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| 6月半ばの水曜日。梅雨とは思えない青空が光っていたこの日、脚本家の荒川稔久さんにインタビューの時間をいただいた。東映東京撮影所内での待ち合わせは午後1時。お会いするのはこの日が初めてだ。少し早めに到着してインタビュールームの準備をしていると、入り口あたりに人の気配が。「あの・・・」という声がして振り向くと、そこにいらっしゃったジーンズ姿の男性が荒川さんだった。物静かな雰囲気で、どちらかといえばシャイな方という印象・・・を最初は受けたのだが、子供時代から現在にいたるまでのお話を伺ううちに、いろいろな表情が見えてきて、気づけば約2時間もの長いインタビューになっていたのだった。 |
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いくつものスーパー戦隊シリーズの脚本を手がけ、『仮面ライダークウガ』でもシリーズ構成・メインライターを務められた荒川さん。東映の特撮ヒーロー物に欠かせない存在として数々の名作を生み出してこられた方だけに、ご自身がどんな番組をご覧になっていたのかが気になる。まずは、「子供の頃からアニメやヒーローものはよくご覧になっていたんですか?」と質問を向けてみた。
「そうですね、姉が5つ上なもんですから、その影響もあって。最初は手塚治虫さんから入りました。特撮で言うと第二期ウルトラマン世代ですよね。『帰ってきたウルトラマン』とか。東映のもので言うと、やはり姉の影響で仮面ライダーを見始めたんです。当時は仮面ライダーって子供にとってはすごく大人っぽい作品でしたから、“ちょっと怖いけど見てみる?”なんて言われて。その時、姉が小学校の6年生ぐらいだったんですけど、その世代で話題になっていた番組だったんですよ」
仮面ライダーは当初、怪奇ドラマとしてスタートしただけに“ちょっと怖かった”というのもうなずける。ちなみに「覚えているエピソードはありますか?」とお訊きすると、
「ライダーより『超人バロム1』(’72年4/2〜11/26OA)の方が印象が強くって。怪人が気持ち悪いじゃないですか。人体をモチーフにしたドルゲ魔人は特に印象的でしたよね。そのへんからニュッと出てきたらイヤですよあんなの。当時は今みたいに街も明るくないから、本当にいそうな感じがして怖かったですねえ」
と懐かしい番組が飛び出した。
戦隊シリーズの第一作『秘密戦隊ゴレンジャー』が始まった当時すでに小学校高学年だった荒川さん、小さかった頃、リアルタイムでご覧になっていたのはウルトラマンシリーズだったと言う。
「一番ハマッたのが『帰ってきたウルトラマン』でした。小学校2年生ぐらいでしたかね。それまで二年半の間ウルトラシリーズをやってなくって、久しぶりにウルトラマンの新作が放送されるよっていうので夢中になって見たのが『帰ってきたウルトラマン』だったんですね。
初代とかセブンってのは、どうしても昔のものっていうイメージがあったんですよ。だから、すごいなと思いながらも自分たちのものじゃないような感じがしていたところに始まったのが『帰ってきたウルトラマン』で、もういきなり“これだーっ!”って感じで(笑)」
どんなところが少年心をくすぐったのか、というと・・・?
「ビジュアル的なイメージで言うと、“夕陽”の暖かみみたいなものですかねえ。あと、MATっていうチームの中でお互いがいろいろ思うところがあってぶつかったりしながら、だんだん仲良くなっていくっていうようなところも僕にはフィットしたんですよ。僕の姉の世代からすると、“そういうのは地味だしまどろっこしいから『ウルトラセブン』のほうがいい”とか言うんですけど。そのアットホームな感じがね、逆に僕にはよかったっていう」
と人間臭さを全面に出したストーリーが好みにあっていたらしい。(余談だが、第6回で登場してくださり、荒川さんとは同年代の渡辺監督は『帰ってきたウルトラマンは暗くて苦手だった』とおっしゃっていた。やはり好みは人それぞれのよう★)
そして、もう一つ、よく見ていた番組として名前が挙がったのが前述の仮面ライダーだが、こちらで一番気に入っていたシリーズは『仮面ライダーV3』だったという。
「一番最初のは途中から見始めましたし、毎週必ず見るようになった頃に始まったのがV3だったので。レコードも買いましたよ、お小遣いで。今も大事に持ってます。でも、話がどうだったっていう記憶はあんまりないんですよね」
という荒川さん、仮面ライダーごっこなんかはしなかったのだろうか?
「ごっこ遊びっていうのは、みんなはしてましたけど、僕はあんまりそういう仲間には入らなかった記憶がありますね。どっちかっていうと、暗い少年だったので(笑)。ポインターのプラモデル買ってきて、一人で火をつけて遊んでたり(笑)。リアル怪獣ごっこって感じで、そういうことはしてましたけど(笑)」
と、どちらかと言えば内向的な少年だったらしい。
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ならば、レコードの話も出たことだし、コレクター少年だったのだろうか?「ソフビやカードは集めてました?」とお尋ねしてみると、
「ソフビは集めなかったなあ、そういえば。カードはね、カルビーのスナックの仮面ライダーカードなんかは集めましたけど。
僕が夢中で集めたのは、小学館の雑誌の付録についてくる怪獣のバッヂ。あれは集めてて、友達と交換したりしましたけど。やたらと綺麗だったんですよね。『小学二年生』の時は原画を内山まもるさんが描いていたんですよ。それが三年生になったら違う絵になっちゃったんです。悔しくて、3年生の時もずっと『小学二年生』を買って(笑)。ウルトラマンエースの時に3年生だったんですけど、マントを羽織ったウルトラ兄弟のバッヂがあったんですよ。それはやっばりね、二年生の方が三年生よりもカッコよくて綺麗なんですよね」
と熱〜い答えが。 |
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