ですね、自分の中では。できないとは思いたくないし、でも大丈夫なんだろうかっていう不安もあったけど、でもいざやってみたら今の位置にいれたりする。すごいなと。自分がすごいなというより、こういう状況になっていることがすごいと言いますか。当時の自分の考えを遙かに凌駕してるような勢いで来ちゃったので。
イベントに行った時は「やっぱり、「あー、ボウケンジャーだ!」って反応をされますし。それはどこへ行っても同じ。視聴者から見たらやっぱりヒーローなんだなって。北海道行ってもボウケンジャーのジャケット着ている子がいますし、今住んでいるところの近所を歩いてても、ジャケット着てる子がいました。『やばい』とか思いながら(笑)。この1年で、日本全国の見ている人達を意識していましたね」
イベントや取材、日常生活を送っていく中で、ボウケンジャーの知名度、そしてヒーローを演じることの重大さを感じたという高橋さん。そうした1年を経て、高橋さんの中では明石暁というキャラクターの認識やキャラクター性が変わってきたのところもあったようです。
「だんだん色んな明石暁が出てきたなというのはあるんですよ。台本を見てて『この台本は、ガッチガチの明石暁でやったら結構おかしいだろうな』とか。そのバランス調整ですごい悩んでみたり。劇場版辺りから暁の面白いところが出てきましたね。ただ威厳があるだけじゃなくて、どこか抜けていたり面白かったり。そういうところが自分は好きです。そこはいいように変わったかなと」
面白いところといえば、チーフはだんだんコメディタッチの回が増えていったのが印象的でした。特に27話(風水占いの罠)は周囲の反響も大きかったご様子。
「あの回はみなさん好きって言ってくれるんですけど。何でですかね?(笑) あの回はやってる本人は無茶苦茶になり過ぎてました。公園で撮っていた時なんですが、手を洗ってたら後ろに全身ボウケンレッドのジャケットを着たチビっ子がいて、『あ、ヤバい。バレるかな!?』って思ったんですけど、ボロボロ過ぎて全然バレなかった(笑)。そういうのを見てて、『あ、今全然チーフじゃないんだろうな』とか思って。あの回は撮影してて面白かったですね。あれ以降、ドンドンおかしくなってきますし」
チーフって、基本的にキャラクターがぶれにくい故に、コメディタッチの話では周囲の人物や状況にキャラクターを壊されていく感じですよね。
「そうそう、他から来るんですよ。チーフ本人は壊れたくないみたいなこと思ってるんですけど、外から要因がドンドン来る(笑)。32話(ボウケン学校の秘密)でもそうですけど、明石本人は真面目にやってるつもりなんです。誰かがあの服を着せたんですかね?(笑) まあ、いじれば一番面白いとキャラクターだと思うので、しょうがないと思います」
次はメンバーの印象や、普段のやりとりを教えてもらいました。
「人のことを言うのってちょっと恥ずかしいですけど(笑)。シルバーの出合くんはムードメーカーかな。彼が入ってきてくれたおかげで、チームの雰囲気が明るくなりましたね。彼自身は芝居に対して真面目なので。それが画面にも出ていると思うし、どっかしら引っ張られる部分があります。彼は高丘映士と似ているところがあって、結構寂しがり屋だったりするんです。常に誰かしらに絡んでるっていうイメージがあります。
ブルーの三上くんは、自分の中で一番気を許せるというか、話しやすいメンバーですね。多分人を気遣うのが上手いんでしょうね。普段はおっちょこちょいで、結構笑いの神が降りてきたりと、ハプニング王なんです。そういうので人を和ませてくれてます。爽やかなところは、あのまんまだし。決定的に違うところは、女の子に対してあんなに軽くないところですかね。
ピンクは、チーフ以上にまとめてる感じがします。話の中ではチーフが一人でバーッと行っちゃうので、サブチーフがその気持ちを理解しつつ、皆をまとめ上げてくれるので、バランスが取れているなと。リアルだとチーフは意外と頼りないので(笑)。遥ちゃんに結構迷惑がかかってるんですけど、すごい皆のことに気遣ってくれていると思います。チーフ含め。それで皆助かってる部分が大きい。皆のお姉さんですね。
イエローは、しっかり話すときもあるんだけど、基本的にそのままです。最初から最後までいい意味で変わりませんでしたね。菜月は菜月だよみたいな。やっぱり他のメンバーが持っていない雰囲気を持っているんですよね。あと寂しがりやで、結構甘えんぼさんです。
ブラックは明石暁に噛み付いていくところから入って。で、どんどん作品が進むにつれてメンバーに馴染みましたね。演じる齋藤くんも、色々考えるタイプだと思います。役柄と一番一体化しているみたいで、結構一人でいようとすることが多いですね。彼の世界があるんだろうなと」
そういった個性豊かなメンバーと最初に会った時、何か思うところや、手ごたえはあったのでしょうか?
「やるしかないって思いましたね、何があっても。ケンカがあればケンカしてもいいし。だから初めはそういう心配は全然してなかったです。『もうやるんだから!』みたいな。不安を持って入ってもしょうがないので、そこは何も考えなくて始めましたね」
なんとも潔いですね。このあたりは、「さすがスポーツマン!」という気がします。確かに、始まってしまったらやるしかないわけで、劇中同様、信頼やコンビネーションは徐々に培ってきたとのこと。次は、この明石暁という役をやり始めてから、周囲の反応があったのかを伺ってみました。
「前から自分のことを知っている人には、最初『おかしい、お前そんなんじゃないよ』とか『気持ち悪い』とか言われましたけど(笑)。時間が経つにつれて『見慣れてきた』とか、『お前、たまにそういうところあるよね』とか言ってもらえるようになりましたね。どっかでやっぱ似ている部分があるらしいんですよ。そういう風に高橋光臣と明石暁を見比べて『ここが似てるね』とか言われるところは出てきましたね」
実際にお会いしてみると、『まさしくチーフ!』という感じの高橋さん。ちなみに本人的には、どこが暁と似ていると思っているのでしょうか?
「A型のくせに、結構に一人で何も考えずに物事を始めちゃうことがあるんです。明石みたいに何も言わずに勝手にピッとやっちゃうといいますか。そこが似てたりとか。あと、怒っているのをガマンしている時、ガマンしているのが見えるところですかね」






