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長い真っ直ぐな黒髪、ぷるるんとした豊かな唇、黒目がちな目。そのどれもがとても印象的な芦名星(あしな・せい)さん。彼女が演じる響鬼たち鬼の前に立ちはだかる姫は独特の雰囲気を持っているが、その雰囲気の片鱗を彼女から充分感じることが出来た。
TVではその声までも童子と入れ替わっていて怪しい雰囲気となっているが、目の前の芦名さんは一体どんな方なのか。ゆっくりとその素顔に迫って行こう。 |
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これまで悪役が多かったという彼女、今回の『仮面ライダー響鬼』のオーディションではヒロインを、と思って受けたと言う。
「オーディションに関してはヒロインだと思っていたので、結構ワクワクしていたんですけど、今まで悪いほうの役が多かったので“姫”に決まって『あぁ、やっぱりか』って(笑)。でも今考えると、“姫”という役がすごく気に入っていて、本当に“姫・LOVE”って感じで没頭しているので、結果的にはすごく良かったなって思ってます」
と、言い切る。
特殊な役だけにその役作りについて伺うと、
「悪役が怖くないと、というのが視聴者さんからの目であると思うので、毎回違う役柄でも、どうやったら気持ち悪いかな? とか、笑顔で『殺すよ』って言うのもちょっと気持ち悪かったりするだろうなっていうのを、セリフの中だったり表情の中だったりで見つけて行ってます。明るい“姫”だったら、明るいだけじゃなく顔は笑っているんだけど、目は笑ってないとか。立ち姿も猫背よりは胸を張ったほうがいいとか、猫背にしたい時は右肩のほうが上がっていたらちょっと気持ち悪いかな?とか、何か微妙なところで工夫をしてます。ちょっと気持ち悪さというか
、雰囲気がでればいいなといつも思ってますね」
それらはもちろん童子と姫のモチーフによって変わる。
「衣裳が違っていることだけでも救われていますけど、私がいつも考えているのは、同じ衣裳を着ていても、全部が違う人格だったり、違うお芝居に見えないといけないだろうなと思っています。なので、ひとつひとつの与えられた、猿だったら猿、蜘蛛だったら蜘蛛という違う動き、本当に微妙なことで演じ分けられたらなと思ってます。毎回お題が来たときに『前がこうだったから変えてみよう』ではなくて、『蜘蛛だったらこうかな?』という考えで取り組んでいます」
その成果は視聴者に届いていることだろう。現に次はどんな姫なんだろうかと楽しみになっている。
「そう思ってみんなに見てもらえるように、こんな感じだろうなって悟られないように考えてます」
と言う。かなりのめり込んでいるようだ。今までの役では、台本を何度も擦りきれるほど読み、細かい仕草等まで研究して役作りに入る彼女だが、今回の“姫”はその方法とはちょっと違う観点から役作りをしてるとも言う。
「今回の役に関しては、基本的に相手とのキャッチボールが無いので、一方的に喋ったり、向こうが言ったことに対しても悔しいとか悲しいとかほぼ無いので、姫の感情を考えるよりも、どうおもしろく見せようかとか、どういう表情でやったら気持ち悪いんだろうか、みんなが見て『今の表情、すごく嫌だ』と思うような方向にと考えてます。その分役の幅が広いというか、何も正解がなく、逆にこれをやってはいけないとかも全くないので、どこまで自分の引き出しを出せるかに結構悩まされるというか、時間を費やしてます。だから、指1本の動きで1時間とか、この動きだったら気持ち悪いかな?とか、そういうことを考えていますね。セリフをどういう風に言おうかというのも、もちろんあるんですけど、セリフと表情と動きが一緒にならないとできあがらないものだから。動きもオーバーだし。だから、今回の役に関しては、悩むところも考える幅も全然広いので、そういう面では初めての役かなと思います」
と、ゆっくりじっくり語ってくれた。さらに、いくつもの種類がいる“姫”の設定についても、
「何人もの役を悪役としてやるというのは、まず考えてませんでした。今までの戦隊シリーズでも、悪役は一人の女王様みたいなイメージがあったから、最初はそういうのイメージだったんですけど、ひとつひとつが違うし、衣裳からこだわっているから、そう言う面でも本当に貴重だなと思ってます」
さらに何役も演じることによって、新たな自分を発見することにもなったという。
「私ってこういう表情ができるんだ、って。“暗い”の中でも、“明るめ”と“暗め”とあるんです。その“明るめ”の中でも3段階、4段階、5段階と自分の中で微妙にレベルが付けられてきてる。“暗い”中でも喋り方や表情ひとつで微妙に違うっていうのを、今自分が気付いているっていうのが大きくて。今後はそれを普通のお芝居に活かせていけたらいいなと思ってます。例えば人を殺す役が来たとしても、暗くて怖い『殺してやる』じゃなくて、笑いながら『殺してやる』っていうのもアリだし。その笑いながらの“笑い”でもすごい微妙な何十通りも違う人を演じられるというのを、一人で今度は私は『猿みたいにやってみよう』とか『蜘蛛みたいにやってみよう』っていうのができるように、今学んでいることがたくさんあるっていう感じですね」
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構成/すねやみえこ
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