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| 「デカレンジャーを最後まできっちり見届けたい」そんな熱い気持ちで、最終カットまでデカ・メンバーたちを見守り続けた稲田さん。インタビューさせていただいたのは午前中でしたが、数時間後に迫ったラストシーン収録に向けて沸々とたぎる気持ちを語ってくださいました。 |
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───いよいよ、ラストアフレコを迎えたわけですが、今のお気持ちを教えてください。
「正直まだ、そんなに高ぶるものはないんですけど、さっき、“お前たちのことを誇りに思う”っていうシーンを台本でチェックしてたら泣きそうになりました。もともとのシナリオにはなかったんですけど、撮影現場でボスが一人一人を抱きしめるっていう芝居がついたらしくて、それを聞いてもうウルウルきちゃいました。俺のセリフはないんですけど、マイクのこっちでは多分泣いてますから。その気持ちがシーンに乗ればいいなと。ドギーの魂になればいいなと。
とうとうアフレコも最後なんですけど、どういう心境でそのシーンを演るのかな…。気持ちで演じるシーンって、あんまり事前に練習とかしないんですよ。戦いのシーンとかはね、練習したり、ここでこうキメようかなとか自分でプランを練ったりするんですけど、気持ちで演じる時は、その時の素直な感情に任せようかなと。今から楽しみです」
───だんだん、そのシーンが近づいてくると気持ちも変わるんでしょうね。
「また来週、録りませんかって言っちゃったりしてね(笑)。終わりたくない。うーん、終わりたくないなぁ…」
───今朝起きた時のお気持ちはいかがでしたか?
「起きた時…っていうか、寝てないです(^.^;」
───遠足の前の子供のような?
「そうですね(笑)。この作品に関しては、そういう話数が多々ありました。百人斬りの時もそうでしたし。やっぱり自分のヤマ場、ヤマ場では、寝ようと思ってもいろんな想いが頭の中にぶり返してきちゃうんです。
昨日の夜も、早めに寝ようと思ってたんですけど、やっぱり寝付かれなくって。結局、パソコンいじって番組のホームページ見ながら“ああ、こんな時もあったなぁ”ってしみじみ読み返しちゃったりして(笑)」
───みんな成長したなって?
「うん。最近、一話からのDVDを見てるんですけど、みんなも俺もやっぱり最初の頃とは違ってますよね。いろんなワザを覚えて、みんなアフレコもすごく上手になったし」 |
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───役の上でも、仕事の先輩としても、若いデカレンジャーたちを見守ってこられたんですね。
「キャストのみんなに対しては、父親的な感情を持っている部分はあると思いますね。昨年秋のスカイシアターのショーで、バンとホージーが高いところから飛び降りるところがあったじゃないですか。それ見た瞬間、本当にグゥっと来て。なんだか分からないけど泣きそうになって。よく、お父さんが子供の幼稚園の運動会を見に行って泣いちゃったりするって聞いて、“親バカなんだよ”って思ってましたが、その気持ちがよく分かりました(笑)。がんばってる彼らを目の当たりにすると、本当にぐっときますね。
お芝居ってね、一緒に演る人たちを信じて愛さないと良いものができないと思うんですけど、本当にそれをこの作品でことさら大きく感じることができました。本当に、彼らの行く末が楽しみでしょうがない。みんなたくましくやっていってくれると思うから」
───キャストのみんなにとっても、父親的な存在のドギーが見守っていてくれることでのびのびできたっていう面もあるんじゃないでしょうか。
「俺はいつもみんなとバカ話してるだけなんですけどね(笑)。でもね、デカレンジャーたちはボスに対して絶対の信頼感を持っているっていう設定を、演じている彼らがきっちり守ってくれたから、たまに遊びのシーンが入ってもOKなんですよ。たまにバンが“行くぜ、ボス!”なんて言ったりするじゃないですか、そういうのもね、関係性がきちんとできてないとボスのキャラが壊れちゃったりする。でも、デカレンジャーでは脚本でもボスの威厳をきちんと描いてくれていたし、演じる側もボスに対する尊敬の念っていうのを持っていてくれましたから、たまにお遊びがあっても全然大丈夫だった。そういうキャラたちの設定をきっちり作ったスタッフさんたちの力だなって思いますよね」
───スワンとの関係もそうですよね。
「うん、ヘンにいやらしくもならないし、情けなくもならないし。それでいて、いろんな想像をさせる部分があってね」
───最後まで謎のままでしたね。
「ね、見る人の想像力をかき立てるじゃないですか。各自の想像でこの作品を捉えていいと思うし。“この作品はこうなんですよ!”ってがっちり決めてないのも、またデカレンジャーの魅力なのかなと思いますね。いろんな想像を膨らませて、外伝とか続編をいっぱい作れそうですよね。こんなに魅力的な設定を一年で終わらせていいんですか!?って感じです(笑)」
───本当に一年間パワーが落ちないで、続きましたもんね。
「皮肉なもんで、その一年っていうのがよかったのかもしれないですけどね。始まったときから一年後のゴールが見えていたから、そこへ向かって密度の濃い作品を作れたっていうね。終わりが見えなかったら、だらける瞬間ってあると思うんですよ。これだけ盛り上がっている中で終わるっていうのは残念ですけど、タイムリミットが良い方に働いたのかなとも思います。たまに、デカレンジャー2時間スペシャルとか作って欲しいですけどね(笑)」
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───今だから言えるウラ話とかありますか?
「僕はアフレコの時のことしか分からないんですが、バンがテツに心臓を打ち抜かれちゃうシーン(48話『ファイヤーボール・サクセション』05.1/23 OA)ではみんなマジ泣きでしたね。ストーリーとしての結末はもちろん見えてるんですが、でも仲間が目の前で死んでる、それにオーバーラップして番組の終わりが近い、別れが近いっていうのが彼らの感情を高ぶらせたんでしょうね。そういう気持ちをすごく上手く芝居に乗っけるから、凄いなぁと思いますよ。
それと、テツが最近面白くってねぇ(笑)。最初のアフレコの時は苦労してね、最後には喉潰しちゃったんですよ。結局、3日後ぐらいに録り直したらしいんですけど、オンエアを見たら信じられないほど上手くなってて。人って、たった三日でこれだけ成長できるんだなぁ…!って実感しました。もちろん、本人の努力があったからなんでしょうが。最後に笑い話にできてよかったです (笑)。
で、テツがアフレコの時にマイクに乗らないとこで可笑しいこと言うんですよ。46話(『プロポーズ・パニック』05.1.9 OA)でウメコがマーフィに詰め寄られて、バンたちがマーフィを引き離すっていうシーンがあったじゃないですか。その時に必死で引き離しにかかる他の男3人を横目に、“マーフィって、こんなに力があったんだ…”ってぼそっと言ったのが可笑しくって(爆笑)。でも、彼は笑わそうなんて思ってないんですよね(笑)」
───この間のスカイシアターでは飛び入り参加されてましたが、あれは完全なアドリブだったんですか?
「ええ。言うことは箇条書きにしておいたんですよ。で、話が膨らんだら、その場のノリでやって行こうって。ネタとして、その場にいないキャストの名前を出そうとか、誕生日ネタを入れようとか、忘年会の話しようっていうのは考えてましたね(笑)。
俺の中ではテツとマーフィが忘年会の幹事……ってとこまでにしようと思ってたんですけど思いのほかウケて、ステージのキャストがツッコんでくるから、返してるうちに膨らんじゃったっていう(笑)。“場所見つけたのはマーフィだぞ。あいつは鼻が利くからな”って、我ながら上手いアドリブでしたね(笑)」
───これから始まるファイナルツアーでも参加するとか?
「基本的に出る気満々ですから(笑)。本当のファイナルは大阪なんでしょうけど、出る出ないに関わらず、そこは俺、自腹で行きますよ!ショーに参加できれば一番うれしいんですけど、多分それはないのでね。ファイナルでは野暮なことはしないつもりです」
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───一年間演じてこられた中で、こういう場面やりたいとか提案されたことはありますか?
「雑誌の取材で“百人斬りが気持ちよかったんで、今度は7人全員同一線上に並んで千人斬りやってみたい。ボスが先頭に立って戦うんじゃなくて、みんなそれぞれが一人前の戦士として、同一線上に立って戦いたい”って言ったら、それに近いことが44話(『モータル・キャンペーン』04.12/19 OA)で叶いました。ちゃんとそういう希望を受け入れてくれるから、なんてやりがいのある現場なんだろうって感激しましたねぇ。
アニメ業界にデカレンジャーファンは多いので、これに刺激を受けてアニメでもどんどん良い作品を作り出して、子供たちに夢を与えられたらいいですね。最近は大人を対象にしたアニメも多くなりましたが、でもやっぱり、子供たちに栄養を与える作品を作って行きたいし、デカレンジャーは間違いなく与えられたなって感じてます。いつか、この業界に入ってきた後輩たちに“デカレンジャー見てました!”って言ってもらいたいなと。うん」
───ここまで力を入れてきた作品が終わってしまうと、次に目指すのはなんでしょうか。
「正直、自分の中のテンションが落ちてしまいそうで怖いですね。役柄として、これだけやりがいのある役に今後、出会えるんだろうかって心配もあります。もうすぐ全て演りきりますけど、この作品を見て、稲田徹に新たなチャンスをくださる方に出会えるといいなと思います。
自分で言うのもなんですけど、俺自身、成長できたなって思うし、ドギー・クルーガーっていう役に成長させられたなって思うんです。俺が今まで演ってきた役より年齢層も高いし、ハートが格段上のキャラクターだったので、俺も人間的な成長はともかくとして(笑)、芝居を成長させていかないとキャラを演じきることができないなと思って真剣でした。もちろん、今まで演じたどのキャラも真剣に演じてきたつもりですけど、ことさら本腰入れてやりましたね。特別な役でした」
───あと数時間後には本当の終わりがやってきますね。
「楽しみでもあり、怖くもあり。でも、ラストシーンで“いつもと変わらずがんばってるデカレンジャー”ってのを見せてくれたから、ほっとできるかなっていう気持ちもありますね。これからもデカレンジャーたちはどこかで地球を守ってるでしょうから。いつまでも皆の心の中にはボスがいて、デカレンジャーたちがいると思うし、俺の心の中でも生き続けますよ、絶対に」 |
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構成/金子 明美
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