すっかり三条幸人に扮している冨田さんに、その人の本気度を用意できるお金で計るという三条幸人と、それを演じる冨田さん自信の相違点から伺った。
「同じところは、完璧主義っていうのがそうですね。やっぱり完璧を目指したいんで。完璧ってあり得ないじゃないですか、たぶん。だから常に完璧を目指す状態がいいっていうのが、同じだと思うんですよね。違うところはクールで人間不信なところ(笑)。そこは違いますね。真逆ですね、熱くなるところは同じだと思うんですけど、基本的なクールさ、人に接するときに一線を置いて話すところとかは違いますね。幸人って、最初心を開いていないんであんまり笑わないんですよ。役に入る前とかみんなといると楽しいから盛り上がっちゃって、だから、撮影中とか現場ではちょっと少し離れて(笑)笑わないようにとかもしてたんですけど(笑)。そうしてないとできないんですよね、この役。笑いじわとかできていたらね、幸人じゃないですからね」
と、写真で見ていただけではちょっと怖いのかな?とも思った冨田さんだが、実際は非常に明るくソフトな感じで、弁も立つ。
TVドラマ『ごくせん』の生徒役がデビューだった冨田さんは、映画『ピンポン』にも出演。どちらも素に近かったという。今回の幸人は冨田さんの素とは真逆のタイプ。
「僕は、テンションは高い人ですね。だから、この役を一年間やったら自分は成長できるなって思いますね。オーディションも最初、結構凌駕役をやっていたんですよ」
と言う。そんな真逆な役を1,800人もの応募の中から選ばれたのだ。
どんなオーディションだったのだろうか?
「凌駕役をずっとやって、たまに幸人を演る感じで、アスカはまったくやらなかったんですよ。最終のオーディションのときには幸人しかやらなかったんですよ(笑)。「あれ? 俺これなのかな?」と思って。最終オーディションで4人に絞られたんですよ。そこからがすごいハードでしたね。でも、一番楽しかったですよ」
何がどうハードだったのか? 最後の最後4人から3人に絞るためのオーディションは、最終オーディションの1週間後だった。
「その1週間が一番辛くて。この1週間の過ごし方によって結果が変わるんですよ。そのときバイトしてたんですけど、普通にバイトしててもそのことを考えるじゃないですか。オーディションの本番とかは緊張しないんですけど、待ってるその1週間のほうが緊張して。その1週間が一番考えましたね、これでもかって言うくらい」
そして迎えた最最終オーディション。ここでは、冨田さんは幸人役のみ。しかも出番が少なかったと言う。
「これはヤバイかな?って思って(笑)」
しかし、審査員の注目は彼の髪へと移っていたらしい。審査員に言われるままに髪を上げると、「あげた時にざわついてて「お? 来たかな?」って思って(笑)。それで次の日に結果がきたんですけど」
さあ、いよいよ結果発表。しかしその結果は本人にはなかなか伝えられなかった。ボイストレーニングも終え事務所で待っていると、
「社長室に呼ばれて行ったらいきなり「自信はあるか?」って聞かれて、「はい。一応あります」って答えたら「おめでとう!」って。もう、超感動! そんなに感動的にしなくてもいいんじゃないですか?って感じになったんですけど(笑)。もったいぶられましたよ、結構ね。そういう意味では印象に残るオーディションでした」
もちろん、その喜びはすぐにご両親にも伝えられた。
「すぐに言いましたね。親もやっぱりすごい心配しているんですよね。周りの僕と同じ世代の子はみんな出て来ているんですよ、『ごくせん』のときの子とか。そんなプレッシャーもあって」
しかもその『ごくせん』で共演した泉 政行さんは、『555』の木場勇治役が決まっていた。「受かったって聞いて電話したら「受かったよ。そっちは? 絶対受かれよ」みたいに言われて(笑)。余裕があるんですよね、向こうは受かったから(笑)」
もちろん、この後冨田さんの結果を知った泉さんは喜んでくれた。ときたまメイクルームで会ったりしているらしい。
メイクといえば、その髪は……?
「エクステ(エクステンション)ですね。これ、自分で提案したんですよ。幸人って聞いたときにキャラクター設定がちゃんとついていたじゃないですか。で、外見は派手なのも好きって書いてあったんで。そういうのを考えたときに、今までの戦隊とはちょっと違うのをやりたいなと思って、エクステも髪を結ぶのも提案して、そしたら両方通ったんで(笑)。すごい良かったなって。やらなくてもいいことだけど、ひとつひとつこだわって行きたいなと思って言ったんですよ」
と、その役作りに熱が入っている。ん?「今までの戦隊」? そう、冨田さん、子供のころから戦隊シリーズを観ていたのだ。
「観てましたね、『フラッシュマン』とか。この間はうちの親が嫌がらせのようにビデオを持って来て、一緒に観たら30分くらいず〜っとひとりで「フラッシュマンごっこ」をやっているんですよ。4〜5歳のときで、ず〜っと親を巻き込んだり、周りの人を巻き込んだりして。しかも今よりうまいんですよ(笑)。倒れ方とかやられ方とか「うま〜い!」と思って。あのときのコレが役に立っていたのかなって、嬉しくなりましたね」
戦隊に選ばれた今、そのビデオはまるで将来を予知していたかのように見えたことだろう。
そして、共演者の印象を聞いた。
「みんな結構バラバラなんですよ、性格が。ブラックも含めて、バラバラな人たちが集まって、逆にまとまっているんですよ。バラバラだから合わないのかなとか、思ったんですよ。時間経たないと無理だなって。そしたらすぐパッと。(取材とか)そういうを重ねて行くうちに、ずっと一緒にいるからかもしれないんですけど。みんな真面目なときは真面目だし、ちゃんと芝居の話とかもするんですよ。バカな話ばっかりじゃなくて(笑)。台本読みもバスの中とかでしますし、メリハリがある仲間ですよね」
と、既にチームワークはばっちりのようだ。
さらに今後の展開として、
「幸人は役の中でもみんなと会って変わっていくんですよ。心を開いていくし、そういうのも出したいなと思ってて。戦隊の面は戦隊の面で見せていって、芝居の面は芝居でちゃんと見せれば一番いいな、ってみんなとも話していて。みんなそういう考え方だったんで、良かったですね。アフレコもできて、演技もできてアクションもできるから良い1年ですよね」
と、期待に満ちたコメントで締めくくってくれた。
大活躍を楽しみにしていますよ!
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