

「大高さんにとっても、ガジャはこれまでに無い役柄ですよね?」
と尋ねると、ソファの手前に座り直し身を乗り出すようにして、話始めた。

「そうなんですよ。お話を頂いた時に、既にガジャの絵コンテがあったんですよ、正にあのままの扮装で。顔に白い線が入っていて目の色が人間の目の色をしていなかったので、これを取り込むにあたって今までのアプローチとは全然違うだろうな、というのはまず思うじゃないですか。人間じゃないし、っていう所から始まった訳ですよ。だから、その絵コンテを見た瞬間に、声を変えてカラーコンタクトを入れよう、っていうのはまず思ったんです、そこから始めようと。でも、コンタクトすら入れたことがなかったんですよ。47歳にして初めてコンタクトを入れたんです(笑)。コンタクトを通してとは言え、自分の眼球を手で触るって感覚はかなりカルチャーショックでしたよ(笑)」
と、喋る声はもちろんガジャではなく、自分の声。もちろん擦れてもいない。ガジャではカラーコンタクトだったと言うが、目に負担はなかったのだろうか?
「撮影中にコンタクトが眼球の裏に回って、洗眼液でやっと取れたことが2度ほどありましたね」
と軽く言う。コンタクトレンズ初体験者では、結構ヘビーな出来事だと思うのだが…。さて、今回のこのガジャ役、あの出で立ちだけに引き受けるには抵抗は無かったのだろうか?
「ううん」
と、目を大きくして即否定。
「諸手を挙げて。やりたくてやりたくてウズウズしてましたよ。だってやるからには悪役のほうが楽しいじゃないですか」
と、嬉しい言葉。斉木しげるさんも悪役は楽しいと言っていたが、体力がないのであのコスチュームのガジャは無理だと言っていた。やはり体力は必要だったのだろうか?
「そんなに立ち回りがあった訳じゃないし、最後のほうにちょっとあったんですけど、体力はそんなに要求されませんでした。だけど、撮影が結構厳寒地から始まったので、その寒さとの戦いでしたね(笑)。寒いときに始まって寒いときに終わった感じ。やっぱり、出ている部分が、特に右手がとっても寒いんです(笑)」
さらにコスチュームの重さについて尋ねると、
「皆さんおっしゃいますけど、そんなに重くはないですね。頭はね、割と軽いんですけど動いちゃうんです。ちょっとでもアクションすると、こうなっちゃう(傾く)ので気を付けましたね」
そして気になるあの声、あの喋り方が生まれた経緯を伺った。
「あの声は、家で小学2年の息子達相手にどんな声がいいか色々試して、『こんな声で行こうと思うんだけど』って何パターンかやって『それが、いい』って言われてあの声に落ち着いたんですよ」

生みの親はなんと息子さんだった。今は戦隊は卒業しているというその息子さんも、以前は『忍風戦隊ハリケンジャー』にハマっていたと言うことで、大高さんに取っても最近の戦隊シリーズは身近なものだった。
「やっぱり子供達は必ず通る道じゃないですか。元々僕は8年前に日笠(淳)プロデューサーの『テツワン探偵 ロボタック』で初めて呼んで頂いて、それで今回のお話でまた呼んで頂いたんですよ。その『ロボタック』をやっている時に息子が生まれたんです。息子的には『爆竜戦隊アバレンジャー』は卒業し始めている頃で、『ハリケンジャー』が一番ビンゴでしたね。後楽園ゆうえんちに女房とふたりで見に行ってましたね」








