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それは外国人ライダーが出演すると、とあるスポーツ新聞で知ったばかりの時だった。
「来日しているので、取材ができますよ」
と、突然東映の映画宣伝部から連絡をもらった。
まずライダーが外国人であることに驚き、その俳優が映画『T.R.Y.』に出演していたことに驚き、そして、こんなに早く取材ができることに驚いた。劇場版の製作発表記者会見を翌日に控えた、6月2日東映本社に通訳を交えての外国人俳優へのインタビューに、久しぶりの緊張を感じながら臨んだ。いろいろな取材が集中しているようで、案内された部屋にはまだ彼の姿はなく、隣の部屋から広東語と思える話し声が漏れてきた。
台湾や香港を中心に活躍中のピーター・ホー氏は、この夏公開の『劇場版 仮面ライダー555』で白いライダー、仮面ライダーサイガに変身するレオを演じる。果たしてその素顔はいかなるものなのか……。
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隣の部屋から背が高く、健康的に日焼けした青年が笑いながら現れた。プロフィール写真から勝手に色白な華奢なイメージを受けていたので、その風貌の違いに少し驚くとともに強いライダーになりそうだとも思った。
彼は前のインタビュー終了後、すぐさまこちらの部屋に入ってきた。長い足をゆったりと投げだし、リラックスして座ると早速インタビューの開始だ。笑顔で時たま片言の日本語を交えて話すピーター氏、通訳の女性と3人での会話は微妙なタイムラグがあり、何とも言えない間が生まれる。
実はピーター氏、まだ撮影にクランクインしていなかった。それどころか、共演者ともまだ会っていなかったのだ。が、テレビ放映されたものをちゃんと観ているというので、その印象を伺った。
「すごい良いな、カッコイイなと思いました。というのは、昔も観ているんですけれども、昔よりも技術が進歩しているから、画面の説得力がある」
と、作品全体についての印象を話してくれた。え?“昔も観ていた”? 疑問に思って尋ねると
「もう二十数年前ですよね。おもしろいのは『仮面ライダー』の歴史が20年、30年とあるじゃないですか。例えば二十数年前の作品を観たら、その当時の技術的なものだったり、衣装だったり髪型だったりを観つつ、その時代の世相を風俗を観つつ、というのができるのがおもしろいなと思いますね」
と、『仮面ライダー』の作品を通して、当時の日本の時代そのものも観ていた。台湾にいたときにビデオで観ていたり、オモチャも多数流通していたようで『ライダー』のことは良く知っていた。手元に歴代のライダーが載った本があったので、それを見てもらいつつ話をしてもらうと、突然その手が止まり、
「アマゾン、これは印象に残っています。この形! 僕のひとつ年上(笑)」
と、それはとても嬉しそうに声を上げた。放映開始が1974年と、彼の生まれる前の年にであることを知っていた。ほかにも好きな仮面ライダーはいるのだろうか?
「たくさんいますよ。1号、2号もカッコイイ。以前の伝統的なというか典型的なライダーも大好きなんです。これ(ライダーマン)は顔が見えるのが良くないですよね。V3はグリーンと赤でカッコイイと思っています」
と、ピーター氏はバイクも含め『仮面ライダー』全般のファンだったのだ。
「小さいころなので、あまり覚えて無いんですけどf(^_^;」
とは、1号2号ライダーに関しての弁。それは仕方ないか。すると、この本を見ながらピーター氏が逆に質問をしてきた。
「この本には悪いライダーは載っていますか?」
全ライダー、劇場版にのみ出演したライダーまでも網羅されていることを伝えると
「そしたら、多分僕の役も載るんですね。それがすごく嬉しいんです。僕もこの歴史の中に残れるっていうのがすごく嬉しい。自分の中で大事なのは、30年とか40年とかある『仮面ライダー』の歴史の中に自分がそこに入ったんだよ、という記念的なものが残っていく、歴史に残っていくのが嬉しいんです」
と、突然目を輝かせた。ピーター氏は『仮面ライダー』のこの長い歴史を本当に重視している。そしてその一員になれることを何よりも喜んでいるのだ。たとえそれが悪役のライダーだとしても。
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