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「実は私、ちょうど母親役というものをやってみたいと思っていたんです。ですから、もうその役というだけですごくやらせていただきたい! と思いました。まあ、後々に“実は妖怪です”とか“実は白髪です”とか色々あったんですけど(笑)。ちょうど私の中で、ようやくそういう役が出来るようになってきたんだということに、すごい喜びを感じていた時期だったんです。、それに“いい役なんですよ”ってプロデューサーさんに教えていただいて、是非やりたいです! と言ってお受けしました」 なるほど、年齢的にも、もうそういった落ち着いた役を演じてみたいという時期だったということですね。でも、あの“みく”がお母さん役とは……。 「自分の中では何というか、10代から20代前半では、やっぱりそういう役をやるには葛藤みたいなものがありましたね。これまでは元気な役とか、おっちょこちょいな役とかが本当にすごく多かったんです。はねっかえりの役とか。でも、自分の中ではそういう役じゃない方が得意というか、今までとは違う役をやってみたい……と思っていたんですね。だから、今回の母親役っていう<像>が私の中ではすごく魅力的だったんですよ。まだプライベートでは母親の経験はないんですけどね(笑)」 子どもがいる母親役というオファーがきた時に、一体どんな事を考えて出演を決意されたのか、ぜひそこを伺いたいと思っていましたが、待ち望んでいた役だったとはちょっと驚きでした。では、その念願のお母さん役を演じてみた、その感想などを聞いてみると……。 「アフレコルームで撮影した絵を見ると、やはり顔が童顔なので“あ〜、母親に見えるかな?”ってちょっと心配な部分はあるんですが……でも、まぁ気持ち的には大丈夫ということで。ちょうどプライベートでは、私の周りの友人たちがお母さんになっているんです。その顔を見ていると、ホントに変わっちゃうというか、優しさとか幸せな感じが出ていて“すごくいいなぁ”って思うんですね。だから今回の脚本を読ませていただいた時に、ケイの映士に対する想い、会いたくて会いたくて、心配だし側に居たいのに居てあげられない……ごめんねっていう気持ちがいっぱい詰まっていて、それはもう共感というか、すごく分かる! って思ったんです。それは母親じゃなくても家族愛とか、周りの友だちとか、自分の育ってきた環境などからも得られる感情ですから、私の中ではとても違和感が無かったですね。あまり悲しみの感情ばかりいっぱい出してしまうと、みなさんに引かれちゃうでしょうけど」 ワンシーンのみ出演のケイですが、その中でもいろいろ考える事があったそうで、彼女自身の人生観についても語って下さいました。 「今回の役などで、自分の息子の苦難などを思うと感じることなんですけど、子どもを作れないというか“子どもが欲しいわ”ってあまり簡単に言えないのって、その人の人生を作っちゃうから怖いって、思うからなんです。親になった友だちに聞くと、何かそういうのは親のエゴで“この子はこの子の人生で、自分は自分の人生があるから”という風に考えていると教えてもらうんですけど、でも私はどうしても、何というかまだ最後まで責任が持てないというか、殺伐としている世の中だったりとか、そういった恐怖心などがあるんですよ。だから今回なんて、ほんとに自分の血のせいで息子が……ねぇ(笑)」 |
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母親役を演じてみたいけれど、本当の母親になるにはまだ心の準備ができていないと語る東山さん。でも、だからこそ役に込められた気持もあったようです。 「側に居られなくて、苦労かけてごめんね。さらに言えば、産んでごめんねみたいな所まで考えてしまうと、もう悲しくなっちゃいましたね。夫(漢人)はそれでも信じてくれているっていうこともあるし。良い話だなぁって思いましたね。本当に悲しみばかりじゃなくて、優しさとか笑顔もいっぱい出したかったんですけど、ほとんど悲しくなっちゃって(笑)。撮影現場で鏡の前に立っていると、ごめんねとか、いっぱい会いたいのに会えないとか、そういうことを沢山考えちゃったんですよ。だから悲しい表情が多くなってしまったかもしれませんね。竹本(昇)監督ともいろいろお話しをしたんですけど、そういった愛情をいっぱい込めました」 シーンの長い短いじゃなくて、その中に込められているものが溢れていれば良いな、という事でした。「良い役を頂いて、本当に嬉しかったです。こういう役ができたらいいなってずっと思っていたので」と東山さん。でも「お母さん役が何で私なんだろう?」という考えは、最初に話があった時に思ったりはしなかったのでしょうか? 「無かったですね。さっきもお話ししたように、やっと来た来た!っていう感じでしたから。何だかほめられている気がしたんです。“そういう風に見えるよ”って言われているということだと思うので。自分の中の積み重ねが、ちゃんとそういう風にも見えるという事が、ちょっとすごいなって。たぶん選んでいただく時には、過去の経歴だったり写真だったりすると思うのですが。でも母親役ができるというのは、そういう内面的なものを出すために、やっぱり中身が空っぽじゃできないじゃないですか。だから“お母さん役をお願いします”って言われることは、すごくありがたいんですよ。……なんて言ってますけど、一番最初の衣装合わせの時に、我が子の映士を見ると“うわっ!”と思いました。出合さんからも“妹みたいですよね”って。“うん、そう思う”って返しました(笑)。“もし母親に見えなかったらごめんね”って言いながら。さっきのアフレコの時にも、何か“ちょっと若かったね〜”なんていう話をしていたんですけど(笑)」
確かに、出合さんは戦士の中では最年長ですしね(笑)。そして、鎌倉のロケに行くロケバスの中で、みんなとずっと友達みたいに話をしていたらしいのですが、9年ぶりに会ったスタッフさんに「当時はいくつだっけ?」と聞かれ「19、20才くらいでしたね」と返答したら、みんないっせいに敬語になったそうです(笑)。 「“ああ、イヤ……いい、ごめんね”みたいな(笑)。大人になるっていっても、そんなに自分の中では変わらないじゃないですか? ……だけど鏡の前でお芝居をして思ったんですけど、ちょうど菜月(中村知世)ちゃんが、私がメガレンジャーでみくを演じていた時と同じ髪型だったのと、19歳という実年齢も同じじゃないですか、それで、彼女の後ろに立っていたら“私もこうだったんだ”なって思えてきて、その時に初めて自分が当時より歳をとっているんだって思えたんです。やっぱり違うのかなって。私もこんな感じでやっていたんだなって……対比できるものが目の前にあるわけですよ。衣装も同じミニスカートで、キャラ的にも似てるし、知世ちゃんのお顔もちょっと童顔だったりして……」 自分が歳をとったことを何か他人事のように感じていたそうですが、周りのスタッフの方も歳をとられているし「お前も母親役をやるようになったか」とおっしゃられるのを聞いて、改めて月日が経ったんだな、と感じたとか。 「ぜんぜん話は変わるんですけど、プライベートな話なんですが、夏木マリさんと競演させていただいて、常に新鮮な気持ち持っているとか、人と会って楽しいとか、そういう気持ちをずっと持っていらっしゃる方って、何かにじみ出てくるというか、にこって微笑まれても、ふわぁ〜ってかもし出される雰囲気があるんですよ。年をとるって、損することや見た目のこともあるでしょうけど、積み重ねていけるものがたくさんあるんだなって思ったんです。そういう事を身をもって教えてくださる先輩方がたくさんいらっしゃっるので、逆に気合というか、楽しめる感じが最近するんです。だからちょうど、今のこの年齢が、いちばん自分らしいっていう気がしていてますね」 自分の中に残していくものとそうでないものが、ちゃんと見極められるようになったそうです。それに、辛くてもがんばるのは若い内だけで、無理をしてでもそれをやる事で何かを得られるはずだ、という暗中模索な状態から、現在はいらないものはいらない、楽しいものは楽しい、やりたいことはやりたいと思えるようになったのだとか。自分が楽しんでやっていれば、人も集まってきたり、色々な関係も増えていくという事で、本当に良い時期に今回の役に巡り会ったという事でした。さて、役作りの関してもう少し伺ってみましょう。人間じゃない部分を現さなければならない役という事で、何か考えられた事ってあったのでしょうか? 「そういった部分を表現するのは“私はアシュ、ケイと言います”というセリフの所だけでいいですよね? と監督とお話しをさせていただいていたんです。それは監督も一致していて、妖怪でも人間でも母親の気持ちは変わらないし、見た目のコスチュームなどでそういう雰囲気は作ってもらっているので、それ以降は母親の気持ちの方を大事にしました。それに悲しみの部分が上乗せされたり、運命だったり、抱えてる悲しみの深さだったりする部分に気を付けようと考えました。色々な葛藤があって映士を産んでいると思うし、だからこそ、ケイはアシュの裏切り者としての運命を全部受け入れていると思うんです。そして、ちゃんと子供のことを思い続ける……そういう所ってすごく母親なんだなって思ったんですね。だから、仲間がきた時に“ほんとにお願いしますね!”って心から言うだろうな〜って思って“お願いします”だけはちゃんと言おうとか、その辺を考えましたね(笑)。妖怪だからっていうことは別に関係なかったんです」 |
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