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控え室に座る小柄な女性は八重歯が印象的だった可愛らしい元アイドル、石野真子さん。しかし、彼女と共演したデカレンジャーの若いメンバーは、彼女の華麗なるアイドル時代を知らないのだ。彼女がこうして『デカレンジャー』に出演して、しかも変身までしてくれるなんて、一体誰に予想ができただろうか。少なくとも当時を知る我々には予想だにしなかったことだ。
そしてその姿にはなんとも言えぬ大人の魅力を感じさせてくれたのだ。『デカレンジャー』出演は彼女の芸能生活にどんな影響を与えたのだろうか。その真相を確かめるべく、撮影も終盤を迎えた12月末、第46話、47話のアフレコを終えた彼女をその控え室に訪ねることとなった。 |
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にこやかに笑顔で迎えてくれる彼女は、TVのイメージのまま。癒し系である。
「今日はアフレコだったんですね」
と、切り出すと、
「はい、録ってきました」
と、笑顔。とても人なつこそうな笑顔である。
芸能生活の長いベテランの彼女にとって、アフレコなどお茶の子サイサイかと思いきや、
「いえいえ、全然。本当にアフレコも何十年ぶりかの経験で、なかなかヘタで、あははは(笑)」
と、高らかに笑う。
「みなさんにご迷惑をお掛けしてて(苦笑)。最初の頃はデカレンジャーのみんなも初めてのアフレコ経験で『せーの!』で始まったのに、どんどん追い抜かれちゃいました(笑)。みんなのほうが全然うまくなっちゃって、私は『もう1回お願いします』なんてやってます(笑)」
と、とても謙虚。そして良く笑う。つられてこちらも笑ってしまうほどだ。きっと撮影現場もこんな風に笑顔が溢れているのだろう。
そんな撮影現場もスワンさんの出番はあと1日だという。そこで、この1年をふり返って頂いた。
「私自身、最初はどうやったらスワンとして、そしてデカレンジャーの番組の中に、ドラマの中に溶け込めるかな?ってすごく不安でした。作品の中にフッと溶け込めたら良いなって思いながらずっとやってきました。お芝居のほうは監督がどう思われているか分からないんですけど(笑)。スタッフもキャストも素晴らしい方たちばかりとご一緒できて、やっぱり長いですからね、どんどん密になって楽しい時間を過ごさせて頂きました。とにかく、もう“花よ蝶よスワン様”で(笑)、本当に暖かくと言うか優しく接して頂きました。すごく優しいスタッフでね、寒くなると『スワンさんが寒がっているじゃないか! ストーブだ!』とかね(笑)。膝をついてのお芝居のときは『スワンさんが膝ついてるんだから、毛布だろう!』ってね(笑)、本当にお姫様のように接して頂いて(笑)、楽しかったですね。そしてみんなのデカレンジャーに対する熱い熱い想いを感じました。みんなデカレンジャーを愛してるっていう、その中に入れたっていうのがやっぱり嬉しかったな」
と、ゆっくりとしみじみと語ってくれた。
これだけでもう、どんな撮影現場だったのか目に浮かぶ。みんなが真子さんの出演を喜んでいたのだ。
その彼女の演じるスワン、正に真子さんにピッタリだ。 |
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「スワンさんって素敵な女性ですよね」
と振り、真子さんから見たスワン像を伺った。
「とても優しい女性で強くて、その強さというのも力が強いとかではなくてね。その優しくて強い女性を目指してこの1年間頑張ってきたんですけど、できているかどうかは分からないんですが、でもいつも心に置いて。強くなければ優しくできないし、いろんな面で柔軟性があって何でも受け止めるその気持ちがないと、心がないと人に優しくできないので、そういうところを心がけて演じてきたつもりです。スワンと言う人は、本当に強い人なんだ、だから優しくなれるんだっていうことでね。その精神的な面だけでなく、物理的にも頭脳明晰っていう、うふふふ(笑)。本当に頭脳明晰だと思うんですね、羨ましくて(笑)、なんてメカに強いんでしょう」
と、ここへ来て彼女の笑顔がさらに増した。照れ笑いも入っているのだろう。さらにスワンと自分を照らし合わせて、
「もう、かけ離れております(笑)」
と謙遜する。
「携帯電話も留守電を聞くのが精一杯で。メールするのが精一杯かな、いろんな機能があるのにこなせず(笑)。電話で話して聞いて、メールするくらいで。いろんなボタンがあってもっと便利にできるらしいんですが(笑)。ふふふ、なかなか説明書に弱くて、ははは(笑)」
しかし、そんな不器用なところも、いえ、そんな不器用なところこそいつまでも可愛らしくある真子さんの魅力なのである。
「スワンは憧れの人です(笑)。素晴らしいですよね。何でもできちゃうんですもの。だって、あんな大きなビルみたいなデカベースを動かしちゃうんですからね、ボタンひとつで。『すごいな、スワン!』って思いながら操作しているんです(笑)」
と、話す。
そして彼女らしさを感じたのは、“スワン”の設定を説明された時のエピソード。
「メカニックだというお話を伺っていて、『ロボットや機械をメンテナンスしたり、仲間のみんなの気持ちを癒したりする優しい女性なんですよ』というのをプロデューサーからお聞きして『そうか、溶接工みたいにこうやって、火花を散らしてやるんだな』って(笑)。もう、その頭しかなかったですね(笑)。もう、考えが遅れてるったらないですよね(笑)。機械を直すっていうのは溶接工のイメージでいたんです、あははは(笑)。今はコンピュータの時代だっていうのにね(笑)」
さらには、それ以前の話でヒーロー番組への出演依頼を聞いた時の反応がすごい。
「(出演のオファーがきて)びっくりしました。『え〜、そんな足上がらない』って(笑)戦うつもりでいましたから(笑)。『アクションなんか絶対できない。どうしよう、今から習わなくちゃ』とかそんな馬鹿なことを考えてました(笑)。後になって冷静になって思うと、そんなわけ無いなと。そう思った自分が馬鹿みたいなんですけど(笑)」
と、戦うヒーロー役を考えていた。が、それが実現してしまったのがこれまたすごいことだ。
番組後半では、「乙女のたしなみ」として“真白き癒しのエトワール、デカスワン”に変身してしまった。さらには「スワンレインボー」なる必殺技まで決めてしまったのだ。
「本当に良い経験で、生まれて初めての経験で、これから先もそうあることではない、たぶん無いんじゃないかと思えるくらい、本当に良い経験ができて良かったです(笑)。
いつもスタジオのセットばかりでしたから新鮮でしたよ。ちょうどあの日は台風の次の日で、海にロケに行って、丘の上で撮影したんです。午前中は本当に風が強くて、丘の上に立つとみんな吹き飛ばされるくらいすごくて、スワンの白衣が風に舞ってふわ〜と後ろに流れて、このまま飛べるんじゃないか、ってね。ここからジャンプしようかという思いに駆られるほど(笑)。風が気持ちよくて、すごく良い日でした」
と、まずは数少ないロケを堪能。そしていよいよ変身となった。
「何となくちょっと恥ずかしい部分があってちょっと照れましたけど、でも、照れているほうが馬鹿みたいなので。ちゃんとやらなきゃって。カッコ良く決めないと、と思いつつ、でもできなくて(苦笑)。アクション監督にいろいろと教えて頂いて」 |
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