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この日は『アバレンジャー』のアフレコ日。戦隊シリーズには、この作業が欠かせない。映像撮影中には音声は一切録音されていないからだ。いわゆる“オールアフレコ”と呼ばれるもの。そのため、役者は映像を撮った時と同じ芝居を声で要求される。
しかも自分の口の動きに合わせて声を録る。これが慣れないとどうにも難しくて、毎年ヒーローたちの大きな課題のひとつとなっている。そして、それは悪役にももちろん当てはまる。
この日の出番は始めと終わりということで、昼前に始めの出番を終えた彼女は次の出番まで時間が空いてしまう、いわゆる“中空き”になるという。しかしそのお陰で今回インタビューさせて頂くこととなったのは、リジェ役そして最近では“謎の少女”役が多い鈴木かすみちゃんだ。
中空きとなった彼女は、トレードマークの綺麗な長い髪をなびかせて登場。小柄で華奢な感じの彼女だが、実は中学1年生。見た目よりもお姉さんなのだ。そして、そのかわいらしい笑顔は、大人の心を癒してくれるのだ。
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目の前のソファに座った彼女。だが、その軽さ故にソファが沈むことはない。まるでふわっと浮いているかのようだ。
「今日のアフレコは、どっちの役ですか?」
と問うと、
「謎の少女役です。リジェはもう終わっちゃいましたぁ(笑)」
と、ちょっと残念そうに笑った。一人二役に挑戦していた彼女にその演じ分けについて聞くと、
「特にしてなかったんですよ。ふたりとも全然役が違うので」
と、あくまで自然体であったと答えた。この辺に真の実力が隠されているのかもしれない。なにせ彼女は幼いながらに、CMやミュージカル、雑誌に出演したりとキャリアはばっちり。だが、意外にもTV出演は『アバレンジャー』が初めてだった。そこで、
「TVと舞台との違いはあるかしら?」
と尋ねると、
「TVだと舞台のような大きな動きはしないじゃないですか。でも、最初はどうしても舞台のような演技になっちゃって「やっぱり違うんだなぁ」って思いました。セリフにしても自然の感じじゃない…声を張った感じになっちゃって。TVで観ている分には分からなかったんですけど、やっぱりやってみると違うんだなぁって」
と、率直な感想を教えてくれた。さらに、カットごとに撮影していく事に関しても尋ねると、
「最初は全然そう(カットごとに撮影していく)は思ってなくて、全部通して撮るのかな?って思ってて。「どうしよう、こんなにたくさんのセリフ…(@o@)」って。それが毎回毎回だから、本当にどうしょう…って思ったら、カット割りだったんで「よかったぁ」って逆に安心しちゃいました(笑)」
カットごとの撮影は彼女に取ってはラッキーなことだったようだが、もちろん初めてのこと、戸惑うことも多かったようだ。
先に撮影したシーンの続きを撮影するとなったときのことだ。
「あのとき、片手はこうして下げていたから同じようにっていうのが、左右逆だったり。覚えてないんですよ(笑)。スタッフさんに「どっちだった?」って聞かれても「あれ? どっちだったろう? 思い出せない〜」ってなっちゃって(笑)」
と、何気ない仕草も、カットを繋ぐ作業がある以上忘れちゃいけないことを知ったかすみちゃん。そして撮影現場では、ヴォッファやミケラといった彼女よりもとても大きな敵幹部との共演。彼女にはさらに気を付けなくてはならないことが…
「ボッファとかは横幅も広いじゃないですか。最初は近寄ってくるときも「あ、ぶつかる」とか思って、ちょっとよけ気味に(笑)」
と、さりげなくあの巨体を避けて演じていた。だが、デズモゾーリャ様が憑依したときには、不思議な力でヴォッファもミケラも一撃で吹き飛ばす。
「その大きなヴォッファたちを一撃で吹き飛ばしちゃうのは、やっぱり気持ちいいもの?」
と聞くと、
「楽しいですね(笑)。私も技があればいいなぁと思っていたら、そういう技ができたんですごい嬉しかったです」
と屈託ない笑顔をみせる。
さて、そのリジェ役だがやはりオーディションで決まったそうだ。
「リジェ役のオーディションは上手にできた?」
と尋ねると意外な答えが…
「全然(笑)」
と苦笑する。
「全然ダメなんですよ。緊張しちゃって、そういうの苦手なんです。だからオーディションがあるっていうと、前の日はお腹が痛くなっちゃって(笑)」
と、これまでミュージカル舞台などで何百人、何千人という大勢の観客の前で演じてきているのに、何とも解せない。すると彼女曰く、
「少ない人の前だとすごい観られているっていうのが分かって…、しかもそれで受かるかどうか決まっちゃうので緊張して…」
と、舞台とオーディションはまったくの別物だと言う。それほど緊張したのなら、合格した時の喜びはさぞかし…
「信じられなかったです。「え〜!」みたいな。お母さんが電話に出て聞きました。それでお母さんと一緒に喜んでました」
と、明るく嬉しそうに話す彼女を見ていると、親子で喜んでいる姿が浮かんできた。
そうして獲得したリジェ役、前出のようにいろいろと大変のこともあっただろうが、番組も中盤を過ぎるとアバレキラーとの共演が目立ってきた。さてそのキラー・仲代壬琴役田中幸太朗さん、いわゆるイケメン俳優との共演はどんな感じなのか。
「幸太朗さんってすごいおもしろい人なんですよ。なので、照れとかは全然なくて、自然に。毒舌も全然なかったです(笑)」
と、普段の田中さんは壬琴のイメージはまったくと言っていいほどないようだ。しかも待ち時間には…
「気を使ってくれて、いろいろ話してくれるんです。結構勉強も見てくれるので、苦手な算数も教えてもらってます♪ あ、英語を一番教えてもらってますね。「俺、英語は得意だよ」って言って」
と、とても楽しそうだ。
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そして共演シーンも多く、とても仲良しのジャンヌ役桜井映里さんともいろいろとエピソードがある。この夏の映画ではラストのダンスシーンで、大好きなダンスを披露。桜井さんはかすみちゃんにダンスを教えてもらったと言う。
「おもしろかったです。やっぱりダンスは好きなんで、自分のパートでないところも、えりてぃんさんと踊ったりして」
そういえばかすみちゃんは映画もこれが初体験だった。
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