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「和香さんご自身、番組を一歩引いたところから観ているのでしょうか?」
と尋ねると、
「完全に一歩は引けませんね。オンエアを観るときって、冴子の気持ちになっちゃってるんですね。だから、一歩引いてというよりは半歩くらいですかね(笑)。毎週ビデオに撮ってて、1回目は素直に冴子の気持ちに入れるんですね。そして2回目3回目で客観視して、さらに繰り返し観たりしますね」
と、かなり真剣に観ていたようで、和香さんの真面目さが伺える。 |
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「でも、あんまり繰り返し観てると訳分からなくなっちゃうんですよ(笑)。人間って、セリフもそうですけど、何回も何回も忘れないようにとか噛まないようにってやっていると、「なんだっけ? 何語?」くらいになっちゃうんですよね(笑)。本当に不思議で。だからやっぱり心がけたのはセリフを覚えて、絶対に寝る。じゃないと覚えてない。睡眠って大事だと思いました(笑)」
と、その真面目さゆえに困ったことにもなっていたようだが、そこはしっかり“睡眠”という解決策も編み出していた。
さて、そもそも和香さんが冴子役を射止めた経緯はどんなものだったのか?
「オーディションを受けられたのですか?」
と尋ねると、なんと、
「『龍騎』の映画のオーディションに行ったんです。そしたらアイドルみたいな子たちがいっぱいいて「あれ? どうも様子が違うぞ」って(笑)。受けていいのか?って思っていたら案の定、落ちて(笑)。そしたら、その半年後に「この役があるので、ピッタリかと」とお話を頂いて」
ということで、どこでどう縁が繋がっているのか分からないのはどの世界でも同じこと。和香さんはご自身にピッタリの役でめでたく『仮面ライダー555』出演が決まった。そのピッタリの役・冴子との共通部分はどこだと、和香さんは捉えているのだろうか。
「たぶん女の人って、どんな人でも冴子みたいな一面は少なからずあると思うんですよ。人間がどこかに持っているんだと思うような冷酷さとかが、たぶん心の奥底にあるんだと思う」
と、冴子の冷酷さはどの女性の心にも潜んでいるものだと言う。そして、
「職種がバーテンってことも、いいなと思いましたね。女の人が働くっていう、わかりやすい職業ってあまり無いじゃないですか。OLでもないし、水商売のお姉さんでもない。バーテンっていうところが冴子らしいなと思いましたね。シェーカーを振りながら、人を見ているっていうか、聞いているっていうか。私とは違うんですね、冴子は。私は引いちゃうんですね。黙って聞いてはいるんですけど、冴子みたいに頭の回転は良くない(笑)。冴子は賢いなと思いますね。不思議な人でした」
と和香さんと冴子の違いも語ってくれた。ちなみにシェーカーさばきはいつ習得したのだろうか?
「台本をもらってバーテンということで、急いでバーテン経験者の友達に、プラスチック製ですけどシェーカーとマドラーを持ってきてもらって。何通りか教えてもらってずっと練習してました。見え方としてそういう風に見えればいいのかも知れないけど、やっぱり冴子の職業だしそれが冴子だから。琢磨くん役の山崎(潤)さんがバーテンの経験があるんですよ。だから「そこで教えてもらえばいいんじゃない?」って言われてたんですけど、山崎さんも役に入られてるわけだし、ましてやクランクインの時にそこで教えてもらうのはそれは違うと思って。やっぱり、冴子を演るに当たって自分ができる範囲のことはしておきたかったんです。まだキャラクターをすべて掴める訳ではないから、せめて台本に書いてあるわかりやすい要因と、職業のバーテンというところだけでも近づけておきたいなというのはありました。クランクイン前にそれができていれば、また違った冴子というか、いろんな部分の感情も考えられたし余裕が持てたわけですから。もしもそこでシェーカーの練習をしてたら、それしか覚えられない訳だからそれは良くないなと思いました」
と、至って真面目な和香さんだ。
ところで、その職業柄か冴子は“バー・クローバー”に居ることが多く、初めのころはあまり外へ出ることは無く、和香さん自身も「いつになったら戦うんだろう?」と思っていたくらいだったという。そしてその撮影現場となったバーでは、
「バークローバーのシーンでも、すごい重いんですよ、毎日が。まあ、朝早いっていうのもあるし、時間の制限もある。すごい狭いから照明とかも大変なんですよ。で、みんなピリピリしてるんですけど。でも、スタッフさん全体でそこの雰囲気を作ってくれる、だから絶対私語とかも無いんですね」
と常に良い緊張があったことを教えてくれた。そんな中、和香さんが感じたことは、
「スタッフさんもキャストの方も、私が今まで経験したことのない現場だったから、新しいものも、忘れちゃいけないこともそれぞれ教えられた気がしますね。忘れてはいけないことというのは、演技に対しての感情の入れ方とか、ひとつの物を作るというひたむきさ。自分だけが前にいても違うし、それは常にここ(胸)にあるものなんだけど、それを再確認できた」
と、いかに多くのスタッフやキャストによって作品が作り上げられていくのかが、強く胸に響いたようだ。 |
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そして、『555』の大きなテーマであった人間とオルフェノクの共存については、
「私が思うにはオルフェノクと人間というのは、人間の中にオルフェノクという闇があって、それをどう使うか。また今まで変身ベルトはヒーローしかつけれないっていう常識みたいなものがあったんですけど、私もカイザに変身したし琢磨くんもファイズに変身したりして、悪の手に渡れば悪も変身できる、それをどう使うかによって違ってくる。その力を使って人を助けるのか、世界を征服するのかっていう違いがあるだけ。だから人間が自分たちが生きて行く上で、すごく嫌な人間になっていく冷酷な人間になっていくのか。そうじゃなくて、優しさを表に出すのか、いろんな葛藤がそのままベルトにキャラクターとしてもある。だからファイズっていろんなキャラクターだったんだなって思いましたね」
と、奥深いこの作品をしっかりと捉えていた。そしてそのカイザになったときの感想を伺った。
「ビックリでしたね「え?」って。たぶん私が男の子だったらもっと大喜びだったんだろうな、って思いますね。ほかのキャストの男の子たちはすごい大喜びなんですね。夢なんですね、ヒーローって」
と、そこはやはり大人な女性だけに、冷静に喜んでいた。変身と言えばもちろんこのロブスターオルフェノクに対してはどんな感情を抱いていたのだろうか。 |
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